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三上隆

相続・遺言の相談と手続きのプロ

三上隆(みかみたかし)

相続まちの相談室/行政書士 三上隆事務所

コラム

相続の現場から ~固定資産税と登記~

相続 事例

2018年7月26日 / 2018年9月28日更新

 突然ですが、皆様は、今お住まいのご自宅を「誰が所有している事になっているのか」、ご存知ですか?
 質問の意味が不明な感じになっておりますが、正確には「ご自身が所有されているご自宅の、登記簿上の所有者(名義人)が誰なのか」、という質問です。
  
 ご存じの通り、不動産には「登記」という制度があり、その情報を表したものが登記簿です。
 これは法務局に備えられており、不動産の所在や面積などの情報と共に、「その不動産の所有者が誰なのか」という事が記載されているものです。
  
 ただ、この登記簿に記載された所有者が、「現在の本当の所有者かどうか」というところは、必ずしもそうでない場合もあります。
 登記簿に記載されている所有者の方から不動産を取得した場合、それが売買や贈与であれば、ほとんどの場合、それと同時に登記簿上の所有者もその方に変更する、「所有権移転登記」という手続きが行われます。
 
 ですが、それが相続という形で所有者が引き継がれた場合、登記簿上の所有者を変更する手続きが行われていない場合がみられます。
 例えば、親子で同居されていたご家族の、登記簿上の所有者であるお父様が亡くなり、家を相続されたお子様が、その家に引き続きお住まいになる場合です。

 本来は、引き継いだお子様が、自分に所有権が変わった旨を登記する必要があるのですが、それが行われなくても、すぐに日常生活に支障が出るわけではない為、そのままになってしまっている、という事があります。
 この場合、その家の固定資産税は、どうのようになるのでしょうか。 

 固定資産税につきましては、「その年の1月1日現在の所有者」が納税義務者となります。
 もちろん、この所有者は登記簿に記載されている方というのが原則ですが、先ほどの例のように、相続した方が登記をまだ変更されていない場合もありますので、その方の相続人など、引き続きそれを所有している方などに納税通知書が送付されてくることになります。

 先ほどの場合ですと、引き続きご自宅に住まわれているお子様が納税義務者として、以後の通知書が送付されることになります。
 

 また、固定資産税に関連しまして、このようなお話がありました。
 ご自宅の他にも畑なども所有しておられる方から、お二人の息子様にご自宅と畑に分けて、それぞれ引き継いでもらう内容にして、公正証書遺言書をつくりたい、というご依頼をいただいた事があります。

 物件を特定して公正証書遺言書をつくる場合、登記簿を確認して物件の指定をする必要がありますし、手数料の算出の為、不動産の評価証明書も確認する必要があります。

 実際にその方の登記簿を確認させていただいたところ、ご自宅が全く未登記のままだった事がわかりました。
 その事をお伝えすると、「固定資産税の納税通知書が送られているから、登記されていると思っていた」と、仰っておられました。

 役場の評価証明書にも、未登記であればその事が記載されていたり、評価面積と登記面積を並列表記して、未登記であればその部分だけ数字が記載されない、というような仕組みがある場合が多いのですが、評価証明書はあくまでその不動産の評価額が証明されているだけですので、登記がされているかどうか、という事の記載までは、担保されていません。

 今回の様に、固定資産税の納税通知書が届いているから、登記も出来ていると思っていた、という方は結構多いようです。
 ですが、固定資産税の納税通知書が送付されているからといって、登記がされているという事ではないのです。
 登記がされているかどうか、誰の名前で登記されているのか、という事に関しましては、役場からお知らせが来ることはまずありませんので、登記簿を確認するしかありません。
 
 思わぬところで、ご自宅が未登記であることがわかったお話でしたが、未登記の不動産につきましても、遺言書に記載することは出来ますので、参考までにお伝えしておきます。


※7月28日開催予定 長岡京市立中央公民館・市民講座「優しい遺言書のつくり方」につきまして
  定員を超える方からのご応募をいただきまして、有難う御座いました。
  ご家族さまのことを想っていただく、よいきっかけになる時間になれば、と考えております。
  暑い日が連日続いており、当日は台風の影響も予想されておりますが、お気を付けてお越し下さい。

 

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