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【投資初心者向け】まとまった資金を投資で失敗せず増やす方法

2021年4月11日 公開 / 2021年5月16日更新

テーマ:投資・資産形成

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: 投資信託相続対策資産管理

まとまった資金が入ったら、あなたはどうする?


ドル札

・遺産〇〇〇〇万円を相続した
・退職金〇〇〇〇万円が入った
・宝くじで〇〇〇〇万円当たった
これまで手にしたことがないような大金が入ったら、あなたはどうしますか?

大金と言っても派手に使ってしまえば、お金はどんどん減っていきます。
それを理解していると
「やっぱり貯蓄かなぁ」
と考える人がほとんどです。

「でも貯蓄じゃほとんど増えないし」
日本では多くの定期預金の金利が0.002%です。
例えば5,000万円を定期預金に1年置いておいても1,000円しか増えません。

それにもしも金融機関が破綻した場合に、預金が保護(ペイオフ)されるのは1金融機関1預金者あたり元本1,000万円までとその利息です。
「銀行が破綻なんてするわけないでしょ」
若い世代の方は知らないかもしれませんけど、90年代の日本で金融連鎖破綻したこともあるんです。
「まさかあの銀行が破綻するなんて、、、」
とならないためにもペイオフ制度を覚えておきましょう。

「じゃあ投資?でも減らしたくないし、、、」
貯蓄よりは増やしたいけど、減らしたくないし失敗したくない。

まとまったお金を増やしたいけど減らしたくもない。
そんな悩みの解決するためのアドバイスをします。

人それぞれ状況が違うので
「これが正解」
というものはありません。

しかしこの記事を読めば基本的な投資の考え方、資産配分(ポートフォリオ)について理解ができるはずです。

投資の基本的な考え方


勉強

投資の三原則は
・長期
・積立
・分散
です。

そしてリスクを取るからリターンが得られます。
間違ってはいけないのは『投機』と『投資』です。

投機(トレード)というのは短期売買であったり、安く買って高く売ったりするものです。
短期間で大きな利益を得ることもできますが、逆に大きな損をしてしまう可能性があります。

しかもプロがしのぎを削っている中に素人が飛び込むわけですから、運良く勝てることがあっても勝ち続けるためには相当な努力が必要です。

投機がダメだというわけではなく、短期間で儲けることは簡単ではないということです。

投資はギャンブルではなくお金を育てる方法です

増やしたいけど減らしたくないあなたは、リスクをどれだけ取るかを考えるべきです。
ローリスクであればローリターン。
ミドルリスクであればミドルリターン。

投資の世界で『リスク』というのは危険という意味ではなく、『値動きの幅』と解釈します。

投資をしないリスクを知っておくべき

絶対に減らしたくないならローリスク・ローリターン


コイン

大切なお金を絶対に減らしたくないのであれば預金です。
超低金利ではありますけど、元本割れすることはありません。

預金よりももう少し増やしたいのであれば国債です。
国債とは簡単に言えば国にお金を貸すことです。
『個人向け国債変動10年』がオススメ。

個人向け国債は金利は0.05%が下限でこれよりは下がりません。
それに今後、金利上昇・物価上昇した場合はそれにあわせて個人向け国債の金利も上がるようになっています。

「でも日本って借金だらけで破綻するかもしれないんじゃ?」
可能性はゼロではありませんが、国が破綻するよりも前に銀行が破綻します。

個人向け国債は毎月発行されるので、毎回の募集期間内に申込みをします。
銀行や証券会社で取り扱っています。

ただ窓口での購入は1つ注意が。
銀行や証券会社は国債を売ってもほとんど儲けがありません。
「もっと良い商品がありますよ」
という営業トークで手数料の高い(銀行や証券会社が儲かる)投資信託などをすすめてくる可能性があります。

年利3〜5%のリターンを得たいならミドルリスク・ミドルリターン


株式

どうせならもう少しリスクを取ってもリターンを得たいなら、ミドルリスク・ミドルリターンの投資です。

オススメは1本で分散投資ができる投資信託やETFです。
国内外の株式や債券に投資することでリスク分散ができます。

日本で投資信託は6,000本も販売されているので、どれを選べばいいのか。
初心者が買うべき投資信託はインデックス型の投資信託です。
インデックスファンドは指数に連動する運用を目指す投資信託。
アクティブファンドは指数を上回る運用を目指す投資信託。

「じゃあアクティブファンドの方がいいんじゃないの?」
しかし実際にはほとんどのアクティブファンドがインデックスファンドに負けているというデータがあります。

アクティブファンドはインデックスファンドに比べてコスト(信託報酬)が高く、良いパフォーマンスを発揮し続けるものはあまり多くありません。

世界経済の成長に連動するインデックスファンドに投資すれば、長期的に見て3〜5%程度のリターンを目指すことは難しくありません。
毎年開催されている個人投資家(投信ブロガー)が投票する『投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year』を参考に商品選びをしてもよいでしょう。
[[【投資初心者向け】個人投資家がオススメする投信はこれだ! https://yoshii.info/2021/01/21/【投資初心者向け】個人投資家がオススメする投.html]]

不動産投資もミドルリスク・ミドルリターンと言われていますが、私の考えはあくまでも「しっかり勉強できる人向け」です。
お金だけ準備してあとは任せっぱなしでは、リターンは少ないですし不動産業者にカモにされる可能性もあります。
融資を受けて(お金を借りて)投資ができるという点では、大きなリターンを得られる可能性がある点は魅力ですね。

初心者はハイリスク・ハイリターンを避ける


ルーレット

お金を増やしたいけど減らしたくない、というあなたはハイリスク・ハイリターンな投資は選ばないでしょう。

個別株の売買、レバレッジを掛けたFX、暗号資産(ビットコインなど)
これらは値動き(リスク)が大きいので初心者が資産の大半をこれらにつぎ込むのは危険。
たしかに安いときに買って、高いときに売ればもうけられます。
しかし多くの人が値動きが気になって仕事に集中できず、運良く勝てることがあっても最終的にほとんどの人が負けてしまいます。

私は暗号資産を保有していますが、資産のごく一部でしかありません。
個別株も長期に渡って応援したい企業が見つかれば買いたいのですが、今の所は保有していません。

リスク許容度で資産配分(ポートフォリオ)を決める


グラフ

リスクとリターンの関係は理解できたら、あなたのリスク許容度に応じて資産配分(ポートフォリオ)を組みます。

まずは生活防衛資金です。
急な支出に備えていつでも引き出せるお金を確保します。
最低でも1ヶ月の生活費の半年〜1年分を預金で置いておきましょう。
もしも働けなくなって収入が0になっても半年〜1年は暮らしていけるという気持ちの余裕が持てます。
(会社員であれば失業手当や休業手当などもありますよね)

〇〇〇〇万円から生活防衛資金を引いて残ったお金は余裕資金です。
すぐには使う予定のないお金をどこに置いておくか。
この比率はあなたの置かれた状況によって違います。

すでに引退して収入がないのか。
まだまだ若くて20〜30年働くのか。

前者であればローリスク・ローリターンの資産比率を高めておきたいですし
降車であればミドルリスク・ミドルリターンで時間をかけてさらに資産を増やすことも可能です。

一般的に
国内債券 < 先進国債券 < 国内株式 < 先進国株式
と右側に行くほどリスク(値動きの幅)が大きくなり、リターンも多くなると言われます。

例えば退職金で〇〇〇〇万円を手に入れたのなら債券:株式が3:1
30代で遺産〇〇〇〇万円を相続したのなら債券:株式が1:3
となるように投資信託を購入するような感じです。

この比率はあくまでも参考です。
これが正解というものはありません。
株式比率が高ければ〇〇ショックが起これば、一時的に資産が40〜50%減少することもあります。
それに耐えられないのであれば債券比率を高めるべきです。

私が保有する投資信託の場合、ざっくりですけど現在は債券:株式が1:3です(債券25%)。
ちなみに暗号資産(ビットコインなど)は資産の中で1%未満です。
お金が紙やコインではなくデジタルになる日はそう遠くありません。
しかし値動き(リスク)が大きいので資産全体の5%程度までにしておくべきと考えています。

[[【投資初心者向け】何を買えばいいの?ポートフォリオの作り方 https://yoshii.info/2021/02/10/【投資初心者向け】何を買えばいいの?ポートフ.html]]

一括投資?分散投資?


札束

投資初心者にはつみたてNISAを利用して、少額からコツコツ積立投資しましょうとアドバイスします。
購入のタイミングを考える必要がなく、良いときも悪いときも購入し続けることで資産がゆっくりと育つからです。

しかし今回はまとまった資金が入った場合の話。
つみたてNISAは年間40万円まで、つまり月額3.3万円しか投資できません。
5,000万円をつみたてNISAで投資すると125年もかかります(汗)

では一括投資するべきか。
2020年2月上旬に投資信託を5,000万円分一括購入して、コロナショックの3月中旬に30%くらい暴落して3,500万円に。
わずか数週間に1,500万円減ってしまうことに耐えられますか。
ちなみに2008年のリーマンショックは下落率50%です。

投資初心者は
「赤字になる前に売ってしまったほうがいいのでは?」
と慌ててしまいます。
しかしリーマンショックにしても、コロナショックにしても、過去の暴落にしても、いずれ経済は元の姿に戻っていきます。

長期投資家はこのことを理解しているので、積立投資をやめたり、慌てて売ることはありません。
そうはいってもいきなり初心者にこのメンタルは無理です。

一括投資でもいいんですけど、精神的に耐えられそうにないのであれば、3〜5年程度かけて毎月一定額投資するのが良いでしょう。
5,000万円を5年かけて投資信託を購入するのなら、毎年1,000万円分(毎月約83万円分)積み立てます。
5年の間に良いときもあれば悪いときもあるでしょう。
〇〇ショックが起きたとしても、安くたくさん買えていると思うことができるので精神的には少しラクです。

一括投資と分散投資、これもどちらが正解というものはありません。
自分の性格や状況によって判断しましょう。

「そうは言っても自分で決めるのは悩むなぁ。誰かに相談したい」
初めての投資だと不安になりますよね。
でも間違っても銀行などの窓口に相談しないでください。
彼らはあなたの口座に退職金や遺産が入金されたことを把握しているので
「特別なお客様に提案があります」
などといって電話があるかもしれません。
そこですすめられるのは手数料が高い金融商品である可能性が高いです。

彼らはあなたのために提案しているのではなく、自分たちが儲かる商品を売りたい場合がほとんどです。
彼らは販売のプロ。
投資家として儲かっているのであれば窓口販売の仕事をしないでしょう。
彼らがなぜ立派なビルを所有し、無料で相談に乗ることができるのでしょうか。

アドバイスを求めるなら、実際にすでに投資がうまく行っている人や金融商品を販売しない独立系FPがよいでしょう。
本当に有益なアドバイスがもらえるのであれば、5,000万円で1%のリターンでも50万円なので相談料なんて安いものです。

まとめ


景色

これまで手にしたことがないような大金をどうするか。
増やしたいけど減らしたくもない。

リスクを取らなければリターンは得られません。
投資をするということはリスクをとることです。
リスクというのは値動きの幅。
リスクをコントロールすることは可能です。

安定型で増やしたいのであれば国債。
成長型で増やしたいのであれば株式を含む投資信託。
債券と株式の比率を決めてリスクコントロールします。

資産配分(ポートフォリオ)に正解はありません。
あなたの状況や性格によって変わります。

一括投資と分散投資も正解はありません。
あなたのリスク許容度によって決めましょう。

アドバイスをもらいたいのであれば、金融機関の窓口は避けましょう。
相談は無料でも商品を購入・保有することで高い手数料を払うことになります。
すでに投資でうまく行っている人、金融商品を販売しない独立系FPに相談するのがオススメです。

この記事を書いたプロ

吉井徹

投資歴10年以上、ファイナンシャル・プランニングのプロ

吉井徹(YOC)

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