タイプ別風邪の養生法「黄色い風邪編」~山梨 漢方 沢田屋薬局~
前回に引き続き、寒さ厳しく、寒暖差が激しい山梨県民にこそ上手に活用してほしい漢方薬の代名詞『葛根湯』についてお届けしております。
まず、葛根湯がどんな漢方薬なのかを簡単にご紹介しましょう。
漢方薬の中に
『桂枝湯』
というカラダの寒気を追い出す時の基本になる漢方薬があります。
簡単に表現するとその桂枝湯にさらに、ここが大事なポイントですが、
『自分の体力を使いながら発汗を強く促したりすることで寒気という寒邪を追い出す』
麻黄という生薬を入れると『麻黄湯』という漢方薬になります。
この麻黄湯は発汗を促し強い寒邪を追い出す働きがあるので、ガタガタ震えるような風邪の時やインフルエンザなどのときにも使われます。
その麻黄湯に『カッコン』という生薬を、これは葛湯やくず餅のクズですが、それを加えたのが葛根湯なのです。
このカッコンという生薬を入れる目的ですが、実はうなじのこわばりを取るためです。
桂枝湯にさらに発汗を促す麻黄をいれた麻黄湯にさらにうなじのこわばりをとるためのカッコンを加えたのが葛根湯なのです。
うなじのあたりはもともとゾクゾクするときに縮こまるところ
寒くて身を縮める時に首筋からうなじ、肩を縮めますよね。
カッコンと言う生薬は大雑把にいうとこの場所のこわばりを取る働きがあるのです。
首筋というのは体温調節などに非常に重要な場所なので、そこを温めて流れを良くするニーズが高かったので生まれた処方なのだと思います。
なので、カラダが冷えて、首筋から肩にかけてこわばりがあり、悪寒がするような、典型的な風邪の初期症状に葛根湯が使われるようになったのだと思います。
それだけカラダに急激な冷えが入り込み、ゾクゾクするような悪寒があって肩がこわばり、脇の下などを触っても汗が出てない、脇がサラサラしているような状態での時、まさに風邪のひきはじめ、あれ?おかしいなぁと言うタイミングで葛根湯をしっかりお湯に溶いて温かい状態で服用するとビックリするぐらい寒気が取れて、すっと楽になることがかなりあります。
なので、昔葛根湯のCMかなにかで使われていたキャッチコピー『ゾクッとしたら』と言うタイミングで服用する、カラダが冷えていて、寒気がある時にパッと服用することが葛根湯を上手に活用する方法だと思います。
なので、色々な考えがありますが、厳密には葛根湯という漢方薬は
うなじから背中にかけてこわばりがあり、カラダに寒気が入って冷えてカラダが閉じてしまっているので、汗が出ない状態、さらに悪寒というゾクゾクするようなさむけがする時の症状を改善するものなのです。
葛根湯には肩こりや頭痛の効能がありますが、寒邪が入り込んでうなじからゾクゾクした寒気があり、
肩から首の筋肉が冷えて縮むことで起こるような肩こりや頭痛には非常によく聞きますが、
例えばストレスから来る肩こりや頭痛、
PCやスマホを使うことで、同じ姿勢で動かさなくて筋肉がこわばって起こる肩こりや頭痛、何かしらの作業で肩周辺を使いすぎて起こる肩こりなどにはほとんど効果がないのはのそのためです。
次回も葛根湯についてお届けいたします。
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