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コラム

HACCPによる衛生管理(1)

2023年5月15日

テーマ:HACCP

コラムカテゴリ:ビジネス

危害要因(ハザード)を知りましょう

安全な食品を製造するための基本は、食品製造における危害要因(ハザード)を知ることです。
自社で製造している食品について、原材料や製造加工工程における潜在的な危害要因を明らかにします。

 皆さんが目にしたり耳にしたりしたことがあるHACCP (ハサップ)とはいったいどのような取組みのことでしょうか。
 HACCPは、食品事業者自らが、食中毒菌による汚染や異物混入などの危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去したり低減させるために、特に重要な工程を管理することで製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法です。
 「危害要因」という用語が出てきましたが、「危害要因」とは、「飲食に起因する健康被害または、その恐れ」のことで、「バザード」とも言われます。もし食品に病原細菌、ウィルス、寄生虫、農薬、薬剤、金属片、ガラス片などが含まれていたり混入してしまったらどうなるでしょうか。その食品を食べた人に健康被害を起こしてしまうかもしれません。健康被害を起こしてしまうかもしれない、これらが「危害要因」になります。
 危害要因は生物的、化学的、物理的の3つの観点で考えます。それぞれの危害要因のことを、「生物的危害要因」、「化学的危害要因」、「物理的危害要因」と言います。

危害要因(生物学的)

  • 殺菌温度の管理の不備によるサルモネラ、大腸菌O157などの病原微生物の生残
  • 包装工程における従事者の健康管理の不備による黄色ブドウ球菌の混入
  • 倉庫の温度管理の不備による微生物の発育

危害要因(化学的)

  • 調味料の計量時、管理不足によるアレルゲンの混入
  • 洗浄剤の取扱いの不備による混入

危害要因(物理的)

  • 製造・加工設備の部品の脱落による金属異物の混入
  • 製造・加工区域で使用するガラス器具の破損によるガラス片の混入

 抽出された危害要因に対して、どのように管理するか、できるだけ具体的に食品等の取扱方法を取り決めます。
 朝礼や説明会、OJT(On-the-Job Training、具体的な仕事や作業を通じて必要な知識・技術・技能などを指導し修得させる手法)などの教育・訓練を通じて、取り決めた食品等の取扱方法の目的を食品取扱者が理解し、標準化したルールに従って作業を行う必要があります。

この記事を書いたプロ

下裏祐司

事業と社員の成長を導く企業活性化コンサルティングのプロ

下裏祐司(株式会社飛泉)

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