コラム
数珠に秘められた役割
2015年9月4日 公開 / 2015年10月14日更新
じつは数珠には深い意味が
近年はブレスレットのように、使われる数珠ですが、本来どういう意味のあるものなのでしょうか?
仏教では、数珠は仏様やご先祖様を拝み供養するために使われます。数珠とは珠数と書くこともありますし、ずずと読むこともあります。また念珠と呼ぶこともあるのですが、これは本来、念仏を唱えた回数を爪繰って用いるためです。
数珠の起源はインドのバラモン教にあり、それが仏教にも取り入れられるようになり現在に至ります。
また、仏教が影響を与えキリスト教やイスラム教でも使われることがあります。ちなみにキリスト教の数珠は十字架を中心としたロザリオというものです。
数珠には宗派別の本式数珠と呼ばれるものと、宗派にこだわらない略式の数珠というものがあります。
本来ならば本式の数珠をもつべきですが、最近では7割以上の方が略式の数珠を買う傾向にあります。
ちなみに略式の数珠というのは、お釈迦様が愛用されていた菩提樹の数珠を弟子たちに分け与えたことに由来しています。
玉の数に決まりはあるの?
仏教での数珠の数は108個を基本としていますが、これは人間の煩悩の数を表しています。
つまり、人間の煩悩の数と同じ数の球をつないでおり、その紐が切れたときは悪因縁が切れた時だと解されています。
ただ108個だと数が多いので、持ちやすくするために54個、27個、21個、18個、14個などいろいろ種類があります。
数珠の中で房の付いている中心の珠がありますが、これを親玉と呼びます。対して全体に一番数多く使われている標準サイズのものを主玉と言います。主玉の間や房に付いている小珠がありますが、これらは四天、四菩薩、弟子玉、記小玉などと呼ばれています。
また、親玉のすぐ下の珠は浄明、弟子玉の下についている露型の珠を露玉と呼びます。
大きさやつけ方によりますが、数珠の形態として二輪用や二連になっているもの、また片手用や腕輪、指輪のかたちになっているものもあります。
数珠の素材にこだわりは?
数珠の素材にはさまざまなものが使われていますが、特に宗派による違いはありませんのでお気に入りのものを選ぶと良いでしょう。
ただ、経典によっては水晶や蓮の実をすすめているものもあるようです。
よく使われるのは黒檀・紫檀・白檀の木や菩提樹の木の実、他には象牙、翡翠、水晶、真珠、琥珀などさまざまです。中でも、お釈迦様は菩提樹の木の下で悟りを開いたことに由来し、菩提樹の木の実が古くからよく使われてきたようです。
男性用女性用という視点からみると、男性用は珠が大きく黒檀を使用している場合が多く、女性用ですと珠が小さめで琥珀や水晶、象牙などを使用している場合が多いようです。
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