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青沼理

戸建住宅から大型ビルまでの設計技術を持つ建築士

青沼理(あおぬまおさむ) / 一級建築士

青沼建築工房有限会社 一級建築士事務所

コラム

再建築不可物件のリスクについて

2016年1月8日

テーマ:再建築不可物件のススメ

コラムカテゴリ:住宅・建物

再建築不可物件の場合、地震や火災などにより、建物が倒壊してしまえば再度、新しい建物を建てることはできません。そのような状況で売りに出しても、買い手がつく可能性は低く、ローン残債も残されたままになります。
所有することにより発生してしまうリスクを正しく理解し、万が一の際にも対応策を講じられるよう綿密な資金計画が必要とされます。

再建築不可物件の購入に潜む「倒壊」の大きなリスク

再建築不可物件は、地震や火災など、理由はどうあれ倒壊や焼失してしまっても、もう一度新しい建物を建てることができません。とは言っても、実際のイメージがわきにくいと思いますので、下記のように例を挙げて説明します。

まず再建築不可物件を1000万円で購入したとします。そこで建物の火災保険1000万円、地震保険には500万円で加入していたところ、地震が発生し、建物が全壊してしまった場合どうなってしまうのでしょうか?

通常の不動産であれば、地震保険により500万円の保険金が入り、残された土地を更地にして売りに出せば、買主を見つけることも難しくはありません。しかし、再建築不可の場合には、建物を建てることができないだけではなく、建物が建てられない土地であるため、次の買い手を見つけることは非常に難しくなります。

住宅ローン利用者には返済という負担だけが残される

また住宅ローンにより借り入れをしていた方であれば、このような状況下でローンの残債のみが残されてしまいます。利用できる建物がないまま、返済は続けていかなければなりません。

もともと再建築不可ということで、金融機関の担保評価が低く、融資が困難な状況で借り入れていたローンです。倒壊した時点で、売却にかけても、換金性の低さや、市場における担保能力の低さは変わりません。
さらに、その土地の上に倒壊してしまった建物となれば、なおのこと売却へのハードルは上がってしまいます。

そのため再建築不可物件を所有することは、いつ、このような状況に陥ってもおかしくはないということを忘れてはいけません。

投資用不動産としての強みと出口を見誤ることによるリスク

再建築不可物件は、高利回りが期待できるという特性から投資用不動産に適しています。しかし投資用として活用する際、リスクとして挙げられるのは、いざという時に建て替えができなという点だけではありません。

いつ物件を売却に出すのか?という出口戦略が極めて困難だといえます。安い価格で購入でき、高い利回りが得られる再建築不可物件。しかし撤退する時に、いかに損失を最小限に抑えられるのか?という出口の見極めが最終的な収益を左右します。

長期で保有する場合には、なおさら自然災害などによる倒壊のリスクも高まってきます。再建築不可という強みと、さまざまなリスクを把握するためには、専門家によるプロの知識と診断が有効な材料になると思います。

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