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コラム

内容証明郵便一本で終わりになる事件

2020年2月13日

コラムカテゴリ:法律関連

 紛争というものは長期化することもあれば、内容証明郵便一本で解決することもある。

 貸金や損害賠償の請求をして、何も言わず入金されることはあまりないが、希にそのまま預り金口口座に入金がされ、直ぐに解決する事案もある。
 次は「解決したことにする」という事案である。



1、借りてもいないお金を貸したと言われて請求を受けている事案で、「こちらは借りたことなどない」ので、借入の事実を明らかにするように求めたところ、そのままになっていることなどはたまにある。
  こちらから、債務不存在確認請求訴訟を提起することもできるが、依頼者と協議して、依頼者がコスト的にもそこまで求めないということで、事実上それで終わりにすることはある。
  保証債務があるとして請求をされ、保証の契約書類写しを開示せよと言ったところ、そのままになったケースもある。これも依頼者と協議して、債務不存在確認請求訴訟をするかどうかは当然協議する。

2、その他、よく分からない請求をしてくる相手方に、請求の内容を特定するように通知したら、特定もできずそのまま事実上解決したことになっているケースもある。これも債務不存在確認請求訴訟はできるが、依頼者もそこまで求めないことが多いし、訴訟の委任まで受けていないし、コストもかかるし、請求する側が権利行使をすべきだとも言えるので、放置で解決である。

 こういう事件は終了したことにする時期が難しいが、概ね5年程度経過すると、「何かあればこちらに連絡をしてもらえれば対応するので、受任事件としては事実上の解決ということで終わりにさせていただくが、どうか」という提案をして、それで終わりにしているケースが多い。
 ただ、紛争が再燃しないとも限らないので、こういう事件は記録を残しておかないといけないのが保管スペースとの関係では問題ではある。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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