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神田紀久男

終活や死後事務委任契約に関わるコーディネートのプロ

神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

株式会社 イフケア北九州

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コラム

姉の心配をする高齢者

2021年11月4日

テーマ:おひとり様の終活

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: エンディングノート遺品整理相続 手続き


「姉のことで相談があります。」
区役所に、生活相談を行い、当社を紹介してもらった方から、依頼を受けました。
相談者は、80歳の男性。お姉さまは、88歳とのことです。兄弟姉妹は8人いるそうですが、相談者が末っ子だそうです。
「姉は、社会福祉施設に入所しているが、色々と手続きやらなにやら、やらなければならないことも多い。心配は姉が亡くなった時のこと。」
「自分は、高校卒業後に、就職して故郷を離れて、久しい。故郷には、他の兄弟姉妹は、他界した者もいるし、高齢なので、自分のことで精いっぱい。末っ子なので、仕方がない。甥・姪とは、いるけれど、話をしたこともないので、姉のことを頼む術がない。」
「しかしながら、自分の高齢で、何時どうなるか、わからない。いざという時に、故郷まで、帰ってこれるかどうかわからない。」
「後始末を含めて一切お任せしたいのだけど。」
大まかこのような相談内容でした。
「お姉さまが、亡くなった後の事務は、今から決めていけば、お手伝いは、出来ますよ。心配されていることは、解決できるでしょう。 お手伝いをしますから、大丈夫。」と申し上げたところ、一安心されたようでした。
「亡くなった時のこと以外で、何か悩みとか心配事はありませんか」と、尋ねると、「施設に入っていても、姉の体調は、変化する。時には、入院が必要になる時もあるし、何か必要な手続き等がある度に、施設から連絡を受け、手続きをしなければならない。姉の財産管理でも、結局、故郷に戻らないと出来ないことが多いんですよ。施設の方が、姉の面倒を見ているのだから、本人と一緒にやれば良いと感じる。何で、自分が、出向いてやらなければならないかと、感じている」というお話でした。
「施設の人は、赤の他人だし、お姉さんの代理人でも、後見人でもないから、出来ないのでしょう。」と説明をしましたけど、納得いただけないようでした。
「後見人が必要なのだということは理解できるけど、お金が掛かるでしょう。姉の財産から支出されている間は良いけれど、財産が枯渇すれば、自分が負担しなければならないと考えると理不尽なことに感じます。」
課題が見えてきました。姉と弟の間柄だから、ある程度の時間や手間をかけて面倒を見ることは、致し方ないと考えるけど、その負担が、何時迄続くのか。金銭的にも負担がかかってくるのかが見えてこない不安が大きいということなのだと。

「施設の人が、姉の生活の全て面倒みてもらえる。姉が亡くなった後のことは、仕方がないので、自分が面倒を見る。これが一番良いことだと思う。」
相談者の考えや気持ちは、理解できます。そこで、私より、「姉の死後事務委任を検討している。姉が亡くなった時には、委任先に、連絡をとってもらえるか」と尋ねてみてください。と依頼しました。そうすると施設からは、「拒絶。必要なことは、身元保証等の生活を見てくれる人が必要だ。」との回答とのことでした。
やはり、後見人が必要であることが見えてきました。
これから、後見人を立てるための相談と死後事務委任の相談を進めていきます。

相談者の悩みや不安は、この二つで解決できると考えます。一人で悩まず、まずは相談。それが一番大切なことでしょう。

この記事を書いたプロ

神田紀久男

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神田紀久男(株式会社 イフケア北九州)

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