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高校受験の勉強法【国語編】長文読解、古文、文法の攻略法とは?

2022年6月14日

コラムカテゴリ:スクール・習い事

高校受験を前にして国語ではどのような勉強法ですすめていくことで内申点や試験での得点を得ることができるのでしょうか?長文読解、古文、漢文、文法などについてそれぞれ、暗勉強のポイントなどについてご紹介します。


昨今の高校受験における国語の傾向

大分県の公立高校の過去4年間における国語の全体的な傾向は、ここ4年で大きな変更はないようです。「漢字・表現・書写」「小説」「論説文」「古文」「漢文」「表現・課題作文」の5大問構成で、「詩歌」「文法」からは出題されていません。

作文に関しては、「話し合いの内容」「新聞投稿」「アンケート結果」など、複数の資料から自身の考えを書く形式です。一つの事例、資料からではなく、複数の資料から一つの考えを導き出すには、物事を多面的に見る力が欠かせません。

作文と同様に長文読解問題においても、話し合いやノート作成、資料として提示されるほかの文章と比較しながらの読解が求められる問題が増えています。複数の資料を頭の中で整理し、一つの考えを導き出すには、国語の読解力や記述力が必要なのと同時に、数学的な論理的思考も重要です。

出題傾向

大分県の公立高校入試、国語の出題傾向を形式別、内容別に分けて見てみましょう。

最初に形式別ですが、記号回答が毎年、1~3ずつ増えている程度でそれ以外は大きな変更はありません。

記述式回答は、昨年・令和3年(2021年)が最も少なくなっていますが、一昨年の19問から16問と3問減っただけなので、これも大幅な変更とはいえないでしょう。過去4年の傾向を見る限り、今後もそれほど大きくは変わらないのではないか、と予測できます。

次に内容別の傾向を、「言語」「現代文」「古典」「表現」に分けて見てみましょう。

言語
「漢字」と「熟語」は4年連続、「語句」は1年おきに出題されています。漢字と熟語は国語の試験では定番中の定番ですから、できるだけ多くの読み書きを実践して覚えていくことが重要です。

語句に関しても1年おきではありますが、長文読解で点数を取るには、語句の意味を一つでも多く覚えていればそれだけ有利になるため、しっかりと勉強しておきましょう。

現代文
現代文で毎年出題されているのは、「心情をとらえる」「行動の理由・人物像をとらえる」「文章を解釈する」「要旨をとらえる」の4つです。文章を大枠でとらえ、そのなかで、登場人物の心情の揺らぎや行動に至る理由を理解することが求められます。

古典
毎年必ず出題されるのは、「古文を味わう」ですが、古文の基礎や漢詩・漢文も頻繁に出題されるため、古典に関しては、全体的に勉強しておく必要があります。

表現
「コミュニケーションの方法を学ぶ」「課題作文を書く」は毎年出題されています。作文に関しては、前述したように複数の資料を比較しながら自身の考えを書く形式を意識する必要があるでしょう。

また「コミュニケーションの方法を学ぶ」では、単純に文章の意味を理解するだけではなく、自身の考えをいかに相手に伝えられるかが求められます。2021年の教科書改訂から国語はコミュニケーションが重視されるようになったため、今後も入試において出題される可能性はかなり高いといえるでしょう。

点数獲得のポイント

国語の試験で点数を獲得するためのポイントは、「読書」「漢字や熟語の暗記」「作文」「他者とのコミュニケーション」の4点です。それぞれのポイントについて説明します。

読書
読解力を高めるには本を読むのが一番です。ただし、ただ読むだではなく、「わからない漢字、熟語、語句はすぐに調べる」「内容を他者に説明する」などを行いながら読むとよいでしょう。何十冊も読むよりも、少なくても上述したことを意識してしっかりと読むことが重要です。

漢字や熟語、語句は調べたら必ずノートにメモしておきます。また、内容の説明は、できるだけ要旨をまとめて簡潔にするのがポイントです。自分で100字以内、300字以内などルールを決めて行うとよいでしょう。

漢字や熟語の暗記
漢字や熟語の書き取りは入試で必ず出題されるため、しっかりと暗記しておけば確実に点数を取れます。

また、長文読解においても漢字や熟語の読み、意味の理解がなければ内容を十分につかめません。特に漢字は、ほかの教科で問題を解く際にも必要な知識となるため、とにかく読み書きを徹底的にこなしていくことが重要です。

ただし、文章を読むなかで漢字を覚えるのは、確実性は高いものの時間がかかり効率はよくありません。そこで、漢字を効率よく覚えるには、漢字検定に取り組むことをおすすめします。高校受験生なら、3級以上を目指したいです。漢検の勉強を通じて、漢字を覚えるだけでなく、漢字の運用と語彙を覚えることができます。

また熟語は、二字熟語の場合、音読みは音読みだけ(音読み+音読み)、訓読みは訓読みだけ(訓読み+訓読み)で読むという基本を知っていれば、読みを間違えるケースも減らせます。グループ分けや基本の理解によって効率的に覚えられるようになるでしょう。これも、漢検の問題練習によって、自然と身に付きます。

作文
作文で点数を取るには、新聞を読み、気になったニュースの要旨をまとめて自分なりの考えを書くのがよいでしょう。

新聞の投稿欄を利用することも、おすすめです。あるテーマについて投稿者がどんな意見や感想を述べているか。それを示すために、どんな根拠を示しているか、という視点で読めば、意見文を書くための構成がわかってきます。そして、自分の意見を同じ構成で書いてみると、すごい作文力が身に付きます。

作文はある程度、量をこなしていくと、コツがつかめるようになるので、早い段階から書く癖をつけておくようにすると、点数も取りやすくなるでしょう。楽しんで書くことが、継続の秘訣です。

他者とのコミュニケーション
自身の思いや感情を他者にうまく伝えることも国語で点数を取るために欠かせません。作文で読む人に伝わる文章を書く訓練にもなりますし、相手を思いやる気持ちを学べれば、長文読解で登場人物の心情や行動を理解するのにも役立ちます。

家族や周囲の人に協力を求め、さまざまなニュースや身の回りのできごとについて話したり、意見を伝えてみたり、といった練習を繰り返してみましょう。コミュニケーションの中から、伝える力を学べるようになります。

国語の勉強法

国語力とは、漢字の読み書きや長文読解、古文や漢文の理解が求められます。しかし、基本となるのは相手の心情を読み取り、自身の気持ちを相手にわかりやすく伝えるというコミュニケーション力です。

数学の公式や歴史の年表のように「これさえ覚えれば確実に点数が取れる」というものが少ない教科です。ただ、コツをつかんで勉強すれば高得点が狙えるのはもちろん、読解力がつけばほかの教科の底上げにもつながります。

高校入試の国語で高得点を狙うための勉強法とはどのようなものなのか、「長文読解」「古文」「漢文」「文法」の4分野にわけて説明します。

長文読解の勉強法
長文読解で点数が取れない主な理由は、「漢字が読めない・意味がわからない」「ただ読んでいるだけ」「本を読む習慣がない」などです。もし自覚がある場合は、まず漢字の勉強をしましょう。漢字を読めるようになり、意味がわかるようになるだけでも、長文読解の力はかなり向上します。

次のポイントは文字ではなく映像でとらえることです。文章に出てくる情景を映像としてイメージしながら読んでいくと、内容がスムーズに入ってきやすくなります。このとき、黙読ではなく音読すると、よりイメージが強くなり、理解も進むようになるでしょう。

本を読む習慣があっても、ただ読んでいるだけの人は少なくありません。もちろん読む習慣がある人のほうが長文読解を得意とするケースは多いですが、習慣がなくても上記の方法で勉強をすれば読解力は向上します。

もう一つのポイントは、段落や章ごとに内容を短くまとめる癖をつけることです。この段落では誰と誰が出てきて、何をしたのかなどを簡潔にまとめましょう。

また、そのときの登場人物の心情を想像し、「〇〇な気持ち、思い」などといった形でまとめます。これを繰り返すことで、最終的に文章全体をまとめられるようになれば、記述問題にも対応できるようになるでしょう。

古文の勉強法
古文は、よく試験に出る「枕草子」「万葉集」「竹取物語」「今昔物語集」などの原文と訳文を照らし合わせながら暗唱し、記憶していくのが基本の勉強方法です。また、「あはれ(あわれ)」「かほ(かお)」など定番の歴史的かなづかいはよく出題されるので、しっかりマスターしてください。古文は、日本語ですが外国語の勉強だと思い、すらすら読めるまで音読を繰り返すことをやってみてください。不思議と問題が簡単に感じられるようになりますから。

志望校の過去問題集から傾向を探り、数をこなしつつも出題範囲を予測して効率よく勉強していくのがよいでしょう。

漢文の勉強法
漢文の勉強法で最も重要なのは、レ点や一・二点などのルールの記憶です。ルールさえ覚えれば、原文も読めるようになるので、後は長文読解で勉強した読解力で対応できます。漢文も古文の親せきなので、すらすら読めるようになるまで音読してください。その努力は、必ず点数で報われますから。

文法の勉強法
大分県の公立高校入試では、文法自体の出題は過去4年間で一度もありません。しかし、文法をしっかりと勉強しておけば、相手に伝わりやすい作文を書けるようになるため、必ず勉強しておきましょう。文法が間違った文章を書くと、高校入試だけでなく、あらゆる場面で作者の評価が大きく落ちます。

具体的には、品詞の特徴を理解すること、そして必要な知識の暗記です。「主語」「述語」「助詞」などのルールを覚えておけば、簡単に文章の中から、主語・述語を見つけだせます。

高校受験国語の問題集

自分に合った参考書、問題集の選択は高校入試対策の一つとして、重要なポイントです。基礎からしっかり復習したい、古文や長文読解などピンポイントで苦手を克服したい人まで、おすすめの10冊を紹介します。

・「ぐーんっとやさしく中学国語」文英堂編集部
国語が苦手で、点数もなかなかとれない人が中学国語の基礎がためをするのに最適な一冊です。イラストや要点の色分けなど視覚的にわかりやすいつくりになっているので、重要なポイントをしっかりと理解できるようになります。

・「高校入試15時間完成 標準国語長文」受験研究社
全国の公立高校の過去問題からよく出る問題を中心に掲載されています。タイトルにあるように短時間で、入試でよく出る問題の理解が進むので、試験前に集中して利用するのにおすすめです。

・「高校入試 塾の先生が教えるシリーズ 「解き方」がわかる国語 文章読解」石関直子著
文章読解力をつけるには、感覚ではなく一定のルールを知ったうえで進めたほうが効率的かつ確実に点数が取れるようになります。この問題集は塾の先生が語り口調で丁寧に文章読解に必要なルールを解説してくれる一冊です。

・「国語長文 難関徹底攻略30選」東京学参編集部
国公私立の難関校受験を目指している人におすすめの一冊です。長文読解の練習問題と実践問題で構成されていて、繰り返し解いていくことで本物の読解力がついていきます。記述問題も多く、要旨をまとめる力や作文力を高めるのにも最適です。

・「実力判定テスト10 偏差値60国語 高校入試実戦シリーズ」東京学参編集部
偏差値58~63の高校受験を目指す人向けの一冊です。全10回の実践的な問題が掲載されていて、回を重ねるごとに難易度もアップ。一つ一つ階段をかけ上がっていくように実力もアップしていけます。

・「中学総合的研究問題集 国語読解 新装新版」旺文社
日本語の特色や文法などを理解しながら読解力をアップさせたい人向けの一冊です。中学3年間で学んだことの復習をしつつ、高校入試に対応する読解力を身につけることができます。

・「パーフェクトコース問題集 中学国語 読解 新装版」学研プラス
国語の点数がなかなか上がらない、特に文章読解の点数が上がらない人に最適な一冊です。基本から難関校レベルまで多くの問題と丁寧な解説が掲載されているので、読解力がつかずに悩んでいるならこの問題集をおすすめします。

・「古文 完全攻略63選【入試頻出問題厳選】」東京学参編集部
古文を徹底的に勉強して苦手意識を克服したいならこの一冊です。読解・文法・語彙・知識・文学史など、高校入試必要な力を付けるうえで基礎から学びたい人におすすめします。

・「中学 国文法 ハイクラステスト」受験研究社
教科書レベル、応用レベル、難関レベルと3ステップで実力をつけていける問題集です。基礎から復習し、難関校受験を突破したい人におすすめします。

・「高校入試対策問題集 合格への最短完成 国語」栄光ゼミナール
大手進学塾監修による高校入試対策の問題集です。進学塾ならではの法則を基に、公立高校入試問題を中心に、特によく出る問題を掲載しています。短時間で必要な知識を得られるので、夏休みや冬休みに集中して勉強したいといった人に最適な一冊です。

まとめ

国語は国公立、私立のどこを受験しようと必ず試験があります。また、数学や理科、社会においても国語の読解力が身についていなければ問題の趣旨を理解できません。

漢字や長文読解、古文、漢文などの基本を押さえたうえで、いかに相手にわかりやすく簡潔に自分の考えを伝えられるか、そして相手の心情をくみとれるかを考えましょう。

多くは家族や友だちとのコミュニケーションのなかで培われるので、積極的に人と触れ合い、相手の立場になって行動する癖をつけることで自ずと国語力アップにつながります。

この記事を書いたプロ

杉山健司

全国レベルで活躍する人材の輩出をめざす学習指導のプロ

杉山健司(杉山学習塾)

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