法律家の限界

中隆志

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法律家をしていると限界を感じることはある。基本的には法律に基づいた処理なので(事実上の処理で終わることもあるが)、「おかしいやん!」ということでも法律がシャットアウトしてしまっていたり、定めていなかったりすることがある。

 その場合に、救済的な判決が書かれることもあるが、あくまで「当該」事案に即した判決なので全体を救済することは出来ない。立法的解決が望まれることが多くある。

 弁護士会がこぞって法律の改正を望んで運動を展開することがあり、それが立法につながることもある。私も関わったことがあるが、立法化されると嬉しいものである。

 ただ、全てがうまくいくということではなく、業界団体などが政治家に圧力をかけて自分たちに有利に揺れ戻そうとすることもある。個人的には次はリース契約を規制する法律を作るのが目標である。少し前までは、有力スポンサーである貸金業者を批判する報道はほとんど見られなかったことを見ても業界団体がいかに力が強いかが分かる。

 弁護士から政治家に転身する人の中には、日々の業務の中で法律家の限界を感じて、もっと大きく世の中を動かせる立場につきたいと考える人もいるのであろうかなあ、と思ったりする。

 こんなことを書いているかといって、私が政治家になりたいかというと、全然そんな気はない。

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