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食品安全マネジメント規格「JFS規格」

2023年5月11日

テーマ:HACCP

コラムカテゴリ:ビジネス

 前回のコラムでは、HACCP認証制度についてお話をいたしました。
 実際にHACCPの認定を受けようとした場合、いくつかの方法があります。
①地方自治体HACCP
 ●各自治体が独自に定めた審査が実施される
 ●中小企業も取得しやすい
 ●対象製品・適用範囲が限定される
②業界団体HACCP
 ●特定の業界・業種に向けた認証
 ●適用範囲が業界・業種ごとに限定される
③民間による同等認証
 ●ISO22000
 ●SGSHACCP
 ●SQF2000/HACCP
 ●JFS
 ●FSSC22000
 ●IQFSI認証

 たくさんある認証の中で、私がお勧めするのはJFS規格になります。

食品安全マネジメント規格「JFS規格」とは

 JFS規格は、一般財団法人食品安全マネジメント協会が開発・運営する食品の安全管理の取り組みを認証する規格で、2016年に公開されました。
 JFS規格では食品を取り扱う事業者に対する要求事項が定められています。この要求事項に沿った安全管理がなされているかどうか第三者機関が審査(監査)を行うことで、食品を取り扱う事業者において、安全な食品を製造し、そして消費者へ届けるためのマネジメントシステムが構築・運用されていることを確かめることができます。
 一番のポイントは、事業者の規模に関係なく取り組みやすく、誰もが国際標準の食品安全マネジメントを目指せるというところです。JFS規格は、事業者の安全管理レベルの向上に役立つほか、フードチェーン全体における食の安全のつながりを確かなものにするという役割を担っています。

JFS規格の種類

 食品製造事業者を対象としたJFS規格には、JFS-C規格、JFS-B規格、JFS-A規格があり、各規格で求められている要求事項において要求内容や項目数の違いがあります。ビジネスの規模を問わず、幅広い事業者にとって取り組みやすく、段階的に食品安全管理レベルを向上させることができます。
・JFS-C規格
 GFSI承認規格の国際標準規格、輸出に対応
・JFS-B規格
 HACCPに基づく衛生管理に対応
・JFS-A規格
 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理に対応

 事業者の規模に応じて、規格が3種類用意されており、無理なく取り組みやすいものになっています。A、B規格ではHACCPのすべての原則を満たさなくても同等の認証が得られることができます。段階的にステップアップして規格を上げていくこともできるため、取り掛かりやすいとも言えます。
 A、B規格は審査ではなく、監査であることも大きな特徴です。金銭的にも負担が少なくなっています。

JFS規格を構成する3要素

 JFS規格は、食品安全マネジメント(FSM)、ハザード制御(HACCP)、適正製造規範(GMP)の3要素で構成された食品安全マネジメント認証・適合証明です。これらの3つの要素は独立して機能するのではなく、それぞれが相互的に影響を及ぼしています。

食品安全マネジメントシステム(FSM)
 ● 以下のGMPとHACCPを有効に実行するための管理の仕組み
 ● 安全方針の設定、手順書作成、文書管理方法の設定など
 ● トップマネジメントの責任、フードディフェンスや食品偽装への対応
ハザード制御(HACCP)
 ● 生物学的危害、化学的危害、物理的危害の可能性を分析(HA)
 ● 危害防止のための重要な工程管理ポイントを決定(CCP)
 ● 重要な工程管理ポイントにおける管理条件を設定
適正製造規範(GMP)
 ● 食品安全管理において基本的となる一般衛生管理
 ● HACCPを実施するための前提条件プログラムの中心となる基準
 ● 従業員衛生、環境、施設、装置、検査、メンテナンス、教育など

 3つに構造を分け、ガイドラインも整備されており、分かりやすい作りになっています。2022年にバージョンが3になりました。規格そのものも見直しが行われており、時代に沿った対策の一助になります。
 これからHACCPへの取り組みを始めたり、HACCP認証に対応していないISO9001からの変更をしなければいけない事業者様で、JFS規格認証にご興味がございましたら、お問い合わせください。

この記事を書いたプロ

下裏祐司

事業と社員の成長を導く企業活性化コンサルティングのプロ

下裏祐司(株式会社飛泉)

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