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コラム

勉強の意味

2022年11月4日

テーマ:社員研修

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 企業研修人材育成 研修

 研修では様々なことを学んでいただきます。この「学ぶ」という一連の活動の持つ意味について知っているかどうかで、研修に向かう意識、姿勢は大きく異なります。
 学ぶこととは、一言で言えば「豊かな人生を送るための基礎的な活動」となります。豊かな人生を送るために、つまり、勉強をするためにたった二つの大事な視点があります。

①願望に惑わされず、自然界の法則に従う
②現象に惑わされず、本質を見抜く

 自然はバランスを好みます。自らの活動が自然の摂理に適っているかどうかを理解してください。自然の摂理に反することもできますが、その場合はその覚悟が必要になります。それは必ず無理が伴うということです。それを承知で行うという覚悟を持たなくてはいけません。自然の法則をたくさん知っていくことも経験の一つであり、それは決断をすることの助けになります、なので、たくさんの自然の法則を身に着けてください。自然のバランスを意識することです。

 現象は目に見えるもので、とても分かりやすいです。なので、どうしてもそこに目が行きがちです。本質を見る前に対処療法を行ってしまいがちです。でも、それでは解決にはなりません。必ず同じことが起こってしまいます。本質に切り込めば現象は消えます。クレームは現象です。目に見えるものです。この本質は何でしょうか?このクレームを生み出す「組織風土」です。この風土に切り込めなければ、クレームは起こり続けます。しかし、この本質にたどり着くのは非常に難しいです。できないかもしれません。でも、そこで諦めたら終わりです。本質を見抜く訓練をしましょう。本質は何かと考える癖を持つことです。また、今自分は現象に引っ張られていると気づくことです。

 この2つの視点を身に着けるために、まずは「考えようとする人間」になることです。
 人間を4つに区分すると次のようになります。

4つ
 4つの中で「決断力」のある人間になることが目標になるのですが、“考える”力を身に着けるには、「勉強」が必要になります。「勉強」は時間がかかるものです。なので、まず取り組むべきことは“決める”ことです。決められる人間になれば、「決断力」か「軽挙妄動」かの2択にまで絞ることができるからです。
 “決める”ことを繰り返し行うことが成長への階段であると言えます。言い換えれば、PDCAサイクルを回していることになります。この日々の成長を繰り返すことで、人生の中で、AかBかどちらかを選ばなくてはいけないという究極の選択を迫られる場面において、イノベーションを起こし、AもBもという発想の転換にたどり着くことができます。

 生きている中で様々に起こる出来事に対し、悔しい、悲しい、腹立たしいといった負の感情に支配されることがあります。これが強く出てしまうとせっかくの「決断」も間違った方向に向かってしまい、人生を台無しにしかねません。ここで「認知心理学」を知ることで、正しい「決断」をすることができるようになります。

  外界の事象 → 認知 → 感情 → 行動 →結果

 行動とは、感情や事象によって導かれるものではなく、その「認知」によって引き起こされていると考え、「認知」の違いによって、結果(人生)が大きく左右されるという考え方に基づいているのが「認知心理学」です。
 その事象をどう捉えるか、存在する人や物をどう捉えるか、その捉え方の歪みを正せば、行動が劇的に改善し、結果は激変します。この「認知」の部分に気づくことこそ、本質を見抜くポイントになります。
 研修では、「認知心理学」の演習としてこれまでの人生を題材として「モチベーショングラフ」を作成していただきます。モチベーショングラフの頂点の位置で、どのような事象が起き、それに対してどのような捉え方をし、どのような感情が働き、どのような行動が起こされ、どのような結果につながったかを表していただきます。

 ともすると受け身になってしまう研修に対して、いかにして能動的に参加し、豊かな人生を歩むための学習をしてもらうか。研修効果を高めるための工夫を施して、勉強の意味を理解してもらい、考える人財育成に努めています。

この記事を書いたプロ

下裏祐司

事業と社員の成長を導く企業活性化コンサルティングのプロ

下裏祐司(株式会社飛泉)

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