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高校受験の勉強法【英語編】これだけは覚えておきたい文法、長文、単語とは?

2022年6月17日

コラムカテゴリ:スクール・習い事

高校受験を前にして、英語ではどのような勉強法ですすめていくことで内申点や試験での得点を得ることができるのでしょうか?長文読解、英作文、単語、英文法などについてそれぞれ、暗記及び勉強のポイントなどについてご紹介します。


昨今の高校受験における英語の傾向

高校入試における英語の問題は、主にリスニング、英作文、英文法・語彙、長文読解によって構成されています。都道府県により多少の差はありますが、大問は5題、全体で30問程度です。

第1問はリスニング問題、第2問は適語選択問題、適語補充問題、並べかえ問題、第3〜4問は長文総合問題、第5問は英作文といった構成となる場合が多いです。

出題傾向

基本的な問題から中難度の問題です。細かい知識を必要とするものや、極端に難しい出題はほぼありません。

中学1年、2年生の内容を中心に3年間で習う文法項目がまんべんなく出されます。動詞の用法や疑問詞、不定詞などがよく出題されています。

3年の内容は、現在完了が何らかの形で毎年のように出題されるほか、関係代名詞や受け身の出題も多い傾向です。

大分県公立高校の英語試験

令和3年(2021年)度の大分県公立高校受験は、大問5題で出題されました。大問1はリスニング、大問2~5は長文です。

資料の読み取りや対話長文、読解など、長文形式のいろいろな問題となっています。長文の内容を読まなくても解ける文法レベルも3~4割ありました。文法、単語といった基本をかためることや、自分が知っている単語、表現で文を作る練習をしておきましょう。

学習指導要領の改訂が高校受験にも影響

また学習指導要領の改訂によって英語の学びは大きく変わり、2021年度から中学校の授業は英語で行うことが基本となりました。

高校では2022年度から、ディスカッションなどを行って発信力を強化する「倫理・表現」など、新しい科目を学びます。

すでに、こうした英語学習の変化が高校入試に影響しているようです。大阪府教育委員会は2017年春の府立高入試から、難易度別に3種類ある試験問題のうち、最も難しい問題の設問を英語で表記しています。

リスニングとライティングの配点は半数を超えています。「聞く」「読む」「話す」「書く」という4技能のバランスよい学習につなげるため、読解問題では1分間に読む語数を2.7倍に増やしました。

東京都教育委員会では民間事業者と共同で、2022年11月に公立中学校3年生全員を対象にスピーキングテストを実施し、その結果を都立高の入試に反映させる予定です。スピーキングテストでは専用のタブレット端末やイヤホンマイク、イヤーマフを使い、生徒の解答を録音して採点します。

昨年行ったプレテストでは、英文を声に出して読む問題や、4つの絵に描かれていることをストーリーにして、英語でわかりやすく伝える問題などが出題されました。

今後の高校受験では特に「話す力」が試す傾向が強まると予想されます。

英語の勉強法

入試の英語問題は、主にリスニング、英作文、英文法・語彙、長文読解で構成されています。すべての項目に対応するためには、①英単語②英文法③長文読解④リスニングを、適切な順序と学習法で進めることが大切です。

1.英単語を覚えるための勉強法

文部科学省が作成した学習指導要領によると、中学校の3年間で覚えるべき語彙はおよそ1600 ~ 1800語。ここで言う語彙とは、英単語、連語、慣用表現を指していて、高校受験のためには、2000~2500程度の語彙が必要です。

これを英検に照らし合わせた場合、3級~準2級に該当し、中学卒業程度から高校中級程度のレベルが求められます。

英単語を短期間に効率よく覚える方法を紹介します。

【単語カードを活用する勉強法】
単語カードは50語くらいを一つの単位として、表に日本語、裏に英語を書いて使用します。

まずは日本語の意味を見て、英単語が完璧に言えるようになるまで繰り返します。1語あたりの確認にかける時間の目安は2~3秒です。ようやく思い出せる程度では、まだ身についているとは言えません。1語あたり3秒で言えれば50の単語を3分以内に終わらせることができます。

また、英単語から日本語の意味を確認することも忘れないようにしましょう。日本語を見て英単語が言えるようになったら、実際に英単語のスペルを書いてみましょう。単語カードを1周するごとに、覚えたと確信できる単語は外していきましょう。そうすることで覚えにくい単語が残り、自然と反復学習になります。

【派生語や類義語を一緒に覚える勉強法】
わからない単語が出てきたとき、最初にするべきことは「辞書を引く」です。単語を辞書で調べると、派生語や類義語が出てきます。英単語を覚えるときに、同じ意味の単語を関連付けて覚える癖をつけ、複数の英単語を一気に覚えるようにすると、効率がよくなります。

さらに、辞書には例文が記載されているので、調べた英単語がどのように使われるのかを一緒に学ぶことができます。

【声に出して覚える勉強法】
英単語を声に出してみると、視覚と聴覚を使って覚えるので暗記のスピードアップにつながります。単語の音を知ることで、リスニング効果も上がります。発声が難しい環境の場合は、頭の中で発音しましょう。

発音記号を見ても発音がわからない単語については、インターネット検索か、音声機能付きの辞書で確認しましょう。

2.英文法を理解する

小学校の英語授業に比べ、中学校では苦手意識を持ち始める人も多いようです。
「小学生の時は楽しかったのに、中学になって英語嫌いになり成績が下がっていった」
「少し長い文章の英語になると、理解することができない」
これらは英語の文法が正しく理解できていないからかもしれません。

英語でつまずくのは、英文法がよく理解できないせいだと言われています。「文法が分からなくても英語は大丈夫」という主張も見かけますが、これは誤りだと考えます。

英文法に特化した参考書や問題集を活用しながら、受験に必要な範囲の文法を覚えることを優先しましょう。文法を効率よく覚えるためには、参考書などで文法のルールをしっかり理解すること。そして問題集を解く学習やインプットとアウトプット学習を繰り返し行うと効果的です。問題集の中に分からない文法があれば、参考書に戻って苦手を克服しましょう。

入試では長文読解が大きな割合を占めています。長文問題を解くには文法をしっかり理解しておく必要があります。

文法をマスターするのに時間がかかり過ぎると、長文対策に十分な時間を確保できないという問題が発生します。文法問題は中学3年の夏までにマスターできるように計画的に勉強を進めましょう。

3.長文読解で長文に慣れる

英語の長文問題が苦手という中学生は多いです。苦手なままでは受験で配点の高い長文問題で点数を稼ぐことができなくなり、大きなリスクとなります。長文問題を何となく読んでいても、読解に強くなることはありません。

入試の過去問を活用して、英単語と英文法の確認をしつつ、長文読解の練習をすることが大切です。

入試問題は、難しい文法を使った読みにくい文章問題ばかりではありません。本文と設問の内容がしっかり理解できていれば、解ける問題が出題されます。設問に解答するときに、答えの根拠となる部分を英文の中から見つけることを意識しましょう。

空欄補充問題や内容正誤問題も出題されます。過去問題を進めていくうちに慣れてくるので、たくさんの問題を解いてみるとよいでしょう。過去問だけでは心配な場合は、長文読解に特化した問題集を活用しましょう。

英語長文読解ができるようになるためのポイントを紹介します。

【先に問題を読む癖をつける】
長文問題では本文を読む前に問題そのものをチェックします。

問題が選択肢形式なら、選択肢についても目を通す癖をつけておくと、実際に長文を読み始めた時に、解答に必要な内容と不要な内容という判断ができるようになります。解答に関係しない箇所を軽く読めるようになれば、効率的に読み進められます。

【単語を推測しながら読む】
長文の中に知らない単語が出てきた場合、前後の単語や文章の内容から単語の意味を推測できるようになりましょう。

そのためにも普段から長文を読むときに辞書を使わず、ひと通り問題を解いて答え合わせに辞書を使うという方法を用いましょう。

【接続詞に注目する】
長文読解で重要な箇所を見つけるには、文と文をつないでいる接続詞がポイントになります。

「But」や「However 」「Then」などの接続詞に注目することで、英語の文章のつながりをスムーズに理解できるようになります。文と文のつながりを意味する言葉に着目することで、文章全体の構成も理解しやすくなり、効率的な長文読解ができるようになります。

【主語が何かを読み取る】
日本語と比べて、英語の場合は主語がはっきりとしています。どのような内容の長文であっても、主語が何かを読み取るようにしましょう。

主語を読み取れば、一文一文の正確な意味が捉えられるようになり、全体を把握しやすくなります。主語は基本的に文章のはじめや動詞の前にあります。

【スラッシュリーディングを使う】

スラッシュリーディングとは、長文を英語の語順のまま読んでいく方法です。英文の前方から文章の塊ごとにスラッシュを入れて訳すことで、複雑な文章でも意味がわかるようになります。

よくわからない人は、スラッシュリーディングの参考書がいくつも出ていますから、1冊読んでみてください。スラッシュリーディングは、効果抜群です。

【頭の中にイメージを浮かべて読む】
英語長文を読みながら、頭の中にイメージを浮かべるようにしましょう。英単語や英文は、完全に一致する日本語があるわけではありません。イメージをする訓練を重ねると、複数の意味を持つ言葉にも対応できるでしょう。(国語の物語文の読み方も同様です。)

4.リスニング問題の量をこなす

日本語の母音は「アイウエオ」の5つですが、英語の母音は24個もあります。それだけでなく、英語には日本語にはない「二重母音」「無母音声」もあります。これらの発音の違いを理解するには音声を聞き、どのように聞こえてくるかを知ることが重要です。その上で発音ができるように音読して覚えましょう。

英語はアルファベットを使用しているため「ローマ字読み」をしてしまう人が少なくありませんが、それでは英語を正しく発音することができません。ローマ字読みとは違う、英語の綴りと発音の関係を理解しておく必要があります。

英単語を覚えるときには、綴りだけを覚えるのではなく、発音もセットで覚えることです。

また単語の意味をイメージできなければ、聞き取れるようにはなりません。リスニングの勉強を効果的に進めるためには、聞いて意味をイメージすることができる単語の数を増やしておく必要があります。

「英単語が書ける」「意味がわかる」「発音できる」「聞き取れる」というように攻略していきましょう。

英語は、実際の音声では発音が融合して変化(リエゾン)するという特徴があります。一つ一つの単語はわかっていても、融合して音が変化すると途端に聞き取れないということがあります。フレーズごとにどのように変化するのかを押さえるようにしましょう。そのためには、CD付の教材を使って、ネイティブの音声を何度も聞いて耳を慣らすことです。

かつて入試英語はリーディングが中心でしたが、近年はリスニングの比率が高まっています。 リスニングは積み重ねることで伸びる技能なので、高校受験の先を考えても早いうちから取り組んでおくことをおすすめします。

大見出し高校受験英語の問題集

受験に向けた英語勉強を行う場合、参考書や問題集選びが重要です。自分の英語力にふさわしい難易度の参考書や問題集を選びましょう。簡単すぎても難しすぎても十分な学習効果は得られないので、ちょうど良いレベルの教材を入手することが肝心です。

自信がない場合は、解説が詳しく書かれた参考書を選ぶのがおすすめです。自信がある場合は、応用レベルの参考書でより理解を深めましょう。

受験用のテキストが欲しい場合は、中学校3年間で習う英文法をわかりやすくまとめた参考書がおすすめです。

図解入りの参考書など、視覚的にわかりやすい教材を選ぶのもいいでしょう。難しい英文法も、図を見ながらなら理解しやすいというメリットがあります。CD付きの参考書を購入して、聞いて覚えるとリスニング対策にもなります。

受験生におすすめの英語問題集
・「2021年受験用 全国高校入試問題正解 英語」旺文社
教科書レベルの英語の問題を網羅しています。また、全国で出題された公立入試の英語問題がまとめられているのが特徴です。

・「高校入試 超効率問題集 英語」文英堂編集部
最低限必要な中学英語基礎文法が簡潔にまとめられています。長文問題あるので試験向けの実力を養うことができます。

・「完全攻略 高校入試 3年間の総仕上げ 英語」文理
各単元の総復習と入試によく出る問題を掲載しています。基本・応用、両方の問題で、総合的な英語力が身につきます。

・「高校入試「解き方」が身につく問題集 英語」旺文社
問題形式に合わせた解き方のコツが解説されています。文法・作文編、読解編、リスニング編に分かれており、それぞれの解き方を習得することができます。

・「[CD付き] きちんとこれだけ公立高校入試対策問題集 英語」旺文社
実力をつけるための良質な標準問題が多く掲載されています。公立高校受験のリスニング・英作文・長文読解にバランスよく取り組むことができます。

まとめ

英語が苦手なのは、間違った勉強をしてしまっているからです。確かに、知らない言葉、わからない文章を読んだり書いたりすることは、つまらないし苦痛です。

高校入試においては、基本の知識を入れてから実践トレーニングをするという順番がとても重要です。

1.英単語を覚えて使える表現を増やす
2.ルールである英文法を理解する
3. 英単語と英文法を例文で実践的に覚える
4.長文読解をたくさん解き、長文に慣れる
5.リスニング問題の量をこなす
6, 入試問題集で実践トレーニングをする

まずは英単語の暗記と英文法の理解や学習が必須であることを心得ましょう。単語や文法の理解がなければ、長文読解で何を書いてあるのか、リスニングで何を話しているのかが、まるでわからなくなってしまいます。

効率的なインプットで実力を身につけ、問題集や入試の過去問題でトレーニングを重ねましょう。

英語学習は特にステップアップが必要です。難しい問題に挑戦すれば簡単な問題も解けるというわけではありません。英語の基本が定着すれば、難しい問題を解くための時間は短くなり、応用も利くようになります。

高校受験英語に備えて、今回ご紹介した流れに沿った学習を忠実に行ってください。

この記事を書いたプロ

杉山健司

全国レベルで活躍する人材の輩出をめざす学習指導のプロ

杉山健司(杉山学習塾)

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