不眠症の対処方法とは?不眠も『原因ありて結果あり』【山梨 漢方 沢田屋薬局】
今回のシリーズでは夏で寝苦しく、睡眠の質が低下する時期ということで、睡眠についておとどけしてきました。
前回までのコラムはこちらから御覧ください。
最終回の今回は、睡眠の大切さ、原因を見てきたので良い睡眠を取るための方法をお伝えしていきたいと思います。
☆良い睡眠を取るための生活習慣8か条
良い睡眠を得るためにも体内睡眠薬とも言える『メラトニン』がきちんと働く体作りが肝腎です。メラトニンの体内合成のためには心とカラダのバランスを整える脳内物質セロトニンが不可欠です。良い睡眠のためにはこのセロトニンを増やす行動が大切です。
1)太陽光を浴びる
まずは朝日を浴びることがたいせつです。太陽の光を浴びることでセロトニンの分泌が始まり、脳とカラダが目覚めて元気に1日をはじめられます。
朝起きたらカーテンをあけて日差しを入れるなどの習慣を作りましょう。遮光カーテンは朝日を感じにくく目覚めが悪くなる方もいるので、朝日が登ったら日光が室内に入るようなレースカーテンや遮光でないカーテンがおすすめです。
2)リズム運動を行う
リズム運動とは、ウォーキングやジョギング、ヨガなど一定のリズムで筋肉の緊張と弛緩を繰り返しながらカラダの動かす運動のことです。やりすぎても逆効果なので30分程度がおすすめです。
3)グルーミング
家族や恋人、ペットとのふれあいは心とカラダの緊張をやわらげます。親子で方をもむ、恋人と手をつなぐ、ペットを撫でるなどすることで、触れる方にも触れられるほうにも効果があるのです。
増やすことはもちろんですが、メラトニンを減らさない習慣も大切です。特にメラトニンが増えてくる夕方以降の過ごし方が大切です。
☆メラトニンを減らさない夕方の習慣
1)夜遅くまでスマホ、PC、テレビ、ゲームなどをしない。
電磁波はメラトニンを破壊する作用があるとも言われています。できるだけ寝る前にはこれらの電子機器を使用しないようにしましょう。
2)カフェイン、ニコチンを控える
カフェインもニコチンにもメラトニンの合成を妨げて、脳を覚醒する働きがあります。コーヒーはもちろんですが、寝付きの悪い方は睡眠の質が悪い方は紅茶や緑茶などにも注意しましょう。できるだけノンカフェインの物を飲むようにしましょう。タバコは当然控えましょう。
3)部屋の明かりは消す
当たり前のようですが、照明をつけっぱなしで寝たり、テレビやPCなどがつけっぱなしで明かりがあるとメラトニンの分泌が妨げられて、睡眠の質が低下することがあります。寝る時はできるだけ部屋を暗くして寝ましょう。
☆快眠におすすめの生活習慣
1)早すぎる起床&長過ぎる昼寝
最近は『朝活』が流行っており、朝の時間を有効に使うことはとても有効です。しかし、午前3時や4時など早すぎる起床はメラトニンの分泌のピークである午前2時から朝日が登るまでなので、早すぎる起床だと十分にメラトニンが分泌されないことがあり、自律神経の乱れにも繋がります。
また、昼寝も15分〜30分ぐらいだと疲労回復につながり良いのですが、30分以上の昼寝の場合は脳とカラダが休みきってしまい、夜に寝付けなくなる方もいます。また、昼寝ではメラトニンはほとんど作られないので、昼寝は程々にしましょう。
2)ぬるめの微温浴で副交感神経を優位に
寝る前のお風呂は38℃〜40℃程度の微温浴にしましょう。ぬるめの微温浴は良い睡眠を促す副交感神経を優位にしてくれます。41℃以上の熱いお湯は交感神経を刺激して眠気を吹き飛ばしてしまいます。入浴して体温が下がる時に眠気も起きやすくなるので、微温浴する場合は寝るちょっと前ぐらいに入浴すると良いでしょう。
脳が発達した人間にとって頭の疲れをとる睡眠はもっとも重要な養生です。
睡眠はアルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβの排泄とも関係が深く、睡眠不足や、薬を飲まないと眠れないような睡眠の質が悪い人が多い日本人に認知症が多いというのはそれだけ現代の日本人の睡眠に問題があるということです。薬を飲まなくても眠れる、そんな当たり前が損なわれていることの大切さをぜひ考えてみてください。
色々な対策をご紹介しましたが、良い睡眠の基本は『基礎体力』です。人間は寝るのにも体力を使います。病気やストレスでカラダの弱っている人ほど寝れなくなります。日々の疲れをためないこと、これが一番の不眠対策なので、毎日の健康管理をしっかりしておきましょうね。
まだまだ残暑も厳しい日があると思いますので、皆さん、元気に夏を乗り越えましょうね。
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