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コラム

年次有給休暇の買い上げは大丈夫?

2014年5月23日

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 年次有給休暇 義務化退職 手続き

おはようございます。

映画「永遠のゼロ」で涙が止まらなかった

福井の人事コンサルタント/社会保険労務士の北出慎吾です。

いや〜涙腺が弱くなったとしても、

映画を観て泣ける間隔、久しぶりです。

日本人としての大事な部分を確認できた感じです(笑)

映画っていいよね〜

さて、それでは今日もノウハウ事例始めましょう!!

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    年次有給休暇の買い上げは大丈夫?
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ある会社さんから相談がありました。

「当社は製造業です。福利厚生の観点から年次有給休暇の

 買い上げを行っています。

 一方で、ある人からは年次有給休暇の買い上げは違法だ

 という声もあります。法的にはどうなのでしょうか。」


昔からの流れで、有給休暇の買い上げを実施している企業が

あります。

結論から言いますと、

「年次有給休暇の買い上げは、原則として違法です。」

年次有給休暇の意義は、

労働者に、休日とは別に一定の休日を与えることによって

労働者の心身の疲労を回復させることにあります。

これを一定の金銭を与える「買い上げ」によって、

年次有給休暇を与えたものとすることは、法定の日数を与えていない、

つまり、違法状態となります。


しかし、次のような場合は例外として「買い上げ」が認められています。

1.法定を上回る日数の年次有給休暇

  法で定められた年次有給休暇の日数以上を会社が定めている場合、

  その法定日数を超過している部分は、「買い上げ」が可能です。

2.時効により消滅してしまった年次有給休暇

  年次有給休暇の時効は2年です(労基法115条)。

  そのため、時効で消滅した分の年次有給休暇分は

  「買い上げ」が可能です。

3.退職によって権利を行使できなかった年次有給休暇

  退職者の消化されない年次有給休暇を労使話し合いの中で

  「買い上げ」が可能です。(退職日以降の未消化分)



また、年次有給休暇の買い上げ価格については、

法律上、定められた基準はありません。

会社が独自で定めることになります。

基本的には、年次有給休暇の手当と同額であるべきですが、

法定を超える部分の買い上げであるため、

年次有給休暇の額よりも低くても、違法とは言えません。


福利厚生という観点で、年次有給休暇の買い上げを実施している場合、

法的に問題はないか、今一度確認してみる必要があります。

良かれと思って実施していることでも、法的に問題があれば

見直しが必要ですよ。


【編集後記】
いい映画に触れることって大事ですね。
感性も磨かれます^^
今年は映画を定期的に観ようと心に決めた瞬間でした!

この記事を書いたプロ

北出慎吾

社会保険労務士として企業の成長に寄り添う人事労務のプロ

北出慎吾(北出経営労務事務所)

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