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井上昇哉

子どもたちの思考力を高め、未来の選択肢を広げるプロ

井上昇哉(いのうえしょうや) / 塾講師

学習塾「与一」/合同会社 あたまをたがやす

コラム

集中できる勉強法とは?-“ポモドーロ”とその先へ

2022年10月27日

テーマ:教育 受験 進路

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 高校受験 勉強法大学受験 対策

こんにちは。与一の井上です。

「勉強しなさい」と言われ、やる気の出ない人。
前回のコラムでこうした人についてお話をしました。

今回は「勉強をする気はあるし、実際し始めるんだけど、どうも集中できない」
「勉強しようと計画をしても、いつも計画通りに進まない」
そうした人に向けて、お勧めの勉強方法についてお話をさせて頂きます。

“ポモドーロ(テクニック)”とは

知っている人にとっては「何をいまさら」と思うくらい有名な方法です。
少し前から勉強だけでなく仕事の効率化のために導入され始め、その方法が既に一般化している所もあるようです。

その方法とは“ポモドーロ(テクニック)”と呼ばれる時間管理術です。
1つのタスクを細かく分割し、その1つ1つを短時間で終わらせ、次のタスクに向けて定期的に休憩をする。このような取り組み方です。

勉強における具体的な実施方法は次の通りです。
①その日に終わらせたい勉強内容を教科や単元ごとに細かく分割する(25分で終わりそうにない内容は複数に分ける)
②分割した内容を終わらせたいもの順に優先順位を付ける
③〈25分の作業時間+5分の休憩時間〉で1セット(これを1ポモドーロと呼びます)とし、優先順位の高い順に勉強を進めていく(分割した1つの内容は続けて行う)
④4セット、つまり2時間ごとに15分程度の長めの休憩を取る

このように進めていきます。

“ポモドーロ(テクニック)”のメリット

この方法には大きく分けて3つのメリットがあります。それは“集中力の持続”“作業の効率化”そして“計画作成・実行力の育成”です。

まず“集中力の持続”これはわかりやすいですね。
そもそも人間の集中力は続いても50分、その間でも最高の集中力は15分程度しか持続せず、上下すると言われています。
だから「今から2時間勉強しよう」とやる気をもって始めても、途中で集中力が切れてしまうのは仕方のないことだと言えます。
しかしこの方法を使えば、1つのタスクを25分という短い時間で行うこと、また終わりが明確に見えることによって集中力が切れにくくなります。
さらに1ポモドーロごとに5分の休憩を挟むことも集中力の持続に寄与します。
定期的に休憩を挟むことで気持ちをリフレッシュできることは言うまでもありませんが、その長さが5分と短いことが肝です。
「ちょっと休憩」と言ってスマホを触る人は決して少なくないと思いますが、これが勉強には大敵なのは、言うまでもないでしょう。
「少しだけ」だと思っても、一度スマホを見てスイッチが切り替わってしまうと、それをまた勉強にスイッチを切り替えるのは自分が思う以上に大変なのです。
ですがこの方法のように休憩時間が5分しかなければ、スマホを触ったり、ましてや動画を観たりなどする時間はほぼないでしょう。
その代わりに、トイレに行く・飲み物を飲む・ストレッチをする、などにこの休憩時間を活用するのが、リフレッシュして勉強を再開するのに理想的ですね。

次に“作業の効率化”このメリットも見逃せません。
勉強は長々続くとどうしてもだらけてしまいがちですが、「25分でこれをやる」と決めれば、だらだらしている暇などありません。
集中して取り組むことは言うまでもなく、さらに「計算などを早く正確にできるようになる」「より効率の良い解き方を考えるようになる」という効果も期待できるでしょう。
「テストになるといつも時間が足りなくて…」こういつも悩んでいる人の改善にもつながるかもしれません。

最後に“計画作成・実行力の育成”これが最大のメリットだと言えます。
1ポモドーロ=25分というのは決して長い時間ではありません。
その時間内で一体自分は何ができるのか、また例えばその日4ポモドーロ行うとすれば、どれだけの内容ができるのか、しっかり考えてから勉強を始められるようになるでしょう。
それを通して自分の力を再確認し、それに応じて最適な計画を立てる力が養われます
また「昨日は計画通りにいかなかったから、今日はこうしてみよう」と1日だけではなく、昨日または明日のことを考えながら勉強する癖がつきます。
この力は受験は勿論、その後の生活にも欠かせないものとなります。

いかがでしょうか。これら大きなメリットを考えると、やって損はないと思いませんか?
実際に「やってみよう」と思うのであれば自分でタイマー・スマホによって時間を計っても良いですが、今ではこのポモドーロ用のアプリも結構あるようです。
勉強を少しでも上手にしていくために、こうしたものを積極的に活用するのも良いかもしれませんね。

“ポモドーロ”で終わらない、一歩先へ

この方法は、全ての人に有効なのでしょうか?
“ポモドーロ(テクニック)”が全ての人に有用ではない、そう言う意見も少なからずあります。
個人個人で集中できる長さが異なるから、そうした主張がその理由です。

個人的な意見としては、この方法は非常に効果的だと思います。
でも「僕は一度勉強し始めたら、いちいち25分で止めたくない」そう言う人もいるかもしれません。
それなら大丈夫。自分に合った長さで勉強を続けて下さい。

正解は何なのか。この方法を勉強方法のゴールではなくスタートとすることです。
最初に言ったように、この方法はあくまで「勉強する気はあるけど、集中できない」人のためのものです。
よって既に自分なりの勉強方法を確立できている人が、それを変えてこの方法にする必要はありません。

反対にまだ確立できていないためこれを導入してみた人。
間違いなくそれ以前よりも勉強を効率よく進められるようになっている筈です。
ですが繰り返しますがそれはゴールではありません。
「いつもいいところで25分のタイマーが鳴ってしまう」「私は25分でさえ集中できない」続けるうちにこう思うようになるかもしれません。
じゃあ自分なりのルールに変えてしまいましょう。
〈25分+5分〉から〈30分+5分〉へ、または〈20分+3分〉へ。

そう、大事なのはこの方法を通して自分を知り、それに応じ柔軟に対応することなのです。

小中高生のみんなにとっては、親や先生、または先輩など周りの人から色々なアドバイスをされることがあるでしょう。
それを全く聞かない、自分のやり方を曲げない。これは愚策です。
少なくともそれらの人たちは、みんなにはない経験を持っています。その経験に基づいた成功の秘訣を無視するのはあまりにも勿体ありません。

ですがそれと同じくらい、盲目的にそれらのことばを鵜呑みにすることも間違っています。
人にはそれぞれ個性があり、他人の成功体験が100%自分に当てはまることなど滅多にありません。

まずは自分を良く知ること。そして周りの人の話をきちんと聞いて自分の中でしっかり消化すること。 そしてその中で自分にあったやり方に応用していくこと
これが勉強だけでなく、今後直面する様々な課題を乗り越える秘訣である。私はそう思います。

この記事を書いたプロ

井上昇哉

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井上昇哉(学習塾「与一」/合同会社 あたまをたがやす)

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