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コラム

36協定の締結時間

2010年8月27日 公開 / 2010年8月31日更新

コラムカテゴリ:ビジネス


先日、複数のお客様から、
「時間外・休日労働に関する協定届
(以下、「36協定」)」に関して、
お問い合わせをいただきました。

今回は、36協定に関してちょっとまとめてみます。

36協定の締結が必要となるのは、
労働基準法第32条の8時間/日 及び 40時間/週を
超えて、労働する時です。

法定の労働時間を超えて働くということは、
労働者の生存権(憲法第25条第1項)を脅かすことに
なるので、規制をかけているわけですね。

だから、「恐れながら労働時間を延長します」と
届け出を出すことで、労働基準法第32条違反から
免除されるという効果(免罰効果)を
もたらすのが36協定届です。

よって、36協定に記載されている時間を超えて
時間外労働をする場合は、協定が「無効」とみなされて、
労働時間は32条の適用を受けるため、
「36協定届」を出しているにもかかわらず、
32条違反ということになります。
なお、32条違反は30万円以下の罰金か
6か月以下の懲役となります。

そこで、協定を結ぶ時は「最大限の時間」で
締結することをお勧めしています。
1日 15時間
(1日の延長できる時間は36協定届に必ず記載します。)
1か月 45時間
1年  360時間 というように。
(1年以内の変形労働制は導入していません)
この時に誤解があるようなのですが、
この時間は厚生労働大臣の指針です。
この時間を守らないからといって、
ただちに「法令違反」とはなりません。

また、15時間/日と協定を結ぶと、
1週間15時間という大臣の指針を超えるのではないかと
考える方もいらっしゃるかもしれませんが、
下手に 2時間/日 と締結してしまうと、
2時間半時間外労働をしたら、先に書いたように
「36協定無効」となってしまいます。
それから、1週間で15時間なのだから、
1日で15時間であっても、大臣の指針には反しません。

ところで、15時間と協定を結んだからといって、
ただちに、会社に15時間働かせられる権利が
発生するわけではありません。
このあたりのお話は、また次回。

この記事を書いたプロ

松村篤

労働生産性向上のプロ

松村篤(みやこ社会保険労務士事務所)

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