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吉田洋一

テニスを通じて子どもの心身発達を支援するプロ

吉田洋一(よしだよういち) / 心身発達の心理士

一般社団法人JSTC

コラム

運動で脳は変わる

2023年9月17日

テーマ:運動と脳

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

 脳は、これまで考えられていたより、はるかに変化しやすいことがわかってきました。脳にはおよそ1000億の細胞がひしめいています。そして、それぞれの細胞が、他の何万個もの細胞とつながっています。そうすると、つながりの総数は少なくとも100兆はあることになります。
 脳内では絶えることなく、古い細胞は死に、新しい細胞が生まれています。細胞と細胞がつながり、またその回路が使われなくなると、つながりも消滅します。そしてつながりの強さは、脳がどのように構造を組み替えるかによって変化します。脳は絶え間なく変わり続けます。この上なく複雑な生態系です。子どものころや何か新しいことを学んだときだけではなく、変化は一生を通して続きます。あらゆる思考や何かを経験するたびにその痕跡が刻まれて、ほんの少しずつ自分が変わるのです。今日の脳は、昨日の脳と同じではないのです。
 脳細胞の数や脳の大きさで、頭の良し悪しが決まると信じている人がいます。また、脳の働きの良し悪しは、脳細胞のつながりの数で決まると信じる人がいます。どちらも間違いなのです。2歳児の脳細胞のつながりの数は、大人のそれよりもはるかに多いのです。そして成長するにつれてその数は減っていきます。この「刈り込み」と呼ばれる過程により、2歳から青年期までは1日で200億近くのつながりは消えます。脳は使わない回路を切断しながら、新たに信号を伝えるための場所を空けているのです。脳科学的にいうと「同時に発火した神経細胞(ニューロン)同士が結合する」ことにより、新たに回路が生まれます。
 それは、私たちが様々な動作をしているとき、例えば自転車に乗ったり、本を読んだり、夕飯に何を食べようかの考えていたりするときに脳が使う、「機能ネットワーク」と呼ばれる「プログラム」によってです。
 私たちにの脳には、「泳ぐためのプログラム」や「自転車に乗るためのプログラム」、「字を書くためのプログラム」が保存されています。あらゆる動作がこの機能ネットワークによって制御され、基本的に、すべてのネットワークは脳の細胞同士のつながりの集合体で構築されています。
 次回に続きます。

スポーツ指導者を兼ねていたからこそ知見できた「運動と脳の相互関係」
自身の身体運動を促す「人間工学理論打法」が「運動」と「子どもの脳の発達」を促す
「楽しい、心地よい運動」が「脳を育てる」
スポーツを「楽しい、心地よい運動に変換」
子どもの心身の発達を支援

一般社団法人JSTC 代表理事 吉田洋一
連絡先(携帯電話番号)090-2790-5389
メール jstc@docomo.ne.jp

 

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