自律神経が乱れやすい山梨県民は特に注意!不眠対策は『がんばらない』『努力しない』【山梨 漢方 さわたや薬房】
寝苦しい夏、行きていく上で食べること以上にある意味大切な睡眠、しっかり皆さん取れていますか?
日本人は世界的にみても睡眠の質、時間など非常に悪い方が多く【不眠大国】と言っても過言でないぐらい、睡眠導入剤、安定剤の処方数が増加しています。今や5人に一人が睡眠に問題を抱えていると言われています。
前回は睡眠の大切さを改めてお伝えしましたが、今回は睡眠が妨げられる原因を見てみましょう。
どんな問題解決も原因をはっきりさせないとその場しのぎになってしまいます。特に睡眠については『なぜ良い睡眠が取れないのか?』ということを体調面、心理面、環境面から考えることが大切です。
☆睡眠を妨げる原因とは?
不眠と言っても原因は様々です。当然その原因により対処法が異なります。ここでは代表的な不眠の原因を見てみましょう。まずは西洋医学的な見方です。
◇西洋医学的な不眠の原因
・身体的原因・・・痛みや痒み、加齢などの身体的な原因で眠れない
・生理的原因・・・海外旅行の時差ボケ、深夜勤務等によるもの
・心理的原因・・・仕事や人間関係が気になって眠れない。悩みや怒りなど。
・精神医学的原因・・・ノイローゼ、うつ病など心の病気が原因となって眠れない。
・薬理学的原因・・・コーヒーや緑茶に含まれているカフェインの作用や医薬品の副作用などで睡眠リズムを崩してしまう。
◇中医学的(漢方的)不眠の原因
・女性に多い血虚(血液不足)タイプ
中医学では血が不足すると精神が休まらずに不眠の症状が出ると考えます。眠りが浅くなったり、不安感や動悸、めまい、物忘れなどの症状も見られます。血を補う漢方薬を使ったり、血液のもとになるタンパク質が豊富な卵や肉類などを積極的に取るようにしましょう。
・ストレス過多の気鬱(きうつ)タイプ
中医学では『喜・怒・憂・思・悲・恐・驚』の7つの感情にわけて考えますが、これらの感情が過度に続くとカラダに悪影響が出ると考えます。生活の中で『憂鬱』『怒り』『悩み』『悲しみ』このような感情が高ぶる環境にあって睡眠のバランスが悪くなっている方はこのタイプかもしれません。気の巡りを良くする漢方薬や、香りの良いハーブや薬草、薬味のような食材をしっかり取ると良いでしょう。
これ以外にも、慢性病や更年期などでホルモンバランス(中医学では腎の弱り)が乱れて眠れなくなったり、食べ過ぎや飲み過ぎ、体質的に胃腸が弱くて食べ物が胃に長く停滞して胃が重く、ムカムカして寝れなくなるなどが中医学では代表的な不眠の原因と考えています。
西洋医学、東洋医学の両面から原因の一部をご紹介しましたが、西洋医学での治療は原因に関係なく、とりあえずは眠れるように不眠症の症状に応じて薬が処方されます。
それに対して漢方薬では原因の方を重要視します。
『どうして眠れなくなったのか?』
『正常な睡眠が取れなくなったのはカラダの弱りなのか?流れを妨げる邪魔な物が体にあるからなのか?』
などを考えて漢方処方を考えます。どちらが良いとか悪いではなく、考え方の違いだと思いますからどちらを選ぶかは皆さんの考え方次第だと思います。最終的には良い睡眠が取れて、毎日を元気に生活することが一番の目的なのですから。
意外と盲点?睡眠の環境も大切
西洋医学的、東洋医学的に原因を見てきましたが、もっとシンプルに、睡眠の環境が悪くて寝れない方もいます。
当然、うるさくて眠れない、などはありますが、室温もとっても大切です。今年の猛暑で普段は寝る時はエアコンを使わない方も今年は流石に使い始めたからも多いのでは無いでしょうか?
人間は体温が下がると眠気を感じます。雪山で遭難して『寝るな!寝ると死ぬぞ!』と起こすのは、寝てしまうと体温が下がって凍死するからです。
裏返すと、体温が下がってくると人は眠気を感じると言っても良いでしょう。部屋があつすぎたり、冷え性の方が逆に温めすぎて眠れなくなることは意外と多くあります。
睡眠の質が悪い方はぜひ一度、自分の睡眠環境も見直してみてはどうでしょうか?
不眠には、寝付きが悪い入眠障害、眠りが浅い熟眠障害や、途中覚醒、早朝覚醒など、いくつかのパターンがあります。
また、不眠の持続期間によって一過性不眠(数日間)、短期不眠(1~3週間程度)、長期不眠(1カ月以上)と分けることもあります。
こうした不眠のパターンにくわえて、他の精神症状(たとえば不安など)や身体の病気の有無、年齢、服用中の薬剤などを考慮して、改善していくことが大切です。
次回も睡眠についてお届けします。
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