肺・大腸・鼻が秋に弱る?中医学的秋の養生法
◇季節の変化に強い人・弱い人・その違いのポイントとは?
朝晩すっかり山梨県内も涼しくなり
『やっと暑い夏が終わった・・・』
と安心している方も多いと思いますが、過ごしやすい秋ですがここ数年『秋バテ』と言われる不調に悩んでいる方が非常に増えております。
特に山梨県はその気候や地域性から秋バテしやすい方が非常に多いと感じます。
暑い夏の『夏バテ』
ジメジメの季節の『梅雨ダル(梅雨バテ)』
春先の不調『春バテ』
など、〇〇バテ、という言葉が多用されているのでなんとなく『なんだ、1年中バテているじゃないか』と思ってしまいますが、季節の変わり目に不調が起こりやすい人
暑い時期が苦手な人
寒い時期がダメな人
何が苦手なのかは人それぞれですよね。
もちろん、暑くても、寒くても、春でも秋でも梅雨でも元気でいられることが一番なのですが、季節の変化に強い人、弱い人、その違いってどこから来るのでしょうか?
◇ひとつ前の季節に無理した人は季節の変化に弱い
中医学の基礎となる書物『黄帝内経』には季節の養生としてこのような事が書かれています。
・春の養生をしないと春によく働く『肝』が痛み、夏になって寒性の病となる
・夏の養生をしないと夏によく働く『心』が痛み、秋になって瘧(おこり)となる
※瘧(おこり)とは・・・悪寒、発熱が、1日毎、または毎日同じ間隔でおこる病気。マラリア性の熱病と考えられています。
・秋の養生をしないと秋によく働く『肺』が痛み、冬になって下痢気味になる
・冬の養生をしないと冬によく働く『腎』が痛み、春になって足がしびれて腰が曲がる病気になる
と書かれています。
要するに、夏元気だったからと言ってカラダを養生しないと夏は良いけれど、次の季節の秋に不調が起こり、同じことがどの季節でも言える、といことです。
なので、毎年秋に調子が悪い方は夏の過ごし方、冬に調子が悪い方は秋の過ごし方、ひとつ前の季節で元気だからと不養生せずにしっかり養生することが大切です。
中医学的には秋は『燥邪』と言って、空気が乾燥し始めるので、カラダを病気にする邪気の中では乾燥の『燥邪』に注意が必要な時期と言われていますが
夏にガンガン汗をかいて、カラダの潤いを消耗しているのに、ちゃんと補っておかないとカラダがカラカラになって乾燥してくる秋に調子を崩してしまいますよね。
どの季節もそうですが、ひとつ前の季節の過ごし方をぜひ気をつけてほしいと思います。
◇体温調節機能&自律神経が乱れている方も季節の変化に弱い
そして、季節の変化に弱い人の特徴の2つ目は体温調節機能と自律神経が乱れ気味の方です。
体温調節機能、なんて言うと随分難しい感じがするかもしれませんが、簡単に言えば『暑い夏の時期に適度に汗をかいていましたか?』ということです。
暑い夏は適度に汗をかいて体温を調節します。
この働きが低下していると体温を上手に下げれなくなったり、寒い冬にカラダを温める力が低下してしまいます。
夏は適度な発汗、冬は適切な冷え対策をすることが大切ですが、それが上手くできないと体温調節が上手くいかずに季節の変わり目に体調を崩しやすくなります。
自律神経の弱りですが、今の日本は子供から大人までゲームやスマホ、テレビ等で夜ふかしをしている方が多く慢性的な睡眠不足の方がかなり多くいます。
睡眠が不足していれば当然脳が休まらないので、カラダをコントロールしてくれる自律神経の乱れに繋がります。
特に夏はお盆休み、子どもたちは夏休みがあり生活リズムが乱れがち。
睡眠不足での体力低下に加えて
不規則な生活で体内時計も乱れてしまい、それでなくても秋は気温変化や気圧変化が激しいため自律神経に負荷がかかり秋バテが増えてしまうのだと思います。
◇秋バテの原因とは?
季節の変化に弱い人は秋バテになりやすい、ということで季節の変化に弱い人はどんな人なのか?についてご紹介をしましたが、ここからは秋バテの原因です。
先程も『ひとつ前の季節の過ごし方が大事』とお伝えしたように
秋バテの大きな原因は夏の過ごし方です。
近年の猛暑による過度の冷房
暑さからくる冷たい飲食の増加により胃腸が冷えて働きが低下し、胃腸の血流も悪くなります。
胃腸が疲れてエネルギー補給が上手くいかない、さらに暑さで体力を消耗している
そこに熱帯夜で夏の間は寝不足の方が多く、慢性的な疲労感が取れなくなります。
そして秋に入り急激な温度変化、気圧変化、天候変化により自律神経が乱れてしまいカラダの様々な場所で不調が起こるのです。
っと、ここまでは全国どこでも起こりうる原因なのですが、山梨県の方はここに山梨独特の秋バテの原因が加わります。
それが『燃え尽き症候群』
による心身の疲労です。
☆秋に入り山梨で増える『燃え尽き症候群』とは?
秋バテの原因をまとめると
・夏の冷たい飲食や冷房による血行不良&胃腸機能低下
・夏の疲れの蓄積
・気候変動による自律神経の乱れ
これだけ揃えは様々な不調が秋バテとして起こっても不思議はありませんよね。
そこに山梨県の場合は地域独特のカラダへの負荷が加わります。
まずは盆地特有の寒暖差で、他の地域に比べると朝晩と日中の気温差が激しく、自律神経の負荷が増えてしまいます。
そこに山梨県の基幹産業である果樹栽培の忙しさのピークは初夏から初秋にかけて。桃、そして人気のシャインマスカットなどはまさに今が旬で、忙しさもピークだと思いますが、ピークが忙しければ忙しいほど、その時はアドレナリンが出ておりあまり疲れを感じませんが、一段落ついて
『ホッ』
っとした時に疲れが顔を出します。
それがちょうど秋の時期。
桃やブドウの栽培が一段落したタイミングでちょうど気温の変化や、気候変化も激しくなるので、自律神経も、体調も他の地域に比べると負荷が多くなります。
また、果樹栽培と同じぐらい山梨県を支えている産業が観光です。
コロナ禍でまだまだ客足は鈍いですが、それでも今年は宣言が出てない久しぶりの夏休みということで、僕の地元の石和温泉はもちろんですが、富士山周辺、八ヶ岳周辺などを中心に多くの観光客で賑わい、2年ぶりの忙しさを経験された方も多いと思います。
9月の連休も控えているので、気をつけたいのが連休明けの10月。
本格的な秋に入って様々な疲れが出ないためにも山梨県民は特に秋バテ対策が必要だと思います。
☆胃腸トラブルに気をつけよう
そんな秋バテで特に注意したいのが胃腸の弱りです。
◇体の中心は『胃腸』
冷たい飲食による胃腸の弱りは様々な不調を引き起こします。
中医学的な考えでは
『脾』
と言われる食べたものを消化する場所が弱り、食べた物から作られる『気血』という元気と血液のような物がしっかり作れなくなると様々なカラダの不調が起こると考えます。
僕も漢方相談をしていてすごく感じることは、当たり前ですがやっぱり胃腸が弱い人はカラダも弱い、病気になりやすい、治りにくい、ということです。
逆にモリモリ元気に食事が取れている人は気力も体力もあるので、しっかり食べて、しっかり消化してカラダの元気を作ることができる胃腸でいることは秋バテ対策はもちろんですが、すべての基本だと言えます。
近年、秋バテが増えている原因は日本人の胃腸が弱っていること、冷たいものを取りすぎていることも大きいと思います。
そんな胃腸の弱りから、激しい気候変動という動物的なストレス、さらに現代人ならではですが秋は春同様様々な環境変化が多い時期なので精神的なストレスも加わるので中医学で言うところの
『気の巡り』
が低下して気滞と言われるメンタルや自律神経の不調が起こりやすい状態になってしまいます。
気候変動による自律神経の弱りに、精神的な負荷、肉体的な負荷がかかってしまえば自律神経だって当然乱れてしまいます。
次回も秋バテについて
秋バテ予防などを中心にお届け致します。
◆お知らせ◆
☆漢方相談のご予約はこちらから(オンライン予約サイト)
https://reserva.be/sawatayakampo
☆『秋を快適に過ごす漢方的養生法』オンライン漢方セミナー&動画配信☆
9月のオンライン漢方セミナーのテーマは『秋を快適に過ごす漢方的養生法』です。
最近話題の『秋バテ』など秋独特の不調対策はもちろん、漢方や健康、美容に興味がある方はぜひご参加ください〜
開催日時:9月28日(水)20時〜
参加費:1000円(税込)
※お申し込みの方は動画配信にて開催日以外でもご覧いただけます。
詳しくは申込み専用noteか専用HPを御覧ください。
◇セミナー申込み用noteはこちらから(月額500円のnoteマガジンメンバーにご登録いただくとセミナー料金が無料に!)
https://note.com/sawataya/n/n0c7c7718c54b
◇セミナー申し込み専用HPはこちらから
https://sawataya.official.ec/items/66238026
☆Podcast番組『コータの漢方RADIO』・Twitter&Instagram・さわたや薬房HP・養生茶オンラインストアなど早川コータが提供する各種コンテンツのリンクはこちらから
↓
https://lit.link/kotahayakawa