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コラム

吸血鬼伝説

2010年11月11日

コラムカテゴリ:法律関連


吸血鬼ドラキュラという小説が書かれてから、吸血鬼をモチーフにした小説は多々ある。この吸血鬼のモデルとなった人物がいる。15世紀にワラキア公であった、「ブラド・ドラキュラ」という人物で、臣民や相手方を串刺しにして虐殺したため「串刺し公」と呼ばれていたという。人の血をすするような悪行を重ねたため、ここから吸血鬼というイメージが出来上がったのであろう。一説によれば、ドラキュラ公はあまりにも戦争で手強いことから、相手方が勝利後に悪行をねつ造したということもいわれている。勝者が敗者のことを悪し様に書くのは歴史の常でもあるから、そういったこともあったかもわからない。
少し脱線すると、私は武田信玄の父親であった武田信虎は妊婦の腹を割いて胎児がどのような形をしているか確認したなどの悪行を重ねたため人心が離れてやむなく信玄がクーデターを起こしたといわれているが、これは信玄側が自分の行為を正当化するためにねつ造した話ではなかろうかと疑っているのと同じである。

 吸血鬼の話は、それまで民間で現実に存在していた「死体が生き返る」ということなどともあいまって、広まったようである。欧州では火葬ではなく土葬であったので、仮死状態となって死亡の宣告をされた後に墓の中で生き返り、墓を掘り返して墓から出てきた者もいたであろうし、墓の中で外に出すように叫んだものもいたであろう。また、墓の置かれた自然状況によっては、死体が腐乱せずにそのままの状態を保っていたり、残っていた毛根細胞が毛髪を伸ばしたこともあったものと推測されるので、欧州では、「死体が生き返る」ということは日常の出来事であったと思われる(過去に何らかの書籍で読んだ知識を元に書いているのであるが、手元に今その書籍がないので引用できないことをお詫びする)。

 最近、吸血鬼伝説を描いた「ヒストリアン」という2巻ものの小説を読んだ。アメリカでは処女作にしてベストセラーとなったというものであるが、面白いのは面白いのだが伏線を張りすぎていたせいか、その伏線を張りまくったおかげで、最後の結末が「うーん」と首をひねりたくなるような終わり方となっている。もちろんそれなりに面白いのであるが、だんだん小説を読んでも批評をするようになったり比較してしまうようになっている私としては、もう一つ物足りないともいえるのである。

 その中で、吸血鬼を扱った小説をそれほど読んでいる訳でもないし、原点の「吸血鬼ドラキュラ」も実は読んでいないのだが、小野不由美が書いた「屍鬼」(文庫版で5巻もあるのだが)は面白い。巻末の解説でも書いてあるが、5巻まとめて買わないと、1巻を読み終わったあと次の巻にいきたくなるので後悔してしまうのである。ただ、間違えても休みの日に読み出さないと、平日の夜なんかに読み始めると寝不足になるので後悔する。

 吸血鬼伝説という本と吸血鬼カーミラという本は買って机の上に積んでいるのであるが、山ほど読みたい本があるので、まだ読めていない私なのである。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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