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神田紀久男

終活や死後事務委任契約に関わるコーディネートのプロ

神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

株式会社 イフケア北九州

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コラム

ひとり暮らしの人の終活

2023年6月19日

テーマ:終活 

コラムカテゴリ:くらし



「ひとり暮らし」をされている方からの終活相談が多くなってきたように感じます。
結婚し、子どもを持ち、その子供も成長し自立する。配偶者との別れがやってきて、今はひとりで生活している。又、子どもを作らない(出来ない)生活をした後に、配偶者との別れがやってきて、一人で暮らしている。今、「一人暮らし」を生活しているのには、色々な事情や理由があるのだと思います。
以前、私は、「おひとりさまの終活」と執筆しました。ここで、あえて「一人暮らし」という言葉を使っているのは、「おひとりさま」と「一人暮らし」は違うものだと考えているからです。
「おひとりさま」は、家族のいない人。「一人暮らし」は、家族と一緒に生活していない人と大きく分けることができると考えています。
例えば、子どもが結婚して、独立した家庭を持っている人で、配偶者が死亡した場合と、ずっと独身生活を貫いている人や、子どもがいなくて、配偶者が死亡した場合とでは、終活を行うにしても、やることは同じでも少し方法が違ってきます。
 子どもとは別居しているのは、核家族の社会においては、至って普通の事象だと思います。このような場合には、「ひとり暮らし」で将来に不安を感じて終活に取り組んだとしても、不安な事柄をサポートしてくれる子どもがいるわけで、何もしなくて何とかなるケースが多いと考えます。どちらかというと、子どもが遠くに暮らしているから、「もしもの時」には、直ぐに駆けつけてこれないということでしょうから、この点だけを何らかの方法で解決できる事柄だけを考えておけば良いわけです。どちらかというと、老後の生活の中で、何でも自分で出来なくなる不自由さに対する不安の方が大きいのではないでしょうか。そのためには、介護制度や、権利擁護などを身近に財産管理などを支援してくれる仕組みを活用して、遠くにいる子どもも協力の度合いが少なくて済むようにしつつ、一人暮らしの不自由さを解消していく事に注力していけば良いことだと思います。亡くなった後のことは、少々遠い場所に子どもが住んでいようとあまり一所懸命に考えておく必要がないでしょう。どうしても何かした方が良いと考えるなら、エンディングノートを書き残しておくことで死後の後始末が子どもで出来るのでないかと思います。これらをしっかりと行っていくためには、親子の相互理解が必要です。従って、家族の対話が前提になるので、終活相談に来られた方には、まずは、お話合いを勧めております。このようなケースで中々対話まで行かないのは、離婚して、子どもと疎遠となっている時間が長い場合だと思います。そもそも「子どもがどこでどんな暮らしをしているか知らない」場合や、「今更、頼れない(頼りたくない)」と仰って、子どもへの対処を無視してしまおうと考える方もいらっしゃるのですが、何もしないと死後の相続手続きにおいては、どうしても登場してきますので、いずれにせよ、無視することは出来ません。従って死後のことや老後の生活などを含めて、上手く利用する方法を考えることも必要だと思います。

次に、「おひとりさま」については、子どもや配偶者がいないケースです。その場合には、少し視野を広げて、親族で終活をサポートしてくれる人を探すことが必要です。何故ならば、相続において、場合によっては、相続する人は、兄弟姉妹とその代襲相続として、甥・姪までは含まれます。このことを含めて、親族でサポートしてくれる人がいるかどうかを考えて、老後の生活や死後の後始末を助けてくれる人が探していくことが良いことだと思います。場合によっては、成年後見制度(任意後見)や、遺言・死後事務委任契約などを上手に組み合わせて、親族のサポートの負担を少なくしていく方法を考えておくべきだと思います。この場合でも、その親族の対話が不可欠です。一方的に頼み込む話ではないですし、やはり相互理解の上で、お互いの立場や事情を考慮しながら、仕組み構築は必要なことです。

さて、その上で、最近の「ひとり暮らし」の方の終活相談では、やっぱり親子や配偶者との対話が難しいと感じている方がとても多いように思います。確かに普通に会話をする中では、終活の話は切り出しにくいかもしれません。特にこの3年間コロナ禍で親子でも行き来が途絶えていたという話を聴きます。久しぶりに会って、楽しい会話をお互いが望んでいる時に、心底思っている不安な話をしにくいこと間違いありません。何かきっかけが必要だと思います。例えば、家族で終活相談に参加するとか、わざと何も書いていないエンディングノートを見せて、これ書いてみようかと思っているなどといった話を切り出す場面を作っていくことが必要かもしれません。対話をすることで、不安は解消できるかもしれません。話をすることで自分にはどんな終活が相応しいかを理解することが出来るかもしれません。

この記事を書いたプロ

神田紀久男

終活や死後事務委任契約に関わるコーディネートのプロ

神田紀久男(株式会社 イフケア北九州)

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