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財田和典

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財田和典(たからだかずのり) / 経営コンサルタント

株式会社リンクウィル

コラム

コンサルタントのトレーサビリティについて

2024年2月5日

テーマ:コンサルタントの選び方

コラムカテゴリ:ビジネス

こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。

今回のコラムでは、“コンサルタントを選ぶ際の注意点”についてのお話です。
このコラムの大きなポイントは、“コンサルタントのバックグラウンドの重要性を再確認する”ということです。



さて、専門家を使う専門家の話が始まります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今回は、コンサルタントを選ぶ時に、「企業側からみて最も重要なこと」でありながら、「コンサルティング業界からはタブー」とされていることについてお話します。

まず、トレーサビリティとは何か、皆さんはすでにご存知かと思いますが、復習します。
トレーサビリティとは、「生産履歴の追跡」という意味で、製品の原材料や製造過程、流通履歴などを記録・管理することです。
食べ物で例えると、トレーサビリティが義務付けられている食材は、その食材がどこで採れたのか(産地)、どこで加工されたのか(加工工場)が明確にされています。これにより、消費者は、その食材が安全で安心なものなのかを判断することができます。
産地と加工工場について、もう少しわかりやすく説明しますと、
食材で例えると、産地は、その食材の品質や味を示す重要な情報です。例えば、食材がブランド牛であれば、高品質で美味しいと考えられます。また、食材がブランド野菜であれば、栄養価が高く、安心して食べられると考えられます。
食材で例えると、加工工場は、その食材の品質や味を左右する重要な情報です。例えば、食材が有名な加工工場で製造されていれば、高品質で美味しいと考えられます。また、食材が厳しい品質基準で製造されていれば、安心して食べられると考えられます。

さて、コンサルタントの場合はどうでしょうか。
コンサルタント選びにおいても、トレーサビリティが重要である理由は同じです。コンサルタントには、企業の経営課題を解決するために、さまざまな能力やスキルが求められます。そのため、コンサルタントの学歴と経歴を把握することで、そのコンサルタントが自社の課題を解決するのに適した人物かどうかを判断することができます。
しかしながら、コンサルティング会社からは、そのコンサルタントの学歴(産地)、職歴としての出身会社名(加工工場)が明確にされないので、コンサルティングをお願いするかどうかの判断がつきません。当たるも八卦当たらぬも八卦で選ぶと、ミスマッチになって成果が出ない場合、頼んだ企業側の責任になります。
コンサルタントの経歴やスキルを把握することで、その企業のレベルに合ったコンサルタントを選び、プロジェクトの成功確率を高めることができます。

以下に、コンサルタント選びにおけるトレーサビリティの確認ポイントを、具体的に説明します。
学歴や職歴は、そのコンサルタントの専門知識や経験を示す重要な情報です。

学歴(産地)
コンサルタントの学歴は、そのコンサルタントの専門知識やバックグラウンドを示す重要な情報です。例えば、コンサルタントが国立大学出身であれば、偏りのない幅広い学問を勉強した土壌があり、その上で身につけた知識やスキルは豊富に熟成されているだろうと考えられます。また、コンサルタントが海外の大学を卒業していれば、外国語に堪能でグローバルな視野や経験、そして海外の人材とネットワークを持っていると考えられます。

職歴(加工工場)
コンサルタントの職歴は、そのコンサルタントの実務経験やスキルを示す重要な情報です。例えば、コンサルタントが大手企業で勤務していれば、標準値以上のマネジメントの経験を積んでいると考えられます。管理者教育などの各階層別教育も受けており、また、改善の定石についてのノウハウを身につけていると考えられます。

コンサルタント選びは、企業の経営課題を解決するために重要な意思決定です。慎重に検討して、最適なコンサルタントを選ぶようにしましょう。

以下に、食材に例えて、コンサルタント選びにおけるトレーサビリティの確認方法をまとめます。
 
産地は食材そのものの安全性(レベル)、加工工場は品質基準の確認と言えます。
1)学歴(産地)
問題点:「技術」は水のように高い所から低いところに流れる。逆では学ぶものが少ない。
特に「経営」は範囲、分野が広いので偏った知識では解決策を誤る心配がある。
ポイント:コンサルティング会社に、そのコンサルタントの学部や大学名を具体的に確認する。
コンサルタントの学歴が、自社の課題解決に必要な専門知識やスキルを身につけるための
ものかどうかを判断する。
2)職歴(加工工場)
問題点:出身会社のマネジメントレベルが依頼する側より高い水準にないと成果物の品質レベルが守れない場合が多い。会話自体もかみ合わない場合がある。
ポイント:コンサルティング会社に、そのコンサルタントの職歴や勤務先を具体的に確認する。
コンサルタントの職歴が、自社の課題解決に必要な実務経験やスキルを身につけるための
ものかどうかを判断する。

如何でしょうか。食べ物であればトレーサビリティを確認するのですが、コンサルタントのトレーサビリティは何故問われないのか・・・、企業側として学歴、職歴をコンサルタントに質問すると、コンサルタント側から、「今時、御社は昔の人物選定の文化ですね。だから改革が進まないのですよ。」と言われないかを心配されていませんか。企業の経営者の皆様に特別にお教えします。
何故、コンサルティング会社は学歴・経歴をオープンにしないのか。それは、開示した場合のデメリットが大きいからです。
わかりやすい例で申し上げますと、
子供さんが東大を受験する場合、親御さんは家庭教師を何を基準に選びますか。当然、東大出の人を選ぶでしょう。
そうです、企業側が高学歴の社員が多い場合、それより下の学歴のコンサルタントをだすと、「この先生、大丈夫かな?」と言う不安を抱かせ、契約が成立しない場合が考えられるからです。コンサルティング会社側としては、「あくまでもコンサルタントのコンサルティングでの実績を重視してください。」と言いたいところですが・・・。
また、職歴も「某メーカーで生産技術を担当し・・・。」などの表現で具体的な社名を隠すのも同じ理由からです。東証プライム企業に中小企業の出身コンサルタントを出した場合、「当社(東証プライム企業)の協力会社より規模が小さい企業のご出身のようですが、本当に当社のサプライチェーンをご理解頂けるのでしょうか?」と企業側で更に不安が高まり、契約困難な状況が高まるからです。

最近は、ギグワーカー(インターネット上のプラットフォームサービスを介して単発の仕事を請け負う労働者の方で、多くは企業に属さない個人事業主やフリーランスの労働者の方)で企業にはないニッチかつ特殊で高度なスキルをお持ちの素晴らしい方を存じています。実際、このような方を活用して大きな成果を挙げておられる企業も多くあります。このような専門性を持つ方に学歴と職歴と言うトレーサビリティの物差しを当てはめることはむしろ間違っていると思います。
しかしながら、経営と言う分野については、企業経営の失敗は、経営者だけでなく、従業員、取引先、顧客など、多くの関係者に様々な悪影響を及ぼします。企業経営者は、常に経営状況に注意を払い、経営の失敗を防ぐための努力を怠らないようにされています。そのための「助力として経営コンサルタントを活用」する場合、限られた専門性を第一として選ぶだけで良いのでしょうか。私はいろいろな経営者にお会いしましたが、「経営の相談相手としては、当社の社員のレベル以上のコンサルタントが来てくれているものだと思っている。」と言う方がほとんどであり、いちいち学歴・職歴をチェックしたかは社員にも聞かれていません。
このように企業側はコンサルティング会社を信頼して、発注しているからこそ、コンサルティング会社側も、その信頼に相応しいコンサルタントで対応し、また、それができるように学歴・職歴ともに申し分のない人材を採用し育成できるようにならねばなりません。

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