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NISAとiDeCoで失敗しないためのポイント

2023年6月18日

テーマ:投資・資産形成

コラムカテゴリ:お金・保険


このところ物価上昇が続く中、収入は増えていますか?
多くの方が収入が増えず支出が増え生活が苦しくなり、なかなか資産が増やせていないのではないでしょうか。

頑張って働いて、支出を減らし、銀行に預ける。
しかし超低金利の今、それでは資産は増やせません。
「どうすれば資産を増やせるのか」
それは可能な範囲でリスクを取ってお金に働いてもらう、つまり投資することです。

「そうは言っても投資はちょっと怖い」
そんなあなたにはNISAとiDeCoを活用してもらいたいのです。
これらの非課税制度を利用することで効率よく資産形成することが可能です。
短期間で大儲けできるものではありませんが、じっくり資産を育てて行くイメージです。

例えば毎月3万円を30年間、積立投資して年利5%で運用ができたとすれば2496.78万円にもなります。
投資元本:1080万円
運用益:1416.78万円
です。

必ずこうなる、というものではありませんが、投資の王道「長期・分散・積立」で再現性が高いスタイルです。
私自身が15年実践してきたのもこの方法です。

ということで今回のテーマは
「NISAとiDeCoで何が違う?失敗しないために知っておこう」
です。

このコラムを読めば、NISAとiDeCoの違いがわかり「始めてみようかな」と思えるはずです。

結論を一言でいうと
「NISAもiDeCoも国が用意した国民のための資産形成支援制度」
です。


NISAとiDeCoってそもそも何?




NISAとiDeCo、聞いたことはあるけど何なのか知らないかもしれません。
銀行に行って
「NISAとiDeCoください」
と言っても窓口の方が困ってしまいます(汗)

NISAとiDeCoは日本の個人向け税制優遇制度の名称です。
どちらも運用益にかかる税金(20.315%)が非課税となる点が共通しています。
仮に1000万円の利益が出た場合、通常約200万円の税金を払わなければなりませんが、それが非課税になります。

それではNISAとiDeCoの特徴と違いを説明していきます。

NISAの特徴


NISAは、日本政府が導入した個人投資家向けの税制優遇制度です。
NISAは2023年現在

  • 一般NISA
  • つみたてNISA
  • ジュニアNISA

の3種類あります。
ジュニアNISAは2023年に廃止され、2024年からは一般NISAとつみたてNISAが一本化(大幅アップデート)されることが注目を集めています。
金融機関等でNISA口座を開設することで、株式や投資信託などの金融商品への投資が可能となります。

加入資格は日本に住む18歳以上の人です。
iDeCoと違うのは、いつでも解約して現金化できることです。
すぐに使う予定はないけど、必要なときに一部解約して現金化するような使い方ができます。

iDeCoの特徴

iDeCoは、個人が自己負担で年金資金を積み立てるための制度です。
もう少しわかりやすくいうと
「国民年金や厚生年金に加入しているけど、ゆとりある老後生活するために自分で用意する資金」
です。

加入資格は原則60歳未満です。

iDeCoはNISAと同様に運用益が非課税であると同時に、もう一つ大きな税制優遇があります。
それは掛け金が全額所得控除になるので、所得税・住民税の減税効果があることです。

例えば30歳会社員で年収500万円の方が、毎月2.3万円をiDeCoで積み立てた場合、1年間で55,200円の節税、65歳までの35年間で1,932,000円もの節税効果があります。
ちなみに年利5%で運用できた場合には約2613万円の老後資金が手に入ることになります。

積立元本:9,660,000円
運用益:16,470,126円
合計:26,130,126円

自分で老後資金を作るには最強のツールですが1点気をつけなければならないことがあります。
それは原則として60歳までは解約できないことです。
例えば50歳で子供の教育費として500万円必要になったときに、iDeCoを一部解約して利用するなどはできません。
しかし途中解約できないことはデメリットとも言い切れません。
老後資金として運用しているわけですから、本人の意志に関係なく長期で運用されるからです。
貯蓄などではついつい使ってしまうような性格の人にはむしろメリットとも言えます。

NISAとiDeCo、どっちがおすすめ?

比較

これはよくお客様にも聞かれますが
「両方やるのが理想です」
と答えます。
無理のない範囲でコツコツ長期で積立投資がおすすめです。
メリットの大小で言えば、掛金が全額所得控除できるiDeCoのほうが有利とは言えます。
目的や状況によって取り組み方は人それぞれ違ってきます。

まとめ

NISAもiDeCoも国が用意した国民のための資産形成支援制度です。
その内容は決してお金持ち優遇ではなく、中間層を厚くするためのものです。
真面目に働いてコツコツ銀行に預けても、超低金利で物価上昇に負けてしまう世の中です。
預貯金すべてを投資に回せとは言いません。
一部でも働きに出てもらって、時間を味方に複利で資産形成をする考え方を持ちましょう。

NISAもiDeCoも最初の口座開設から買付までが少しハードルが高いだけです。
一度仕組みを作ってしまえば、あとは給与が振り込まれる銀行口座などから自動で毎月定額積立することができます。
最初は小さな雪玉でも時間が経過するごとに大きくなり雪だるま式に資産が増えていきます。
もちろん毎月100円積立投資しても大きくなりません。
目標としては手取り収入の20%程度を積み立てるイメージを持つと、時間を味方にすればそれなりに大きな資産形成ができるはずです。

この記事を書いたプロ

吉井徹

投資歴10年以上、ファイナンシャル・プランニングのプロ

吉井徹(YOC)

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