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冬は閉蔵の時期・気血を蓄える冬だからこそ大切にしたい養生『睡眠』

早川弘太

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テーマ:睡眠・不眠症対策

☆皆さんしっかり睡眠取れていますか?

今回は睡眠についてお届け致します。睡眠についてはこのコラムでも度々お伝えしていますが、改めてお伝えしたいと思います。

まずはみなさん、しっかり睡眠取れていますか?

日本人は世界的にみても睡眠の質が非常に悪い方が多く、睡眠時間も短いことから【不眠大国】と言っても過言でないぐらい、睡眠導入剤、安定剤の処方数が増加しています。

今や5人に一人が睡眠に問題を抱えていると言われています。

このように今や国民病とも言える不眠症。

中医学ではカラダの状態を確認する時に『三快』と言って『快食(よく食べれて)・快眠(よく眠れて)・快便(しっかり出せる)』この状態がどうかを非常に大切にしています。

☆中医学では『快食・快眠・快便』三快が大切
この三快、元気な方にとっては、食べれて、眠れて、お通じが毎日あることは当たり前のことですが、失ってしまうとその大切さがわかると思います。

とくに睡眠は一日の心とカラダの疲れを癒やすとっても大切な時間です。我々人間は1日7〜8時間睡眠を取ると考えれば人生の3分の1は寝るための時間です。それぐらい人間にとっては大切な時間なのです。生きる上である意味もっとも大切と言っても過言ではない養生『睡眠』ですが我々が睡眠摂ることでプラスになることは何でしょう?

☆改めて考える・我々が睡眠を摂るべき理由

我々人間が睡眠を取る理由は様々です。

1)疲労回復(カラダと一緒に頭の疲れを取る)

睡眠を取る理由の代表はなんと言っても心身の疲労を回復のためです。
とくに脳の疲れは睡眠でしか取ることができません。肉体的な疲労は日中カラダを横にしていたり、活動を押さえれば疲労を減らすことができ多少体力の回復ができますが、脳だけは睡眠で思考を休ませないと起きている限り働き続けます。

また、肉体疲労も日中ぼーっと休んでいれば寝なくても大丈夫かと言えばそうではありません。

睡眠のリズムの中で、深い睡眠(ノンレム睡眠)が得られるほど、体内の修復・回復を促す成長ホルモンが多く分泌され、疲れが取れやすくなります。

寝ることはソファーに座ったり、カラダを横にして本を読んだりテレビを見たりしているの時のように、身体の一部だけを休ませるのではなく、全体を休養させることができる貴重な時間なのです。

心とカラダの両方をメンテナンスできるとても大切な時間と言えるでしょう。

2)肥満防止

実は睡眠は肥満とも関係が深いのです。

睡眠を適切に取ることで、食欲を抑えるレプチンが多く分泌され、食欲を促すグレリンの分泌を少なくします。良い睡眠を取ることでこれらの分泌が適切なバランスとなり、余分なカロリー摂取を防ぎ、太りにくい体質づくりに役立ちます。現代人が肥満が多いのと睡眠に障害を持つ人が多いことにはつながりがあるのかもしれませんね。

3)お肌の健康

睡眠はお肌の状態とも関係が深いのです。

睡眠中に分泌される成長ホルモンは肌のターンオーバーを向上させ、美しい肌質を作るのに不可欠です。
入眠後20分~30分後に最も深い睡眠が訪れます。

この時間帯に成長ホルモンが分泌され、肌の修復や新陳代謝が行われます。睡眠時間のうち定期的に深い睡眠(ノンレム睡眠)と浅い睡眠(レム睡眠)が訪れますが、深い睡眠の時間帯が多いほど成長ホルモンが分泌され、肌にも好影響を与えるとされています。


※ちょこっとコラム〜お肌のゴールデンタイムは都市伝説???

一度は聞いたことがある方も多いと思いますが22時〜2時が『お肌のゴールデンタイム』と言い成長ホルモンが多く分泌されると言われてきましたが、実はこれは都市伝説とまでは言いませんが昔の人の生活習慣から出てきたものだ、というふうに最近では言われています。

確かに早寝早起きは睡眠の質を高めてくれるのでお肌に大切な成長ホルモンの分泌を促進してくれるので、あながち嘘ではないですが、それを気にしすぎてストレスになったり、寝付けなくなったりしては本末転倒です。

寝入りばなの最初の90分に質の良い睡眠が取れると成長ホルモンの分泌が良くなるそうなので、後ほどご紹介する良い睡眠の為の生活習慣が大切です。


僕らが睡眠を摂るべき理由をまず見てきましたが、次にこの大切な睡眠がなぜ妨げられてしまうのか?

日本人の5人に一人が睡眠にトラブルを持っている原因を見てみましょう。

どんな問題解決も原因をはっきりさせないとその場しのぎになってしまいます。

特に睡眠については『なぜ良い睡眠が取れないのか?』ということを体調面、心理面、環境面から考えることが大切です。

☆睡眠を妨げる原因とは?
不眠と言っても原因は様々です。当然その原因により対処法が異なります。ここでは代表的な不眠の原因を見てみましょう。まずは西洋医学的な見方です。

◇西洋医学的な不眠の原因

・身体的原因・・・痛みや痒み、加齢などの身体的な原因で眠れない

・生理的原因・・・海外旅行の時差ボケ、深夜勤務等によるもの

・心理的原因・・・仕事や人間関係が気になって眠れない。悩みや怒りなど。

・精神医学的原因・・・ノイローゼ、うつ病など心の病気が原因となって眠れない。

・薬理学的原因・・・コーヒーや緑茶に含まれているカフェインの作用や医薬品の副作用などで睡眠リズムを崩してしまう。

次は僕の専門でもある中医学的にみた睡眠の質の低下となる原因について見てみましょう。

☆中医学的(漢方的)不眠の原因

中医学では不眠など、睡眠の質の低下は様々で体調や体質によってわけられます。


・女性に多い血虚(血液不足)タイプ

中医学では血が不足すると精神が休まらずに不眠の症状が出ると考えます。眠りが浅くなったり、不安感や動悸、めまい、物忘れなどの症状も見られます。血を補う漢方薬を使ったり、血液のもとになるタンパク質が豊富な卵や肉類などを積極的に取るようにしましょう。

・ストレス過多の気鬱(きうつ)タイプ

中医学では『喜・怒・憂・思・悲・恐・驚』の7つの感情にわけて考えますが、これらの感情が過度に続くとカラダに悪影響が出ると考えます。生活の中で『憂鬱』『怒り』『悩み』『悲しみ』このような感情が高ぶる環境にあって睡眠のバランスが悪くなっている方はこのタイプかもしれません。気の巡りを良くする漢方薬や、香りの良いハーブや薬草、薬味のような食材をしっかり取ると良いでしょう。


これ以外にも、慢性病や更年期などでホルモンバランス(中医学では腎の弱り)が乱れて眠れなくなったり、食べ過ぎや飲み過ぎ、体質的に胃腸が弱くて食べ物が胃に長く停滞して胃が重く、ムカムカして寝れなくなるなどが中医学では代表的な不眠の原因と考えています。


西洋医学、東洋医学の両面から原因の一部をご紹介しましたが、西洋医学での治療は原因に関係なく、とりあえずは眠れるように不眠症の症状に応じて薬が処方されます。

それに対して漢方薬では原因の方を重要視します。

『どうして眠れなくなったのか?』

『正常な睡眠が取れなくなったのはカラダの弱りなのか?流れを妨げる邪魔な物が体にあるからなのか?』

などを考えて漢方処方を考えます。どちらが良いとか悪いではなく、考え方の違いだと思いますからどちらを選ぶかは皆さんの考え方次第だと思います。最終的には良い睡眠が取れて、毎日を元気に生活することが一番の目的なのですから。

今年も一年、マイベストプロ山梨のコラムをご覧いただきありがとうございました。

漢方専科さわたや薬房は12月30日〜1月3日まで年末年始休暇とさせていただきます。

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早川弘太
専門家

早川弘太(販売職)

株式会社 沢田屋薬局

医療機関などでは、忙しくてなかなか話を聞いてもらえなかったご経験ありませんか?まずお客様のお話をゆっくりとお聞きさせていただき、一緒に不調の原因を考えていきます。漢方相談と健康相談を行っています。

早川弘太プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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