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小野由樹子

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小野由樹子(おのゆきこ) / キャリアコンサルタント

株式会社キャリアアシスト

コラム

仕事が合わないと思ったら、転職するのは正しい判断?それとも間違った判断?

2018年5月26日

テーマ:職場の雰囲気が合わない時に考えてみること

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

コラムキーワード: 退職 手続き

期待に胸ふくらませて入社した会社でも、しばらくして「仕事が合わない」と感じ始めることがあります。入社してすぐ「合わない」と感じる人、我慢して2〜3年勤めたけれどやっぱり「合わない」と思う人、勤めて10年経ったらどうも仕事が「合わなく」なってきたと思い始める人と、さまざまです。

社歴の差で「合わない」と感じる理由や原因は違いますが、いずれにせよ「合わない」と日々思いながら通勤するのは辛いものです。しかしながら、最近は途中入社でも条件のいい会社が増えたとはいえ、転職するには周到な準備や覚悟が必要です。

「合わない」と感じたとき、何が合わないのか、職場の改善は望めるのか、自分でできることはないのかなど、ひと通り検証してみることは大切です。「合わない」ことを感情的に受け止めて精神的に追いつめられる前に、自分にとって何が最善なのかを考えた上で行動に移しましょう。

仕事が合わない理由と原因

新卒の新入社員が、仕事が「合わない」と感じるのは、就職活動中に会社選びの基準としてきたことと、会社や仕事の実体に開きがあると感じたときのようです。

就職活動中は、「自分の個性や能力の活かせる会社」を何十社も選んで受けてきたと思いますが、あくまで「活かせると思う会社」であって、確実に活かせるという保障はない訳です。

実際に入社してみたら、想像していたような仕事ではなかった、やりたい仕事はあるけれどやらせてもらえない、などの不満が出ることが多いようです。会社側でも有能な人に戦力になってもらいたいので、最初は入社後のメリットを語ると思いますが、どの会社でも何の経験もない新入社員をいきなり第一線で使うことはありません。

「商品企画の仕事がしたい」と思って入社しても、数年は別の部署をいくつか経験して会社の業務を覚えてから初めて自分の希望が通るか通らないかというところでしょう。
また、「商品企画」の仕事の中でも、マーケティングなのか、開発なのか、実制作なのかで仕事の種類が違ってくる場合もあります。「最初から自分に合った仕事」は、ないと思った方がいいでしょう。

入社して2〜3年経ったころ、ようやく、会社のしくみや仕事のしかたが分かってきます。その中で、ずっと「合わない」と思い続けてしまう場合もあります。多くの人は、入社後に改めて自分の適性を見つめ直して、与えられた仕事の中でやりがいを見つけていきますが、最初の違和感をずっと抱えてしまうと心身ともにキツいと感じるでしょう。

違和感の原因には、会社に自分の適性に合った仕事が結局なかった、社風が合わない、上司と合わない、などがあると思います。新入社員のころとは違って、自分自身にも会社に対しても冷静に判断ができる時期なので、今一度、「合わない理由」を考えて原因を特定して、改善できることがあるかどうかを検討するべきでしょう。

入社10年ほど経って「合わない」と感じるのには、配属が変わって新しい仕事に就いた、会社の方針が変わった、社会の変化とともにこれまでのやり方がうまくいかなくなった、などの理由があります。いずれも、職場環境が変わったのにうまく合わせられないというのが原因かと思います。

在職10年ともなると、会社の中堅どころでベテランの域に差し掛かったところです。熟練の必要な専門職であれば、そのまま同じ道を進んでも問題にはならないのですが、会社勤めの人の多くは、経年とともに部下を束ねる管理職への移行を求められます。

長年携わってきた仕事に愛着を持つのはいいことですが、それにこだわりすぎると、自らの可能性を閉ざしてしまうことにもなりかねません。前の仕事に固執していることで今の仕事が「合わない」というのであれば、前の仕事が本当にやりたい仕事だったかどうかを確認するべきです。その上で、「合わない」と思う今の仕事と向き合うのか向き合わないのかを決めましょう。

辞めた方がいい場合と辞めない方がいい場合

会社の仕事が「合わない」と感じたとき、次のことを確認してみましょう。

・仕事量が多過ぎる
・置かれている立場より責任が重い
・仕事上の権限が制限されている
・労働時間が長過ぎる
・セクハラやパワハラが横行している
・周囲の協力が得られていない

上記の項目がいくつか当てはまるようなら、仕事の内容もさることながら、職場環境が劣悪であると考えるべきです。上司やしかるべき社内機関に相談をしても改善が見込めない場合は、転職を考えた方がいいでしょう。

また、会社のやり方に問題がある、会社の扱っている商品に疑問を感じているなど、会社の業務そのものが「合わない」と感じている場合は、早めに転職するべきでしょう。遅かれ早かれ会社自体の存続が危うくなったり、社会的な問題を起こしたりする可能性もあります。

会社や職場環境に問題がなく、仕事の内容に違和感を抱えていえる場合は、自分の能力や適性を改めて見直してみましょう。人づき合いが苦手なのに人と会うことの多い仕事、地味な作業が苦手なのに事務職、人に指示するのが苦手なのに管理職など、性格上いたしかたない部分もありますが、自分の思い込みで可能性を狭くしていることも考えられます。

仕事が上手くいかないとき「合わない」と思いがちですが、自分に適性がないと思う前に、上手くいく方法がないかを一度検討してみましょう。その上でなお、仕事を変えたいのであれば、やりたいと強く思う仕事を見つけてから転職を考えましょう。

辞めるときに考えておくべきこと

どうしても今の仕事が合わずに「辞めたい」と考えるようになったら、感情のままに退職届を出してしまう前に、退職後のことを考えましょう。心身を消耗して出社できなくなったのであれば、一時休職のかたちをとって、将来を冷静に考えられるようになってから退職を決めましょう。

退職後、十分な貯金があれば、しばらくは無職でも生活していけますが、そうもいかないのであれば、早急に転職先を見つける必要があります。失業保険は、自己都合だとハローワークに離職票を提出し求職を申し出て7日後から3ヵ月待たないと受給できませんからあてにできません。

退職すれば無給になるリスクがありますから、その前に転職先を見つけることが肝心です。合わない仕事に見切りをつけたら、先ず、自分の市場価値を見極めましょう。新しい職種の新しい職場では、キャリアのない新人扱いになってしまいますから、何かしらの強みを持っている必要があります。

やりたい仕事に就くためには、求められるスキルが自分にあるかどうかを確認して、足りない部分は独学したりスクールに通ったりして在職中に獲得しておきましょう。嫌になったから辞めるのでは、あまりにリスキーです。

そして、いくら我慢の限界にあったと言っても、感情的になっていきなり会社に行かなくなる、職場で暴言を吐いたまま退社して退職届を送りつける、メールで退職届けを送って終わりにするなど、社会人としてのマナーに反するような行動は止めましょう。

転職先が決まったからといって、在職中の勤務態度が怠惰になってもいけません。あくまで円満に退職するよう心がけましょう。

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