女性の尿トラブル原因の上位「過活動膀胱」とは?【山梨 漢方 さわたや薬局】
新年は誰もが悩む「オシッコトラブル」について
今年最初の健康コラムは年末年始に酷使する腎臓、そして膀胱の弱りのサインである「オシッコトラブル」について取り上げます。
まずは改めて尿について考えてみましょう。
尿は体内の余った水分や不要な老廃物で、腎臓でろ過されて膀胱に溜められます。
膀胱は伸び縮みできる器官で、300~500mL程度溜めることができます。普段は尿道括約筋が収縮しているので、尿が勝手に外に出ることはありません。
膀胱が尿でいっぱいになると、その刺激は脳に伝えられ、膀胱を収縮し尿道括約筋を緩めることで尿が排泄されます。
ところが、加齢などの影響で尿道括約筋が緩んでしまったり、ホルモンバランスの変化などで、脳が聞違った命令を出すようになったりすると、尿を止めておくことができずに、意思に反して尿漏れを起こすことがあります。
また、脳ヘの排尿信号が過敏になり、尿が少ししか溜まってないのに尿意をもよおし,卜イレに行きたくなったり、尿に関するホルモンが上手く分泌できずに、尿の量をコントロールできなくなることも要因のひとつです。
これら、様々な要因が絡み合い、頻尿や残尿感、軽い尿漏れ、夜間尿などが起こります。特に加齢によって、蓄尿~排尿機能の低下を感じることが多くあります。
尿トラブルが起こる仕組みを簡単に見たあとで、具体的な尿トラブルについて見てみましょう。
女性にオシッコトラブル「膀胱炎」
まず最初は女性の方の多くが悩み、慢性化した方などは僕のところにも漢方相談が多い症状の一つでもある「膀胱炎」です。
膀胱炎は、尿道から大腸菌などの細菌が侵入することで起こります。慢性的な膀胱炎は漢方相談でも非常に多い症状の一つです。
とくに女性に多く見られます。これは、尿道の長さに差があるためで、男性は尿道が長く(16~18cm)、女性は短い(3~4cm)ので、女性は構造的に、尿道から大腸菌などの細菌が侵入しやすいことが原因であるといわれています。
通常、膀胱は尿によって定期的に洗い流されるので、細菌などが入ってもすぐに外に出され、感染しないようになっています。
しかし、冷えやストレスなどで免疫力が落ちているときや、トイレに行くのをがまんし過ぎて長時間尿が出されず、膀胱内に長時間細菌がとどまってしまったときなどは、細菌感染により炎症が起こってしまいます。
膀胱に炎症が起こると、その炎症による刺激が、排尿のサインとして間違って脳に伝わってしまい、頻繁にトイレに行きたくなったり、出し切っていない感じがしたりします。また、炎症によって排尿のあとの痛みが起こるほか、炎症によって膀胱内の粘膜からもれた組織液が尿に混じり、尿がにごります。ひどくなると、血尿になることもあります。
(参考文献:クラシエ薬品HPより)
次回も具体的なオシッコトラブルについてお届けします。
オシッコトラブルと関係深い「冷え性」対策コラムはこちらから
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