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神田紀久男

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神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

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コラム

親子の対話で進む終活

2021年7月24日

テーマ:終活 

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: エンディングノートお墓遺品整理


今年4月に夫が亡くなった奥様が、長女さんと一緒に終活相談に来られました。
ご葬儀も終わり、49日法要も終え、納骨しようと、お寺さんに相談したところ、「お寺には、墓地・納骨堂もありません。また斡旋・紹介を行わないので、ご自身で探しなさい。」と言われたそうで、困っていた際に、終活相談の案内を見つめ、来所された相談者です。
 相談者は、現在85歳です。結婚後の生活の中では、お寺とのお付き合いを為されていないようで、ご主人が亡くなった際に、葬儀の際に、親戚の方にお寺を紹介してもらったようで、墓地・納骨堂は、お寺にあるものだと思いこんでいたようです。
 「お墓・納骨堂など、供養については色々とあるけど、どれが一番良いのは、どれなのか。わかりません。」これが相談の趣旨でした。
 供養の在り方も多様化しています。従来のような「お墓」による供養は、これからも子孫が、供養を行い続けることが前提の話です。最近は、この供養が、「これからも続く」が、困難であることが顕在化しています。例えば、「子どもはいるけど、孫がいない」「子どもは、実家と離れて戻ってくることはない」。このような理由で「墓守」が出来なくなっていくことが現実になっている事例は多くみられます。実際にお墓に参るのは年に一度行くのも難しいという状況も起こり得る訳です。
また、墓地を作るためには、それなり広い土地も必要なわけで、墓地開発も中々ままならない中で、広いスペースが必要なく、効率よく「墓守」が出来るという意味では、管理する側・利用する側にとって、メリットを多く感じることができるのが、納骨堂です。特に都市圏にお住まいの方からすると、お参るにアクセスや、費用面を考えると、魅力的であることは間違いないのだと思います。
ただ、納骨堂も、原則【供養が続く】ことが前提であると考えておくことが必要です。
 今回の相談者の場合、二人のお子さまがいるのですが、長女さんは、未婚で同居。次女さんは、結婚して、遠方で暮らしているとのことでした。このような場合だと、長女さんが将来供養を行うことが、想定されるでしょうから、長女さんの考えは、とても大事なことだと思います。何故ならば、将来(母親が亡くなった後)に、供養を一人で行うことが出来ないことになれば、現在、お墓や納骨堂を準備しても、将来意味がなくなってしまうし、準備にかける費用も無駄になってしまうかもしれないからです。
そこで、上記の内容を説明したうえで、長女さんの意向も尋ねました。「将来のご自身の生活を考えていく中で、供養を負担に感じることはありませんか?」と。
長女さんは、「親のことだから、面倒は見ていくのが当たり前だと思います。」と答えてくれましたが、更に私は質問しました。「お母さんを目の前にしているから、言いにくいことかもしれませんけど、本当にそうですか?」。 この質問に対して、長女さんは、回答がありませんでした。そうすると、お母さんが、「ハッキリと言って好いのよ。私の貴女の将来は心配なんだから。」と話を始められました。
その後は、親子で将来について話をされておりました。私は、それをただ聞いておりました。
 ある程度時間が経過して、長女さんから、「大丈夫、面倒みていく」と結論を出されましたので、納骨堂を準備しようということで、これからお住まいに近い納骨堂を探していくお手伝いをさせてもらうことになりました。
 帰り際に、「今日は相談にきて良かった」とおっしゃっていただきました。何が良かったのかと私になりに考えると、「親子で話が出来た」ことだろうと感じました。親子で話をしずらい事が、しっかりと話が出来たことが、今回一番良かったことなのだと思います。
 これから、納骨堂探しをお手伝いしますが、これからの親子で将来のことをお話してもらえると嬉しいなと思います。

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