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生理学&漢方的見方で5月病の原因を考える【山梨 漢方 さわたや薬房】

早川弘太

早川弘太

テーマ:メンタルケア 漢方

※夏に向けたニオイ対策をシリーズで配信中でしたが、5月病対策についてお届けします。3回シリーズの5月病対策を配信後に体臭対策の最終回を配信予定です。

今回は春の体調不良の代名詞とも言える『5月病』ついて原因を考えて行きたいと思います。

☆改めて考える『5月病』の原因とは?

今回は今から始めたい5月病対策についてお届けしたいと思います。

『5月病』という言葉が生まれてからどれぐらいの年月が経つのかは定かでないですが、今は知らない人はいない季節の不調の一つです。

これは僕がいつも大切にしていることなのですが、病気でもなんでも簡単な仕組みだけでも知っておくことがトラブルを解決したり、応用を効かせるには大切だと思いますので、まずは5月病が『なぜ起こるのか?』という原因から考えていきたいと思います。

5月病というくらいなので、5月ぐらいになると体調を崩す不調です。当たり前ですね。

5月病は当然ですが正式な医学用語ではなく、一般的には適応障害、うつ病、パーソナリティー障害、発達障害、パニック障害、不眠症など症状に応じて様々な病名が医療機関を受診するとつけられます。

3月から4月にかけては非常に目まぐるしく環境がかわります。

特に上の学校に進学する学生さん

学生から社会人になる方

転勤や移動で労働環境が変わる方

定年退職等で生活リズムが変わる方

様々な理由で生活環境が激変する方が多くいらっしゃいます。

また、お子さんの進学やパートナーの環境変化など、自分が直接でなくても家族やパートナーの生活環境が変化することで、それにあわせて自分の生活環境が激変するという方も数多くいらっしゃいます。

5月病の1つ目の原因としては『環境変化による心とカラダへの疲労の蓄積』です。

もちろん新しい環境で人間関係がうまくいかない、苦手な人と接しないといけない、友人などができなくて寂しい、一人暮らしを初めてするので心細い、ホームシックになる、など新生活や環境変化ならではの、ある意味わかりやすいストレス疲労の蓄積はもちろんですが、それだけではないのです。

☆5月に不調がでるのはゴールデンウィークのせい?

様々な環境変化に対応しようと3月から4月にかけては環境変化のある方は対応しようと『がんばります』。

そんな『頑張っている状態』から一息入れられる時期が大型連休

そう、5月のゴールデンウィークです。

昨年からは新型コロナウイルスの影響でそれまでのように旅行などは行けないかもしれませんが、仕事や学校などの忙しさ、新しい環境で気を張った状態からは一息入れることはできます。

実はこの『一息入れる』ことが5月病の原因と僕は考えます。

正確に言うと『一息入れる』こと自体はとても大切なことで必要なのですが、一息の『入れ方』を間違えてしまうと5月病になりやすくなります。

それまでは新しい生活環境に対応しようと知らないうちに常に『頑張っている状態』になっています。

人間は『なんとか乗り切ろう!』『今頑張ろう!』と思っている時は自律神経の『交感神経』が優位になりアドレナリンがしっかり出る状態なのであまり疲れを感じなくて良くも悪くも『無理できちゃう』状態です。

スポーツ選手が怪我しても試合中に走ったりできたり、ピンチの時に思いがけない力が出る『火事場のクソ力』と言われるような物ができるのもこのおかげなのです。

実はこの『火事場のクソ力』は一種のドーピングのようなもので無理をさせてしまうだけに終わった後、ホッとして緊張が切れあとに疲労感などがどっと押し寄せてきます。

集中して雪かきをした後、草むしりをした後、緊張する上司と同行した後、ホッとして強烈な疲労感に襲われたことありませんか?

そのような状態がゴールデンウィークでホッとして帰省をしたり、休みで気持ちが緩んだ反動で、ゴールデンウィーク明けになると『元気がでない』『やる気が出ない』という状況になってしまうのです。交感神経優位から一気に副交感神経優位になり反動で自律神経の乱れが起きて心身のバランスが取れなくなってしまうのです。

☆5月病も気圧のせい?

環境変化位によるストレス、ゴールデンウィークという長い休みの反動で自律神経が乱れてしまうことで5月病が起こってしまう、ということをお伝えしましたが、実は5月に体調を崩すのはそれだけではありません。

この原因は5月だけでなく3月ぐらいからずっと続くので5月独特の理由では近年なくなっていますが、ズバリいえば『寒暖差&気候変化』です。

春バテ、という不調をお伝えした時や『春の5K』という春に体調を崩す原因のときにも登場した理由ですが、5月は3月や4月に比べても夏のような暑い日もあれば冬まではいかなくても肌寒い日があったりとお天気によって寒暖差が非常に激しい時期です。

五月晴れ、なんて言葉もありますが、近年は天候が変化しやすく気圧変化も激しい為

寒暖差により、体温調節を行う自律神経が乱れること

さらに

高気圧の時は交感神経優位に、低気圧の時は副交感神経優位になるため気圧変化が激しい春独特の自律神経が乱れ

この2つが加わるので5月はある意味『自律神経受難の時期』と言えると思います。

☆漢方的に5月病の原因を考える

環境的な原因とカラダの仕組みから5月に心身の不調がなぜ起こりやすか?を深堀りしてみました。

心の不調がおこるのもカラダの不調がおこるのも5月という時期にカラダのコントローラーとも言える自律神経のバランスが乱れてしまうことが原因です。

そんなカラダの仕組みから見た5月病の原因の次は漢方的な原因を見ていきましょう。

中医学では春は『肝』が弱る時期と言われています。

肝は血液をたっぷり貯蔵する場所で、万物が成長する季節と中医学では考えます。

成長の時期なので、春の一つ前に季節、冬の寒い時期から元気よく『芽』を出す時期でもあるので成長するためのたくさんのエネルギーが必要となります。

肝に蓄えられた血液は春の伸びゆく時期の力の源にもなるので、もともと体力が低下気味で、胃腸が弱く、血液や気力が低下しやすい人や(気虚タイプ)

過度のストレスで気血というカラダを支える物が消耗してしまっている方(気滞タイプ)

は春の時期に不調が起こりやすくなります。

また、肝は血液貯蔵庫だけでなく『疏泄作用』と言ってカラダの流れや巡りを整えたり、情緒をコントロールする働きがあります。

『肝っ玉』『肝が座ってる』『肝にさわる』など昔から情緒と肝は繋がりが深いと言われていたので、中医学では肝が弱ると自律神経が乱れたり、怒りっぽくなったり憂鬱になりやすくなります。

5月病の原因の漢方的に考えるとこの『肝』に負荷がかかりやすい人、肝が弱っている人に起こりやすいと考えます。

日頃から胃腸が弱くて痩せていたり、太っているけど力が弱い、声が小さかったり元気不足の『気虚タイプ』や

もともと貧血気味で月経トラブルが多かったりメンタル不調があったり、疲れやすい、髪や爪が脆い、眠りが浅いなどの血が不足気味の『血虚タイプ』の方

あとはストレス過多で気の巡りが悪くなっており、ストレスで血の巡りが悪くなりやすい『気滞タイプ』の方などは5月病になりやすいので注意が必要です。

5月病の症状は本当に様々です。不眠やイライラ、クヨクヨ、意欲低下などの気分症状から、朝起きれない、立ちくらみ、めまい、耳鳴り、胃腸トラブルなどの身体症状まで本当に様々なのです。

今回は様々な角度から5月病の原因について考えてみました。

次回は今回深堀りした5月病の原因から考える『5月病予防策』について考えて行きたいと思います。

次回は『今から始める5月病対策』をお伝えしたいと思います。ぜひ次回も御覧ください。

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早川弘太
専門家

早川弘太(販売職)

株式会社 沢田屋薬局

医療機関などでは、忙しくてなかなか話を聞いてもらえなかったご経験ありませんか?まずお客様のお話をゆっくりとお聞きさせていただき、一緒に不調の原因を考えていきます。漢方相談と健康相談を行っています。

早川弘太プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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