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コラム
管理職の基礎的思考(1)そもそも、管理職は何をすればいいのか
2023年2月20日
1)「人を通じて事を成す」のが管理職の仕事
初めて管理者になった人は、誰もがこう思います。「そもそも管理職って何をすればいいの?」「今までの仕事とどこがどう違うの?」これに対する答えが、“人を通じて事を成す”ことです。言い換えるなら、自分一人が走り回って目標を達成するのではなく、多くのアカの他人に動いてもらって初めて目標が達成できる仕事です。
作業者時代は与えられた自分の目標を達成すれば、それで合格であり、苦しいときでも、自分が頑張りさえすれば何とかなったはずです。ところが管理者としてメンバーを引き受け、彼ら全員の成果に責任を持つ立場になると、状況は一変します。「なぜ、言うとおりに動いてくれないのだろう?」「なぜ、もっと頑張れないのだろう?」「なぜ、やる気がないのだろう?」思い通りに事が進まず、たいていの管理者はショックを受けます。そして、焦りや不安を抱えながらメンバーに声高に命令していくのです。動きの悪いメンバーを見ては、「こうしてほしい」「ああしてほしい」と次から次へと指示を出します。しかし残念ながら、これでは決して人は動いてくれません。
2)「相手」ではなく「自分」を指さすことから始める
では、人を動かす、動いてもらうためには、どうすればいいでしょう。答えは一つ。相手を変えようとするのではなく、まずは自分が変わることです。管理者は「相手のために自分は何ができるのか?」を考えて行動していきます。たとえば、いつも指示待ちのメンバーに「なんで進めておかないんだ」「もっと自分から動け」では、うまくいきません。メンバーにしてみれば、「お前のやり方が悪い」「だから変われ」と否定されているような気持になるからです。これでは信頼関係を築くことも難しくなります。そうではなく、「相手をもっと自発的に動けるようになるために、自分は何ができるのか」を考え、具体的な方法を用いてメンバーと一緒に解決していくのが管理者の仕事です。
このような場合は、管理者が進行チェックに一緒に付き合い、メンバーと二人でゴールを共有するとよいでしょう。「ほかに何を進めておけばいいかな?」などと声をかけ、小さな成功をほめていきます。いきなり相手に「変われ」と命令してはいけないのです。相手が動かないと思ったら、相手を指さして責めたり、無理に変えようとしてもうまくいきません。管理者は、相手ではなく「自分を指さして」、まずは自分から変わることでメンバーを動かし、大きな目標を達成していくのです。
また、これは時間や仕事量、ノルマなどの問題にも当てはまります。難しいグループ目標を上から命じられたとき、「目標が高すぎる」などと上を指さしているようではダメです。「達成するためには、自分はどんなことができるか?」を考えることから、管理者の本当の仕事が始まるのです。
このように、「自分を指さす」ことによってメンバーと一緒にゴールを目指すのが、管理者の仕事です。このスタートラインに立ってこそ、初めて「人を通じて」事を成すことができ、管理者の仕事の醍醐味を味わうこともできるのです。
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