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コラム
職長教育と職長能力向上教育
2024年3月4日
職長教育は、作業現場において労働者を直接指導監督する職長やリーダーに対して行われる安全衛生教育です。職長は作業主任者とは異なり、広範な範囲を仕切り、グループやライン全体の作業者をまとめる役割を担います。職長教育は、リーダーシップ教育とも言えます。具体的な作業のやり方ではなく、現場監督や指導、安全確保についての教育が行われます。職長教育は安衛法で規定されており、職長の成長をサポートし、安全な職場を作る重要な役割を果たします。
職長になるための心構えやリーダーシップについての教育は、一度だけでは不十分です。継続的な教育やトレーニングを通じて、職長の成長を促し、安全性を高めることが求められています。
法改正により、職長教育の対象業種が拡大されました。具体的には、以下の業種が新たに対象となります。
- 食料品製造業(うま味調味料製造業および動植物油脂製造業を除く)
- 新聞業
- 出版業
- 製本業および印刷物加工業
職長教育の必要性は多岐にわたります。以下に、職長教育の重要性をいくつか説明します:
安全性の向上: 職長は作業現場で労働者を指導監督する役割を担っています。適切な安全衛生知識を持つ職長は、作業者の安全を確保し、事故や怪我を防ぐことができます。
法的要件: 安全衛生法により、職長は職場の安全を確保する責任を負っています。職長教育は、法的要件を満たすために必要です。
リーダーシップの向上: 職長は作業者を指導し、チームをまとめる役割を果たします。リーダーシップスキルを向上させるために、継続的な教育が重要です。
コミュニケーション能力の強化: 職長は作業者と直接コミュニケーションを取る機会が多いため、適切なコミュニケーションスキルを身につける必要があります。
職場文化の形成: 職長は職場文化を形成する重要な要素です。職長教育は、職場の価値観や安全意識を共有し、良好な職場環境を作り出すために必要です。
総じて、職長教育は職場の安全性や効率性を向上させ、組織全体の成功に貢献します。
職長教育はおおむね5年ごとに更新することが求められています。職長は定期的に教育を受けることで、最新の安全知識を習得し、職場の安全性を確保する役割を果たします。つまり、定期的な能力向上が求められています。
職長能力向上教育のカリキュラムは、これまでは建設業だけが示されており、製造業における職長能力向上教育のカリキュラムは、各事業場でカリキュラムを作成し実施していました。
厚生労働省より2020年3月31日付で、製造業における職長の能力向上教育を、事業者等で実施することが示されました。
これにより、製造業に係る事業者は、職長に対し、新たにその職務に就くこととなった後からおおむね5年ごと及び機械設備機械等を大幅に変更した時に、職長能力向上教育を実施することが求められています。
プログラムは、「基本項目(必須)」の内容に、必要に応じて、「専門項目(選択)」の必要な内容を加えた教育を、「講義」と「グループ演習」を組み合わせて「合計360分以上」実施します。
「基本項目(必須)」
生産現場における安全衛生管理のキーパーソンとして期待される①「先取りの安全衛生管理」、②「情報管理(上司と部下とのパイプ役)」、③「部下の育成」の3つの役割について、より一層レベルアップさせて的確に果たすことができるようにするために不可欠な安全衛生教育。
「専門項目(選択)」
生産現場において、職長が中心となって推進する労働災害防止活動(①安全衛生実行計画、②職場巡視、③危険予知(KY)活動、④ヒヤリ・ハット活動、⑤4S(5S)活動等)についての多種多様な専門の安全衛生教育。
4月以降、既存業種と新たに追加された業種に向けた「職長教育」のプログラムと再教育にあたる「職長能力向上教育」をセミナーに加えていく予定です。
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