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笠原友子

栄養と漢方で糖尿病を健康に導くプロ

笠原友子(かさはらともこ) / 薬剤師

笠原健招堂薬局(有限会社笠原)

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コラム

血糖値が高いと、なぜ血圧も高くなる?!

2019年1月31日

テーマ:糖尿病 原因 症状 

コラムカテゴリ:医療・病院

まちかど予防医学指導士の笠原友子です。
薬剤師ですが、20代の頃から頼まれると
住民健診や大学検診のお手伝いをしています。

糖質摂取の機会が多いときは、血圧も高くなりやすいです。
関連があると思っていない方がほとんどです。
高血糖の方にありがちな急性の合併症
心筋梗塞・脳出血・脳梗塞につながるといけないので、
今回は『血糖と血圧』の関係のお話です。

先日、大学検診のお手伝いをしていて
「ふだんより20~50mmHg高いけど、測り方がおかしくないか?」
と、何人もの方々から指摘を受けました。

何度測っても、血圧計を替えても高いことに変わりなく
生活習慣から起こることをお話して
「用心しなくてはいけないね。」
と、ご理解いただきました。

血糖が高いと血圧が高くなりやすいわけは?

血糖値が高いと血圧も高くなると言うのは
血糖値を下げるホルモンとして知られているインスリンが関係しています。

インスリンは、人の体の数あるホルモンの中で唯一
『血糖値を下げるホルモン』です。

ところがインスリンは、
血糖値を下げる以外の働きも持っています。

どのような働きか分かりやすくと言うと
『カリウムを排泄して、ナトリウムを貯留するはたらき』

つまり『塩』のとり過ぎの状態になるのです。

血圧が高い方が食事指導で
野菜や果物、海藻をしっかり食べましょうね。
と指導を受けたことはありませんか?

からだの中の電解質であるカリウムをしっかり摂取して
余分なナトリウムを体の外に排泄させようと言う狙いです。

ところが逆に
糖質を摂りすぎて、インスリンの働きで、カリウムを排泄させてしまうと
バランス的にナトリウム摂り過ぎのからだの状態になります。

からだは「薄めなくっちゃ!」と水分も貯留しますから
むくんだ状態になり、血圧も下の血圧が上の血圧を押し上げるように
高くなるというわけです。

先日血圧を測定した時期は、1月。
1月と言うと、正月でさんざん飲み食いをした後です。
まだ家の中にお餅が残っていて、消費の真っ最中でした。

能登に嫁いできて知りましたが
能登地方では、お餅をつく時に「塩」を入れます。
塩気の効いたお餅を、寒くて外仕事をしない時期に
ストーブで焼いては暇つぶしに食べていると
からだがむくんで、食べたと思っている量以上に体重が増加するだけでなく
血圧も押し上げることになります。

体重は気にして測る方が多いですが
血圧まで測る方は少ないので、気がつかなかっただけなのですね。

血圧は、サイレントキラーと呼ばれます。
「真冬の怪談だ!」
とは、お話した受検者の方々の声

食事時間を決めて食事をとる
そんな食事時間のメリハリだけでも危急の事態を減らすことが出来ますし
日々の血糖コントロールも良くなります。

血糖値が高くて鼻炎が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
血圧・眼圧・血糖値が高い方にも安心な“薬をつかわない花粉症対

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