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ハラスメント規制法の成立と 今後の課題とは

2019年6月30日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:ニュース考

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

コラムキーワード: 退職 手続き

厚生労働省の労働局への相談件数があまりに増加し被害が深刻化したことから、(1)優越的な関係を背景に (2)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により (3)就業環境を害する 3つを要件としたパワハラ防止のための女性活躍・ハラスメント規制法が初めて法制化されました。従前の法律も一括改正し、長時間労働には罰則付きの規制が導入されたものの「適正な指導との境界が曖昧」という企業側の主張で、日本では外国のような、罰則を伴う行為自体の禁止規定は見送られました。

『 悪い行いに対する刑罰が 速やかに下されていない。それで人は平気で悪を行うようになっている。 』ー伝道の書8:11ー

「事業主は、労働者がハラスメントの相談を行ったことや、相談への対応に協力し事実を述べたことを理由に、労働者に対する解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」の法律や条文は、そうした事例がいかに多いかの現状を裏付けている証拠で、被害者支援と、病める加害者の心理教育の必要性を強く感じる筆者が、学びや探求を続けている大きな理由でもあります。

「暴力は犯罪です」「痴漢は犯罪です」の標語がありますが、当たり前すぎる標語や法律があること自体、日本のモラルが問われ、尊厳や配慮の欠如を伺わせ、真の教養のある人の感覚では決してできないことと恥ずかしく思い残念です。当然「ハラスメント」「いじめ」「中傷は犯罪です」。

年々増加するパワハラや誹謗中傷は、人の尊厳を傷つける人権侵害であり、職場環境が悪化するだけでなく被害者が休職や退職を余儀なくされ、メンタル不全や心身症や自殺に追い込まれるケースも後を絶ちません。社会的制裁による賠償責任、信頼性や労働の質の低下、流出、多大な損失を招き、労働人口が不足する中、依然として深刻な社会問題となっており、根絶できるかが課題です。
ハラスメント加害者には良心の呵責も罪悪感もなく、平気で嘘をつき事実をねじ曲げ、相手を気遣うふりをし自分に都合のよいように情報操作して人を利用し、我を通して周囲の意見に聴く耳も持たず、ねじ伏せる傾向があります。

以前はいじめ脳といわれ、近年は脳科学者の中野信子氏を筆頭に、関わるほど危険なサイコパスとされ、増えつつあると懸念する心理職や専門家も増えており、最近は筆者もサイコパス被害が身近になってきたと実感、被害者支援が急務と危機感も抱いています。

『 心の曲がっている人は成功しない。真実をゆがめて話す人は破滅する。 』ー箴言17:20ー

狡猾に周りを欺き策を弄し、不安や恐れや怒りや悲しみなどの反応こそがサイコパスの活力といわれるほど、人を陥れ反応を喜ぶサイコパスの嘘や演技や特異性を見極めるのはなかなか困難ですが、少なくとも虚言や表情や言動をよく観察して見分け、不必要に巻き込まれたり、だまされ利用され、疲弊させられないよう専門家や周囲の理解者の助けを活用し十分用心する必要があります。

各種ハラスメントを防ぐ上で、ハラスメントの定義や加害者の心理教育、研修や教育によって管理監督者の資質や基準を含め、組織全体の認識を高くもつことが重要である成功例として、クリーンで職場環境のよい企業ほどコミュニティとしても成功しているのは、とても興味深いことです。

『 善を行うことを学び、公正に裁き、虐げる人を正し、父親のいない子供の権利を守り、やもめの言い分を弁護しなさい。 』ーイザヤ1:17ー

『 天からの知恵を持つ人は、第一に清く、次いで平和を求め、分別があり、進んで従い、憐みと良い実に満ち、差別をせず、偽善的ではありません。 』ーヤコブ3:17ー

みなさまお一人おひとりが、いかなるハラスメントも決して容認されない行為との自覚や高い認識や基準や信念と、よい影響力と感化力でハラスメントを未然に防ぐ環境づくりで、それぞれが所属する組織や社会に少しでも貢献してゆけますように。

この記事を書いたプロ

星河愛子

女性の心のケアと目標達成を後押しする健康心理士

星河愛子(サテライト合同会社)

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