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神田紀久男

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神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

株式会社 イフケア北九州

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コラム

将来の財産管理について(後見制度の活用を)

2021年11月21日 公開 / 2021年11月23日更新

テーマ:終活 

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 認知症予防エンディングノート遺品整理



終活相談において、ここ最近増えている相談事は、老後生活における財産管理等の相談です。
認知症で本人の判断能力が低下すると、たとえ介護が目的でも子どもや兄弟姉妹が預金を引き出したり、これからの老後生活の拠点を施設に移すので、自宅を売ったりするといった財産管理をすることが原則できなくなります。
介護施設の入居契約などの代行することが出来なくなる。病院の入退院などの手続きなども、本人は、事理弁識能力が欠如した状態では出来ないわけで、その代わりが必要だけれども、それも出来ないというお困りごとが発生してしまう。
「最近は、病院も施設も、【身元保証】を求められるでしょう。」
「家族には頼みたくない(頼めない)」・「子どもが遠方に住んでいるので、いざという時は、頼りにならない」「身元保証会社に頼むことを考えているけど、お金がかかると、生活資金に支障がでるかも?」と言った心配事の声を聞きます。
また、「成年後見制度の事がよくわからない」「後見人がいれば、身元保証は必要ないのでしょうか」という質問も受けることもあります。
簡単に言うと、「後見人がいれば、身元引受は必要がなくなります。」と説明はできます。

身元保証と身元引受という風に言葉を使い分けました。理由は、それぞれ言葉の意味が違うからです。
身元保証=金銭的な保証をする人(つまり、施設入居費や治療手術費用を保証する人)
身元引受=身体的・手続き的なサポートをする人(例えば、入院時や逝去した場合に、その手続きを行い、施設への退去や、身柄の引き受けを行ってくれる人)

大体の場合は、病院・施設が求める身元保証は、身元引受の意味が強いのだろうと思います。但し、この点は、内容をよく確認しておかねばなりません。例えば、施設を利用していて壊した場合などの損害を保証も含まれているのであれば、身元保証が求められていることになります。まあ、高齢者が普通に暮らしていく中で、何かを壊すというのは、考えにくい話だと思いますけど。
少し整理をすると、身元保証をしてくれる人が探す場合には、求められている内容を確認することが必要です。金銭保証なのか・手続きのサポートなのか。
金銭保証を求められているのであれば、ご自身の資産状況の確認が必要ですが、そもそもの施設に入ろうとすれば、それなりに費用がかかる訳ですし、その費用の捻出が難しいということであれば、地方自治体の生活相談や社会福祉事業などを活用して、生活保護制度の活用などを視野に入れておく必要があるかもしれません。
身元引受を求められているのであれば、後見制度の活用か、民間会社を行っている身元保証サービスを利用することが検討する材料となるでしょう。
民間会社の身元保証サービスでは、前払いで幾らを支払うことで、サービス開始という場合が多いです。この場合は、まとまったお金を先に支払うことになりますので、これからの先の老後生活にかかる支出と今ある資産の状況を比較検討することになりますが、まとまったお金が手元から無くなることに躊躇される方も多いのではないでしょうか。
私がお勧めするのは、後見制度を使うことです。
後見制度は、主に二つあります。法定後見人と任意後見人です。
法定後見人の利用者(被後見人と言います)は、判断能力が既に低下した人が対象となります。まずは、親族などが家庭裁判所に利用を申し立て、家裁が後見人を選任するという流れです。法定後見人は、本人に代わって財産管理のほかに契約などの法律行為を行います。つまり各種手続きなども、法定後見人が行うことができますから、身元引受が出来ることになります。こうした業務は、法律家などの専門家を家裁が選任するケースが多くなってきています。家族や親族でも法定後見人になれるのですが、財産管理を重視しているわけですから、適性に支出管理をチェックすることが出来る観点から、専門家に任せる方が安心だと言えるかもしれません。費用面の負担も見逃せません。法定後見人の報酬は、月2万円程度が目安となると考えておくと良いでしょう。「えっ! そんなに掛かる。」と思われるかもしれません。法定後見人の報酬は、家裁が決定しますので、資産状況によっては、これより低くなることもあると思います。
大体、裁判官の人が、法定後見人の利用者の生活が出来なくなるような報酬を決定するとは思えません。(当然のことですが、資産が枯渇してなくなれば、生活保護などの利用が開始されると思っておいた方が良いでしょう。ただ、その時に利用者本人は事理弁識能力がありませんから、それを意識することもないでしょう。)
もう一つの任意後見人は、利用者の判断能力があるうちに契約することが特徴です。自分が信頼できる人を将来の後見人に指定でき、何を代行してもらうか内容を詰めることができます。その上で、判断能力が低下したときに、家裁に申し立てて業務を開始します。つまり、契約内容の中で、具体的に、どんなことを依頼することが出来るかを決め、いざという時に、代行してもらうことが出来るようになります。これも身元引受までの念頭に入れた契約にしておけば、良いことになります。また、任意後見人契約は、その報酬を自由に設定できます。極端なことを言えば、亡くなった後の精算払いでもOKということになります(あくまでも交渉次第です)。
また、任意後見契約を、法律専門家と結んでいけば、本人が判断能力のある時から、色んな相談には乗ってもらえるでしょう。これは、一つ安心材料になると思います。
民間の身元保証サービスは、身元保証(身元引受)以外にも、葬儀手配や施設退去の後始末などをワンストップで受けられるという便利なサービスで、また契約の一回で済むわけですから、手間がかかりません。しかしながら、逆にワンストップのデメリットは、一つがダメになれば、全てダメになることです。お金を先払いであることもデメリットだと思います。
手間はかかりますが、後見人を探す(=身元引受)・死後事務委任先を探すなどを別個に行っておいた方が、それぞれの業務を請け負う人が相互監視もできますから、悪いことはしにくくなると思います。また、仮に1つがダメ(契約が無効や不履行)になっても、残りはダメになることはありませんから、将来を何が起こるかがわからないことを考えると、将来の安心は大きいように思います。
他にも、認知症のなった時の備えとして、家族信託などもサービスがありますが、ここでは割愛します。
ただ、将来の老後生活の不安の中で、身元保証(身元引受)が不安と言う方は、任意後見を活用することは、一考の余地ありだと思います。

この記事を書いたプロ

神田紀久男

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神田紀久男(株式会社 イフケア北九州)

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