早川の~漢方健美講座~「上手な水分のとり方」~
今回は女性にオススメの生薬として「芍薬(しゃくやく)」をご紹介したいと思います。
芍薬は昔から中国の人々にも日本の人々にも親しまれてきました。
中国の春秋戦国時代に屈原が著した『詩経』という最古の詩集にも男女の別れに再会を約束して送られる植物としてその名が見られました。
日本でも芍薬を『顔佳草(かおよぐさ)』と言い、きれいな花を意味する六妍(ろくけん)の一員に数え上げています。
『立てば芍薬・・・』
のたとえもあり、各地で薬用、または観賞用として栽培されています。薬用につかうのは根の部分です。
芍薬は『白芍』と『赤芍』の2種類に分けられます。
赤芍は芍薬の根を皮をむいて乾燥させたものです。
白芍薬は『血に栄養を与える働き』があり、月経困難、生理不順、おりもの、立ちくらみなどに使われます。
また、主成分の『ペオニフロリン』は鎮痛・鎮静・抗けいれんなどの作用があり、生理痛・腹痛・胃痛・頭痛・こむら返り・手足の痙攣による疼痛に良く効きます。
当帰、川きゅう、地黄、阿膠(ロバから取ったにかわ・コラーゲン)などと一緒に配合させた『当帰養血膏(とうきようけつこう)』は中国女性に大変人気があります。
白芍中心とする薬は婦人薬としてよく使われる『四物湯』や『十全大補湯』などがあります。
芍薬は『血(けつ)』の熱をとるお薬です。血の調整と貯蔵は『肝』が行っています。
中医学では血の調整と貯蔵は『肝』が行うと考えています。『肝血』がよく流れると生理が順調に来て、顔もツヤツヤし、爪も輝き、お肌もつるつるにします。芍薬にはその『肝血』を回復する働きがあるとされており、血液を栄養たっぷりにしてくれる手助けをしてくれるといわれています。
「肝」についてはマイベストプロ山梨内の私のコラムでご紹介しておりますので、ぜひ一度御覧ください。
次回も「芍薬」についてご紹介したいと思います。