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財田和典

専門家を発掘、企業が求める人材をコンサルティングするプロ

財田和典(たからだかずのり) / 経営コンサルタント

株式会社リンクウィル

コラム

【夏休み特別版】助力が無ければ、経営コンサルティングはショーである?

2023年8月15日

テーマ:コンサル指導の疑問点シリーズ

コラムカテゴリ:ビジネス

暑中お見舞い申し上げます。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです
今回は夏休み特別版です。
コンサルタントの本当の意味での助力が無ければ、経営コンサルティングはショー化するというお話です。



さて専門家を使う専門家の話が始まります。
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久しぶりに経営コンサルティング業界の中の話をします。
経営コンサルティングについて、その実情をお話しましょう。
その前に、「経営コンサルティングとは何か。」ですが、ネット上では、いろいろなことが書かれていますが、それは経営コンサルタント側から見ての「経営コンサルティングとは。」であり、サービスを供給する側からの偏った解釈になりがちです。
ここでは企業側から見て経営コンサルティングとは何かについてお話しましょう。

経営コンサルティングはどんな形にしても企業に助力を提供することである。
助力とは、企業がやっている、やるべきであるPDCAの支援=きっちりとやっているかの管理をやらせるためのチェックでは決してない。
(※PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようという概念。)

それでは企業が求めている助力とは何か。次の7点です。
1.頭脳として入れる・・・解決のための仮説を提示頂く。
2.経験を学ぶ・・・特に失敗経験は貴重な財産。「過去にこれをやってこんなことが起こったと言う経験は、赤信号として標してくれるのでムダな投資が無くなる。」
3.情報を得るために入れる・・・ネットや調査会社から得られない情報を得るために入れる。人間が人間から直接聞いてきた情報が貴重である。(ただし、情報の機密性については、発注する側の企業としてのコンプライアンス遵守の姿勢があること、受注する側のコンサルタントはその人間性そのものが問われます。)
4.トップの相談係として入れる・・・社長、会長はその会社の最高意思決定者なので社内で相談相手を持てない。もしいれば、それはゴマすり?
5.知的労働力として入れる・・・「煩わしい」「面倒くさい」「手間がかかる」ときの解決策として、つまり手足として入れる。最近はAI、ChatGPTやGoogleのBardなどが利用されていますが、これらのAIにどんな命令をして作業をさせるかの部分は結構、手間がかかります。
6.刺激として入れる・・・いわゆる社内活動のマンネリを防ぐための尻たたきとして入れる。
7.第三者の役割・・・これには善悪両方の役割がある。企業が難しい課題に対して取り組む場合、必ず成功するとは限らない。また、難しい課題にはそれなりの社内の優秀な人材、つまり将来、取締役クラスになるであろうと嘱望された人材をあてがう。もし、失敗すれば、課題は未解決で残り、貴重な人材を失うことになる。もしも社内にその人材がそのまま残っても、決して誰も彼の言うことは聞かないであろう。ここに第三者に責任をかぶせ、失敗したら「コンサルタントの言うようにやったがうまくいかなかった。彼、彼女(先の優秀な人材のこと)に非はない。」うまくいけば、彼、彼女の手柄にし、出世への階段を進んでもらえる。と言う善悪両方の使い方ができる役割のために入れる。

実はほしいのは6や7の役割ではなく、1から5のプラスアルファの内容である。
これを本当の意味での「助力」と言います。
さて、実態どうでしょうか。
経営コンサルティング費用と言う大きなお金を支払うには、当然、社内稟議の手続きが要ります。つまり、投資対効果を明確に記さねばなりません。また、その結果については必ず社内の評価を受けます。よって、経営コンサルティングを導入する稟議を発行した部署はまずコンサルタントに相談します。「先生、必ず成果が出るように指導してください。」この問いに対して、そのコンサルタントが本当に助力(1から5を指す)を提供できる人材なら、「コンサルティングは真剣勝負なので、結果は約束できませんが、最大の助力を提供します。」と言うでしょう。
反対にいつも楽な役割(6の刺激として、7の第三者の役割)でコンサルティングに臨んでいるコンサルタントは、あらかじめ企業側の稟議発行者と成果の表し方について合意(いわゆる「握り」)を得ます。
つまり、報告会でどのような発表をしてほしいかです。よくあるのは、メンバーに発言させてほしいこととして、「今まで会社にこのようなムダを発生させていたことを反省します。」「モノの見方、考え方が変わりました。」「どうしたらできるかを考えるようになりました。」「やり遂げたことにより意識改革になりました。」などです。あらかじめ結末が決まっているのは、以前、「全てのプロレスはショーである。」と言う書籍を書かれた方がいましたが、経営コンサルティングもスタート前から結末が決まっていると言うならまさにプロレスの筋書きと同じです。そして、報告を受ける側(経営者ないし幹部)が喜んでくれそうな内容をてんこ盛りにして演出するのであれば、まさにショーです。これでは企業の競争力の強化になりません。つまり、「企業の実力値が上がらない」のです。

課題に対してコンサルタントと企業のメンバーが真剣勝負で取り組むことが企業の発展につながると信じてやみません。真剣勝負は勝敗がどう転ぶかはわかりません。(成果がでるかどうか)
しかし、「経営コンサルティングの成果は〝企業の力×コンサルタントの力″の掛け算である。」と言う、言わばコンサルティング業界の言い伝えでの逃げを言うのではだめです。助力はプラスアルファです。
仮に企業側がゼロであっても、コンサルタントが助力を5提供するのであれば、企業は良くなります。
また、多くの場数を踏んでいるのが力のあるコンサルタントとは限らない。場数と言っても同じ安全な平地ばかり選んで歩いてきた人は、山道や沼地の渡り方を知らない。彼は難しい道をこれから歩む企業に対して、その経験が無いので助力は提供できない。しかし、ショーとしての演出はうまい場合が多い。
何年も同じテーマで同じコンサルタントの指導を受けている企業もありますが、毎回恒例のショーを開催しているように思えてなりません。課題を解決するのが経営コンサルティングの目的のはずなのに、毎年同じことを繰り返しているのは、「助力の得られないコンサルタントなのではないか?」受ける企業側と指導するコンサルタント側の合意によるショー的な演出がなされていないでしょうか。
このような「助力が無ければ、経営コンサルティングはショーになっていく。」ことは、経営コンサルティングの本質からして正しいこととは言えません。
そこで私たちは、企業側からみて「助力となる経営コンサルティング」の事業を立ち上げることにしました。
参画者は、東証一部上場企業勤務時代に多くの経営コンサルタント会社を活用し、コンサルティングの効果はもとより、その限界について経験した方々です。何を補えば企業の助力となり得るかについて、日々考え、提供いたします。

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