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コラム

子どもの責任・親の責任

2019年1月15日

テーマ:子育て

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング




とつぜんですが、あなたはわが子が大切ですか?


たいていの親御さんの返答は
「もちろん!」
ではないでしょうか。


私も目下子育てまっ最中。
ですので「もちろん大切!」です。


その大切なわが子が傷ついたとき、
あなたならどうしますか?



子ども同士の人間関係


うちの子はいま小3です。
ちょいちょい友だちとケンカして帰ってきます。


からだがちっちゃいこともあってか
やられることもあるようです。


一度は股間をひどく蹴られたようで、「とうちゃん!たまが一個なくなった!」と大騒ぎしたこともありました(汗)


子どもがやられた話を聴くのはつらいですが、それも子どもにとっては大切な経験。
自分たちで「人間関係」の調整を図る力を身につけてもらうためにも、基本は子ども自身に任せています。


親としてやることは、そのあとのケアだけ。
話を聞いて、気持ちを吐き出してもらって、ねぎらって。



子どもの傷つき


それが昨日はいつもと様子が違いまして。


いつもなら言い争いをしようが、ケンカしようが、自分なりに処理して帰ってきたり、帰ってから気持ちを吐き出してスッキリ元気に戻るのですが、昨日はひどくふさぎこんだままでした。


何かあったか聞いても「言いたくない」と。


その後しばらくひとりでじっとしていたものの、どうやら抱えきれなくなったようで、突然大声でワンワン泣き始めました。
そんな姿を見るのはつらいものです。


話を聞くと、辛辣な暴言を繰り返し食らってきたようでして。


さすがにそれはひどいなと思って、相手の親御さんにひとこと伝えておこうかと思ったものの、現時点でそれをしてしまうとそれは子どもの世界への侵入になります。


傷ついたわが子を見るのはつらい。
でもそこに介入すれば侵入になる。


「言いたいけど言えない」
ちょっとした行きづまり感でした。



隠れた目的


今回私が行き詰まったのは、「責任の境界」というものを維持できなかったからです。


私たちの人間関係には目に見えない「境界線」があって、それを越えたり越えられたりしたとき、人間関係の問題、あるいは感情的な苦痛として表に現れてきます。


今回のわが家で本来まもるべき「責任の境界」はこういったことです。

<子どもの責任>
①つらかった気持ちを言葉にして気持ちに整理をつけること
②友人との関係をどうしていくかを考え、それに取り組むこと

<親の私の責任>
①傷ついたわが子のケア
②子の傷つきにより生まれた「自分の心の痛み」を自力で消化すること


しかし今回私は、行動こそ起こさなかったものの、、、
●相手の親御さんに先方のお子さんをコントロールしてもらう
という“手段”を使って
●わが子へのひどい扱いをやめてもらう
という“目標”を達成しようとしかけたわけです。


これだけなら問題なさそうですよね。
でもほんとうは違うのです。


実は、、、
●わが子へのひどい扱いをやめてもらう
という“手段”を通じて
●親の私が感じている心痛や不安を鎮める
という真の“目的”を果たしたかったわけです。


そうなんです。
ほんとうの目的は、私自身が安心したかったんです。


こういったものを「隠れた目的」などと言ったりしますが、「自分の心の平安」を手に入れるために、子どもの世界に介入しようとしていたわけです。


まさにこれは子どもの課題ではなく、親である私自身の課題ですね(( _ _ ))



子どもの責任・親の責任


子どもの世界のことは、基本は子どもたちにお任せする。
(もちろん危険を伴ったり、度を越えたりしたら速攻で介入しますが)


親である私がなすべきは、「自分の心の痛み」を解消するために子どもの世界に介入するのではなく、自分で自分の心を“調える(ととのえる)”ことでした。


奥さんと話す中でそのことを痛感。
今朝改めて境界線をひきなおしたところです。



親にできることはケア


境界線を引き直したことで私の仕事がはっきりしましたので、今朝はそれをやって学校へ送り出したところです。

①寂しいからといって、傷ついてまで人にくっついておく必要はないこと
②勇気をもって「ひとりで過ごす」という選択をしてもいいこと
③自分を助けるのはきみ自身の役割であること
④家に帰ってきたらきみの味方である両親が待っていること

こんなことを伝え、送り出しました。


子どもの力ってすごいですね。
いつものように元気に飛び出して行きました。


親の仕事って、子どもに「何かしてあげる」ことよりも、子どもの力を「信じて委ねる」ことなんだとつくづく感じます。


子育ては親育て。
それを実感させてもらいました^^

この記事を書いたプロ

高澤信也

「子育て力」をはぐくむカウンセリングのプロ

高澤信也(カウンセリングオフィス トリフォリ)

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