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相続の現場から ~私は相続人ではないの!?~

2018年7月13日 公開 / 2021年1月8日更新

テーマ:相続 事例

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き相続問題不動産相続 手続き

 今回は、「数次相続」と「代襲相続」に関しまして、具体的な事例に沿って、お伝えさせていただきます。

 ある郊外にお住まいの女性の方からご依頼をいただき、相続手続きのお手伝いをさせていただく事になったのですが、その女性のご主人様が亡くなって数年経過し、もう相続の手続きをしたい、ということでお声掛けいただいのですが、詳しくお話を伺ってみると、ご自宅の名義が、亡くなったご主人様ではなく、そのおじい様の名義という事がわかりました。

 これは、「数次相続」と呼ばれる状態でして、先祖代々の土地・建物に住まわれていたり、ご自宅の他に畑や山林なども所有されているという、郊外にお住まいの方に比較的多くみられる相続です。
 不動産の名義人の方が亡くなった場合は、相続人の方が協議をして、次にそれを引き継がれる方の名義に変更する必要があるのですが、すぐに手続きをされなくても、日常生活において直ちに大きな影響がある訳ではありませんので、そのままになってしまっているケースも多くあります。

 下記の図のような状態で、ご自宅がAさん名義という場合の相続です。 
数次相続
 この場合ですと、依頼者さまはAさんの直接の相続人ではないのですが、Aさん、Bさんの順に亡くなり、次にご主人さまであるDさんも亡くなった段階で、Dさんの相続人としての立場で、Aさんの相続人となります。
 この相続手続きにおきましては、依頼者さまとCさんとEさんが、Aさん名義の家の引き継ぎ方を協議をする事になります。

数次相続に代襲相続が加わったら

 今回、よく戸籍を確認すると、依頼者さまのご主人様であるDさんが、父親であるBさんよりも、1ヵ月早く亡くなっていることがわかりました。
 これは「代襲相続」も発生している状態となり、相続人となる方が変わってきます。
 図にしますと、下記のようになります。
数次相続+代襲相続
 最初の数次相続の図と見比べていただきますと、依頼者さまが相続人ではなくなっています。
 これは、Dさんの方がBさんよりも先に亡くなったことにより、Bさんの直接の相続人が、Dさんを代襲してEさんになるからです。
 この為、相談者さまは先程の様に、Dさんの相続人としてAさんの相続人になる、という事が出来ません。

 このような状況で相続の手続きをする場合、相談者さまがご主人さまであるDさんと、長年住まわれていた家の相続の協議なのに、ご自身が加われないというのは、釈然とされないお気持ちになる場合もあるかもしれません。
 もし、協議の結果Cさんが家を相続される事になりますと、ご家族さまの関係によっては、相談者さまが家に居づらくなるという状況も考えられます。

 幸いにして、今回の事例では、Eさんが相続をされる事でうまく話がまとまりましたので、特に問題はありませんでしたが、例えば、兄弟姉妹の人数が多いご家族が数次相続になった場合ですと、相続人となる方が多くなりますので、必要とされる戸籍等も増え、手間も費用もかかります。

 当然のことながら、相続手続きを行うには、相続人となる方全員の合意が必要となります。
 その為、相続人となる方が多くなる程、考え方の違いや、お付き合いの程度も様々になり、なかなか協議がまとまらないという事もあります。
 
 一般的に、数次相続になってしまった場合は、相続人となる方の数が増えますので、そのような事を考えましても、出来るだけ早目に手続きをしておかれることをお勧め致します。
 

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