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田原稔久

快適で長持ちする住宅建設の専門家

田原稔久(たはらとしひさ) / 建築家

田原建設株式会社

コラム

高低差のある傾斜地に建てる二世帯住宅

2015年9月29日

テーマ:二世帯住宅施工事例

コラムカテゴリ:住宅・建物

まずはボーリング調査で地盤の状態を確認

二世帯住宅のメリットやデメリット、そしてさまざまなスタイルについてご紹介してきました。
今回は、「傾斜地に建てる二世帯住宅」がテーマです。

実は、傾斜地に関してのご相談を筆者は、しばしばお受けしています。
「実家がすでに傾斜地に建てられていて、そこを立て直しで二世帯住宅にしたい…」
「眺望が期待できるので、傾斜地であったが購入した」
など、すでに高低差のある傾斜地を保有されている施主さまのご相談をお受けしています。
個別のご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

一般的な事例を通してご紹介したいと思います。
高低差のある傾斜地の場合、敷地、段差、道路からの距離などの状態を見て擁壁が必要かどうか判断します。
擁壁というのは、斜面の崩壊を防ぐために設計・構築される壁状の構造のことです。
まず、斜面の地盤の状態を正確に調査します。これを、ボーリング調査 (地質調査)と言います。

土地の状態を確認後、擁壁等の対策が必要になれば、土木と建築を合わせた設計プランを立てる必要があるでしょう。

建物の要、基礎工事にはコストをかけてしっかりと

状況によっては、傾斜地を擁壁などで土留めをせずに建築をするさまざまな方法を検討しながら行っていきます。
いずれにしても専門家の助言が必須でしょう。

では、実際に傾斜地に二世帯住宅を建てる際の注意点等を確認していきましょう。
ボーリング調査や基礎工事などが必要となり、ややコストがかかることを想定しておきましょう。

基礎工事は、建物全体、そして人命にも関わってくるので、手を抜けない大切な要素です。
しっかりとした地盤と基礎は大切。ここはコストダウンしないで、むしろ費用をかけてしっかりと基礎づくりをしておくことをおすすめします。
コストを抑えられる部分で抑えればよいので、そのあたりは弊社でもアドバイスさせていただきます。

傾斜の具合や擁壁対策の状況により、通常の1階、2階の上下分離タイプの二世帯住宅の建築が可能な場合は、一般的な間取りでの工事が進められるでしょう。

玄関が2階になるケースでは、親世帯の住まいを2階に

傾斜が急な場合や特殊なケースでは、玄関が2階になる場合もあります。
厳密には、1階が地下のような感覚で、ガレージとして活用することもでき、全体像としては3階建てということになります。
その際は、親世代が2階となった方がベターでしょう。
キッチン、トイレ、浴室、洗面など水まわりも2階になるため、防水工事をしっかりとしなければなりません。

2階に玄関を設けるにしても、道路から段差ないようにバリアフリーの設計にし、玄関には手すりとスロープを設置しておくと良いでしょう。
また1階のガレージからダイレクトで上がれるホームエレベーターの設置等も検討されることをおすすめします。
傾斜地の場合、基礎工事にコストがかかったり、特殊な間取りになったり、またエレベーターの設置等費用がかかるという点は、覚悟しておく要素です。
ただし、傾斜地ならではの眺望の良さを生かした間取りが実現でき、大きな窓からの風景や採光を楽しむことが可能です。
選択肢は色々あますので、専門家へのご相談をおすすめします。

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