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吉田洋一

テニスを通じて子どもの心身発達を支援するプロ

吉田洋一(よしだよういち) / 心身発達の心理士

一般社団法人JSTC

コラム

「生きる力」は、自己肯定感から

2023年2月9日 公開 / 2023年2月10日更新

テーマ:運動による心身の発達

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

 前回、脳からみた「生きる力」を解説しました。自分を肯定する価値観を持つことが脳を刺激するのです。
 では、どうすれば「自分を肯定する価値観を持つ」ことができるのでしょうか。もうご存じかと思いますが、「活発に、身体を動かすこと」「楽しい、心地よい身体運動」なのです。この場所を提供している方がまだまだ少ないのが現状ではあります。当法人の活動であれば「Jr-Open」がその場所になります。
 自己肯定感が育つ場所に「主体性」と「楽しむ力」という方向性を意識づけることで、適応力のある心が育つ環境を促進させていきます。主体性とは、自分で考え、判断し、行動することです。何のために行動するのかなどを考えることで、問題解決思考などの考える力につながります。
 楽しむ力とは、楽しさをあるがままに感じることです。楽しいことには、自然と熱意をもつことができ、それに没頭することで活力が沸いてきます。また、楽しさを他者と共有することで「つながり」が強化されていきます。好きなことを好きといえる同じ価値観や方向性をもったコミュニティの質が高まっていきます。
 ここで注意したいのが、勝ち敗けだけ、つまり結果だけのスポーツではない環境が必要になります。勝ち敗けあれば、教える側と教えられる側の成果になります。どれだけ指導者の指導を吸収したのかを問う勝ち敗けや優劣を重視するものになってしまいます。これでは「主体性」も「楽しむ力」も存在しません。脳ではストレスを生じています。スポーツをしない子が増えた原因の一つに勝利至上主義が蔓延していることがあります。
 もう一つ注意したいのが、単なる運動は継続しないという現実です。「楽しい、心地よい運動」でも長く続かないのです。どうしてでしょうか?それは、「馴れ」と「向上心低下」と「談話的衝動」です。「馴れ」は、運動になれてくると意欲が低下してきます。「向上心低下」は、これ以上やっても何もない達成感が失われます。「談話的衝動」は、独りでやっていても、自分の経験を語りたいとか友だちとコミュニケーションをとりたいという衝動が起きます。
 この二つの矛盾を解決するために、採った方策が「競技スポーツを運動に変換する」です。見た目は競技スポーツをやっている。だけど、子どもたちは楽しい運動をしている。詳細は後で説明しますが、ここが重要なポイントになります。内容は、「勝ち敗けの大会ではない」「大人の介入なし」「父母の顔を見てプレーしない」「自分の考えた通りプレーする」「たくさん試合をする」「相手は敵ではない」「たくさん友達をつくる」「あなたを信じている」です。
「主体性」と「楽しむ力」を意識づけることが自己表現や自己成長を促す潤滑油となり、なりたい自分が見えてくるのです。次回に続きます。

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