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伊東久(いとうひさし) / 経営コンサルタント

株式会社おもてなし経営研究所

コラム

進化系コミュニケーション研修~相互信頼の本質~

2020年9月2日 公開 / 2021年2月4日更新

テーマ:コンサルティングと研修の現場から

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 人材育成 研修企業研修組織マネジメント

 仕事の現場で「もうこんなに時間が経っているのに、まだできないのか?」という言葉を聞くことがあります。私はその方に「そういう人を育てたのは誰ですか?」と質問します。仕事に時間を要してしまう技量や、時間が経っているのに報告をしない気配りはどう教えていたのでしょうか?上司と部下の心の距離が遠いほどこんな発言が多く出てしまうようです。

 挨拶から始まり、傾聴や伝え方のテクニックはコミュニケーションの基本として知る機会は多くあるでしょう。今回は、コミュニケーションの中でも「相互信頼の本質」について、昨日開催した研修現場でのレポートも合わせてお伝えします。

復唱と共感の効果

 コミュニケーションの研修では、必ずといっていいほど「復唱と共感」という言葉が出てきます。この言葉、わかっているようで実はあまり使われていないことが多いです。特に、仕事上の会話のときは極端に減少します。その理由は、職場内や対人でのコミュニケーション不足が関係しています。いわゆる、相互信頼があまりされていなく、指示・命令の会話が優先しているからです。なぜ今この指示なのか、役割やゴールなどが不明確のまま仕事が割り当てられると、「はい」だけの返事になってしまうからです。なので、「復唱と共感」も使う必要がなくなっていくわけです。

 ではどうしたらいいか?

 指示・命令には、「目的はね、」や「どう、いけそう?」「やり方はどうしたらいいだろう?」という言葉をつけて、相手の理解度を確認しながらお願いをしていきます。すると、「なるほど、それは面白いですね」や「〇〇ですか、厳しそうですが明日までにはやってみます」という返答が返ってきます。これが「復唱と共感」です。指示の出す側が上手く相手の復唱や共感を引き出すことが必要なのです。これがまず相互信頼の始まりです。

 実際の研修では、これに相当する会話事例を多く練習しながら進めます。今回の研修では「もうこんなに時間が経っているのに、まだできないのか?」という言葉を、相手の復唱・共感を引き出すにはどう変えたらいいかという事例を出しました。この質問だと、「すみませんすぐやります」という答えしか返ってこないので、双方の溝は開いたままです。正しい答えは「3日経過したが、何か上手くいかないところはありますか?」と質問します。するとどうでしょう、いろいろと考えて伝えようとします。これが溝を少し縮めていきます。

質問の効果

 あるセレブな女優さんに「お綺麗ですね!」と声をかけると、あまりいい顔しないそうです。言われ慣れているからです。要は、外見だけでありきたりのお褒め言葉は通用しないのです。実はこのケース、実際の職場でもよく起こっています。「頑張っているね!」と声をかける場面がそうです。それを言われた方は内心、「何を見て言っているんだろう」となるわけです。先ほどの女優さんと同じですね。これだとせっかくの復唱・共感を使ってコミュニケーションを取っても、最後に台無しになってしまいます。

では何をするか?

 質問をするのです。女優さんに「その目元のお化粧はとても映えていますね、何かコツはあるのですか?」と質問します。すると「これはね・・・」といって快く話を始めます。そのあとに「素敵です!」と褒めると「ありがとう」という言葉が返ってきます。これが、質問が生んだ褒め言葉です。仕事の現場では、「よくできたね、何か苦労はありましたか?」と質問します。すると「実は・・・」と返ってきます。

 研修では、「復唱+共感+質問+褒める」という順番に、本質的に相手のことに興味をもって褒める会話練習をします。進化系のコミュニケーションとは、相手との距離を縮め相互信頼を勝ち取ることです。そのための手法を多くの事例を挙げながら練習をしていきます。

尊重と対等

 過去ですが、ビジネスの現場で商談をしていました。相手は大手の社長さんです。こちらは課長クラスで年の差は30歳くらいでしょうか、引け目を感じます。しかし話始めると、その社長さんはとても礼儀正しく、丁寧な敬語を使いながら、まるで立場が逆転したような低姿勢でした。なにかすごく話やすく、いろいろな意見を出すことができました。あとから思ったのですが、復唱と共感を多く使い、丁寧に質問を投げかけながらお褒めの言葉を多く使っていました。この社長さん、私を尊重してくれたのです。そして対等に接してくれたのです。
 
 私はビジネスマナーの原点はここにあると思っています。相手を尊重し対等に接すること。これこそが相手の意見を引き出し、相互信頼につながることだと思っています。

 進化系コミュニケーション研修は、こういった尊重と対等を軸にいろいろな会話事例を挙げながら、その必要性を学び体感します。昨日行われた研修では、「上司・部下という関係ではなく、お互いが尊重と対等を意識して、その輪を広げていく影響力を発揮してください」と、管理職を目指す若手に伝えました。

 このように、私どもでは相互信頼を勝ち取るための本質的なコミュニケーション研修を行っています。是非こちらからお問い合わせください。⇒おもてなし経営クリエイション・アカデミー

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