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コラム

免疫介在性壊死性筋症(ミオパチー)が漢方で軽快

2024年2月1日

テーマ:漢方

コラムカテゴリ:医療・病院

2023年11月中旬に、こちらのコラムで抗SRP抗体陽性筋症の女児の改善例をご覧になった方で、病院で免疫介在性壊死性筋症と診断された40歳代の男性が川口漢方薬局にご相談に訪れました。

2024年2月初旬現在、約3ヶ月の漢方服用で階段の上り降りが楽になり、病気に罹患してから痩せてしまった太ももの筋肉が付き、病気になる前に近い状態に戻りつつあります。漢方薬を服用直前のCK値は3100であったが、1ヶ月の服用で2800にまで減少していて血液検査の数値も良好になってきています。

御本人がおっしゃるには、3週間程度漢方薬を服用した頃から階段の上り降りが楽になるのがわかり、2ヶ月服用した時点で痩せた筋肉が戻りつつあるのがわかってきた。3ヶ月目には減った体重が戻り3Kg体重が増加し、明らかに筋肉に力が付いてきていると。この様子であれば、悪化して歩けなくなるような事は無いでしょう。

免疫介在性壊死性筋症は、筋肉が壊死して力が入らなくなり歩けなくなったり、物を持てなくなったり、食べ物を飲み込むのが大変になったりする病気であるが、患者さんの数は少ないです。西洋医学的には、抗SRP抗体陽性、抗HMGCR抗体陽性、この2つのどちらでもない血清反応陰性の3つのタイプに分けられます。いずれも治療としては副腎皮質ホルモン剤と免疫抑制剤を併用するが、タイプによってどのような免疫抑制剤を併用するのかが異なってくるので、どのタイプなのかの鑑別は西洋医学的には重要です。

この病気に対して、私の知る限り総合病院の漢方科でも大学病院の漢方科でも漢方薬での治験例の報告がないです。しかし、適切に弁証して状態に合った漢方薬を続ければ、かなり早期に状況が良くなるのがわかります。抗SRP抗体陽性筋症の女児とは年齢性別も異なるし体質がかなり違っているので、同じ漢方薬をのんでいただいたわけではないので、これさえ飲めば、というわけではないので具体的な処方は書かないでおきます。

東洋医学では、西洋医学的に同じ病気であっても体質や症状など状況が異なれば違った漢方薬が適合します。これを同病異治といいます。免疫介在性壊死性筋症の方が10人いらっしゃったとすれば、場合によっては10人とも異なる漢方薬が適合する可能性があります。また、西洋医学の治療では抗SRP抗体陽性、抗HMGCR抗体陽性、この2つのどちらでもない血清反応陰性の3つのタイプによって治療薬が変わってきますが、東洋医学的にはこの3つの鑑別は重要ではありません。

実際、この男性は免疫介在性壊死性筋症と診断されたものの、どのタイプなのかはまだ不明です。病院では副腎皮質ホルモン剤と免疫抑制剤を併用する治療を提案され、実際に西洋医学的な治療を開始する前に詳しい血液検査をするはずでした。しかし、これまでの経過をみると、今のところ副腎皮質ホルモン剤と免疫抑制剤の併用療法はやらなくて良さそうです。

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