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高校受験の勉強法【数学編】何からはじめる?基礎固め、図形などよく出る問題

2022年6月22日

コラムカテゴリ:スクール・習い事

高校受験を前にして、数学ではどのような勉強法ですすめていくことで内申点や試験での得点を得ることができるのでしょうか?図形、計算など受験に向けてどのようなスケジュールでどのようなポイントを押さえるのかについてご紹介します。

昨今の高校受験における数学の傾向

数学の高校入試問題を分析すると、基本的な問題を取りこぼさないことが最も重要なのがわかります。中学3年の内容だけでなく、中1、中2の内容も含め広く出題されています。

数学の基礎学力を見る問題は独立した小問で構成。1つの題材について、2題の問いで完結する問題もあります。

分野としては偏りなく出題され、方程式・関数・図形の計量・確率や、データの活用という構成も多く見られます。関数を中心とした大問では、一次関数を利用する問題が毎年、出題されています。

平面図形や完全証明も出題されることが多いです。最終問題は、相似や三平方の定理を組み合わせた、比較的高い難易度の出題という傾向です。

大分県公立高校入試「数学」の出題傾向

令和3年(2021年)度の大分県公立高校入試「数学」の全体傾向は、大問数は6問、小問数は29問で、ほぼ例年通りと言えます。

大問1
小問集合
複数の分野の基本的な問題。
計算問題や作図などが10問出題されました。
(配点20点)

大問2
関数y=a×2
関数の式を求める問題と関数のグラフと図形の融合問題です。
(配点8点)

大問3
資料の活用と一次関数の利用
計算過程を説明するデータの分析と活用の問題です。
グラフを用いて求める方法を説明する関数の問題です。
(配点8点)

大問4
図形の規則性に関する問題です。
(配点8点)

大問5
空間図形
回転体に関する問題です。
(配点8点)

大問6
三平方の定理と平面図形
記述式の図形の証明問題などです。
(配点8点)

点数獲得のポイント
配点の3割以上(60点満点のうち22点)が、最初の小問集合です。各分野の基本問題を復習して、速く正確に回答できるように学習しましょう。

また近年の傾向として大問2は基本的な関数なので、得点源にするつもりで臨みましょう。平面と空間図形の基本も押さえておけば、得点アップが期待できます。

全体を通してスピードアップと正確性が求められます。解き始める前にまず、問題の全体像を把握してから取り掛かりましょう。

私立高校入試「数学」の出題傾向

志望校の入試傾向に合わせたカリキュラムで学習することが、合格への近道です。

【大分東明高等学校】
教科書レベルの基本問題と難解問題の出題が増えており、中間レベルの問題がほぼ見られません。高い平均点となっており、合格最低点は低くなる傾向です。
基本的な問題を確実に得点につなげ、難しい問題にもくじけないで取り組みましょう。

【大分高等学校】
全ての教科において、基本問題が70%、やや難解と言える問題が20%、難解問題が10%といった配分です。解けるか解けないかを即座に判断して、できる問題から回答するテクニックが必要です。

数学の勉強法

数学は得意と不得意に分かれやすい科目です。不得意な人も勉強のやり方をしっかり覚えて臨みましょう。

数学は基本問題を解けることが最重要です。教科書の巻末問題を利用したり、問題集などの基本問題を繰り返してマスターできるように努力しましょう。

毎年の大分県入試を見ても、関数と図形の融合問題や図形の作図、証明問題が出題されています。

目指す高校の偏差値によって勉強のレベルも変わります。特に偏差値55以上の高校を目指す場合は、中3の夏休みまでには基礎を固めて、その後応用レベルを習得していく必要があります。

偏差値45〜54の高校の場合は、12月頃までに基礎を終わらせ、1〜2月で応用力を身につけましょう。

偏差値44以下の高校の場合は、基礎固めに集中して受験に備えましょう。いずれも計画を練って、やるべきことに早めに取りかかることです。

図形の勉強法

「数学が得意ではない」と感じる人の多くが、図形問題に苦手意識があるようです。しかし高校受験の数学で、図形問題は配点も大きく差がつきやすい分野です。

図形の問題は、センスやひらめきが必要だということを耳にすることがありますが、他の分野と同様で体験数の差は大きいです。どのくらい問題をこなしたかによって、差が現れると言っていいでしょう。

図形を勉強する際に、まず大切なのは計算です。図形の面積や角度などを求める計算問題が小問で出されることが多いからです。計算自体は比較的単純なので、計算式をしっかり覚えましょう。面積や体積など、公式を覚えていれば解ける問題です。

文章での記述が必要な証明問題についての対策は、初めに条件や定義といった証明問題を解くために必要な要素を覚えた上で、証明を書く練習を進めます。各図形の定義と、それぞれどんな性質を持っているのかを覚えて、その設問で与えられている条件をフルに使えば、大抵の図形の問題は解けます。

練習を重ねると解法を見抜く力が身につくので、数をこなすことがポイントです。標準問題が解けるまでにレベルアップすると、大きなアドバンテージになるでしょう。

【図形を丁寧に描いて、条件を書き込む練習】
図が小さかったり、図形なしで文章だけの問題もあります。そんな時は定規を使わず、大きく丁寧に描いて見やすくすると、図形の性質に気付きやすくなります。

【問題の通りに図形が描けているかを確認する習慣】
問題通りに図が描けていないと、ほとんどの場合得点につながりません。解き方は全部合っているのに、点の位置を間違えていたなど、惜しい間違いには気をつけましょう。

【図形の性質や条件を覚えることの徹底】
図形の性質の条件を覚えることは最優先です。教科書に載っている条件を覚えないと、証明問題は解けません。完璧に暗記しましょう。
・三角形の合同条件
・三角形の相似条件
・平行線の性質
・平行四辺形になる条件
・直角三角形の合同条件
・二等辺三角形の性質など

【「仮定」と「結論」をチェック、仮定を図に書き込む習慣】
問題文を読み進めながら、問題文に出てくる情報にチェックを入れましょう。
特に証明問題ではこの作業がとても重要です。証明を書いていくのに必死になり「結局何が言いたいか」「どの条件が使えるか」を忘れてしまう人が多いからです。
証明問題で与えられるたくさんの情報を一目で分かるようにするためにも、図に書き込むことを欠かさないようにしましょう。

【アルファベットが対応しているどうかを確認する習慣】
角度が等しいことを証明に書いていくとき、そのアルファベットの並び方は、証明する図形の点の対応の順と同じである必要があります。このルールを守れていないと減点されてしまいます。

方程式の勉強法

中学の数学で難しくなるのが方程式です。方程式は計算の応用編のようなものなので、勉強のコツは何度も繰り返し解くことです。

基礎問題の解き方がわかったら、たくさんの練習問題をこなしましょう。やさしい問題から難しい問題へ、少しずつレベルアップしていくのがポイントです。レベル1、2、3と順番に取り組める問題集があると便利です。

一工夫したいのは文章問題の勉強です。方程式の文章問題では何をXにすればいいのか、問題をしっかりと読み見極めることが重要です。

文章問題では言葉や数字を変えた出題がされますが、使う公式は限られているので、何度も典型問題を解いておくこと。文章題を何度も読み、問題の傾向に慣れることです。問題を解いたあとに、もう一度問題文を読み返すとよいでしょう。規則性や共通するパターンがわかるまで数をこなすことが大事です。

次に、文章題を読んで方程式を作る練習をします。一次方程式に加え、一次関数(y=ax+b)にも力を入れましょう。y=ax+bという公式に当てはめて方程式を作れるようになれば、あとはxの値を導き出すだけです。多くの文章問題をこなして、問題に慣れるよう意識しながら進めましょう。

関数の勉強法

関数の基礎を固めるには、学習する順序が重要です。特に「比例」「一次関数」「二次関数」は、順番に学ぶことで理解しやすくなります。比例のグラフと一次関数のグラフは似ています。一次関数の中で、特殊な条件が揃ったものが比例だからです。

一次関数を学習する上で基本となる定理や定義は、二次関数でも使われます。簡単な一次関数をしっかりと身に付けてから二次関数を学ぶとスムーズなはずです。
二次関数がなかなか理解できない場合は、一次関数の理解が足りていないと考えましょう。

数学の中でも関数はグラフを読みとり、計算し、考える学力が必要になります。関数を攻略するためには、問題を解くコツをつかむと効果的です。まずは自分の手でしっかりとグラフが書けるようになること。関数のグラフを書けば、問題を視覚的に捉えることができるようになります。さらには問題を解く過程で分かったことを、グラフに書き込んでいくこと。次に何を考えれば良いかが見えるようになるでしょう。

関数の問題には、変数に具体的な数値を代入することで解答できる問題も少なくありません。関数の式(方程式)の変数に数字を入れて、実際に計算するという習慣を身につけましょう。関数のグラフを書くときには、与えられた式の変数に具体的な数値を入れて、残った変数の値を求めます。一見すると難しそうな問題でも、できることから一つずつ進めていけば、きちんと答えにたどり着きます。

関数の問題で最も悩むのは、「どこから解けばいいのか分からない」という点です。グラフに書き込みながら進めると、自然と答えに近づいていきます。中学生に「グラフを書いてみて」と言うと、うまく書けない場合が多いです。これはグラフがイメージできないからです。面倒がらずに、問題文とグラフをノートに書いてみましょう。定規は使わなくても大丈夫です。

問題を解くときは途中式を残してください。速さの問題の時は単位もつけましょう。
(例)1500m÷25分=分速60m

関数は高校の数学でも学ぶ内容なので、入試の段階でしっかり理解できていると役に立ちます。

高校受験数学の問題集

数学は、高校受験を乗り切るには避けて通れない科目です。数学も実は、公式や解き方を覚える科目です。解法のパターンを覚えて答えを引き出すことが大切です。

数学の高校入試の勉強において重要なポイントは2つです。

1.自分のレベルに合う問題集選び
今の自分に合った問題集を選びましょう。やさしすぎると簡単に解けてしまい、身に付く感覚が得られません。逆に難しすぎると、解説を読んでも分からない気分を味わうだけです。解けそうな問題と難しそうな問題が、半々ぐらいの1冊を手に入れましょう。

志望校のレベルに合ったものを選ぶことも肝心です。公立高校の受験対策では各都道府県の入試形態に合ったものを選びましょう。問題量よりも解説量が多い問題集を活用して、理解しながら学習できるようになりましょう。

【偏差値40台(数学が苦手な人)におすすめの問題集】
「中2数学をひとつひとつわかりやすく」学研プラス
中2の数学を基礎レベルから、大切なポイントを丁寧にわかりやすく解説しています。
左ページに解説+右ページに練習問題の148ページで構成されています。

【偏差値50〜55(数学平均レベル)におすすめの問題集】
「くもんの中学基礎がため100% 中3数学」くもん出版
基本的な最初の一歩からよくわかる、くもん独自の内容で、基礎からの反復練習で無理なく学習できます。発展的な問題も含まれているので高校入試対策のベース作りをすることができます。
計算・関数、図形・データの活用ほか、学年ごとのラインアップがあります。

【偏差値60以上(上位高校を目指す人)におすすめの問題集】
「全国高校入試問題正解 数学」旺文社
毎年、出版される高校入試の数学の問題と解答解説です。47都道府県別、高校ごとに出題傾向と対策、解き方を解説しています。最新の高校入試対策必須の1冊と言えるでしょう。

2.問題集に繰り返し取り組む
選んだ問題集には少なくとも3回は取り組みましょう。繰り返すうちに、問題を解くパターンが身につき、公式を使いこなせるようになります。

解説も必ず読んで、頭に自然と入るようになるまで続けてみましょう。分からない部分をはっきりさせて、間違えた問題は必ず復習を行ってください。数学の入試対策で重要なのは、繰り返しと振り返りです。

まとめ

高校受験に数学は必須となっていることがほとんどです。志望校に合格するための勉強は不可欠ですし、問題も幅広い分野から出題されます。また入試ではある程度、問題のパターンが限られてくることも予想できます。

数学は公式や解き方を覚える科目です。解法のパターンを覚えて答えを引き出すことが大切です。過去問題をしっかりこなしておくと自信もつきます。

数学において手を動かすことは重要です。答え合わせで終わりではなく、自分で解けるようになるまで練習したり、公式を習った時は具体的な数字で試して、書いて考え正解を導き出すことが大切です。

高校受験のための数学の勉強では、とにかくいろいろな問題に挑戦して経験を積んでいくことが肝心です。自分の頭で考えて試行錯誤しながら、結果をつかみ取る努力をすることが重要です。

この記事を書いたプロ

杉山健司

全国レベルで活躍する人材の輩出をめざす学習指導のプロ

杉山健司(杉山学習塾)

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