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コラム

国産機械式時計の分解掃除 機械を取り出してからの分解 

2014年10月18日

テーマ:セイコー”S”4s12‐0010 分解修理

コラムカテゴリ:くらし

台風の影響は時計にも恐怖の今日この頃です。台風が通り過ぎると時計の水入りの修理が増えます。どうしてもいつも使っている時計は手から外す事が出来ないようでいつも通り使ってしんすいすることも多くあります
防水仕様になっている時計と言っても長年使っていると防水性も落ちていますので雨の中でのしようは気を付けてあげてください。多くの人に長く時計を使っていただきたいと思います

今日は先日からの続きです
セイコーのサスという自動巻きシリーズの分解掃除なのですがセイコーでも今現在はグランドセイコーなど高級な路線ではなく自動巻き時計は販売されています。
その中でもちょっと前まで販売されていたのがこのサスです

長く使っていただきたいのはもちろんですがそのためには分解掃除などのメンテナンスを必要とします。今一度お使いになっている時計でメンテナンスを5年以上受けてない時計がある場合は分解掃除を考えてみてください

ケースから時計を取り出す




時計を分解していく段階で必ず必要なケースから時計を取り出す作業です
このサスの4s系の機械はもともとロードマチックスペシャルの機械を元に作られています
オシドリという部品がリューズの入る部分にあるので適度に押しながらリューズを抜きます。
機械によって違いはあるのですがリューズが抜けると機械を外すことが出来るパターンがおおいです
スイスの機械は機止めネジといって機械をネジで固定しているパターンが多くみられます

文字盤と針を外す



カレンダーの日にちのことを日板「ひいた」といいます。日板を止めているネジはとても小さなネジとなっているので慎重に取り外していきます。日板を抑えている受けの下には多くの部品がありますので慎重に外していくほうがいいでしょう。


日板をはずして受けを取りました。


ここから見てわかるように小さな部品などが配置されていて多くのパーツが組まれています。
分解掃除の際はこの組み合わせを覚えておくことが必要になってきますし、ここの部品に異常がないか調べる必要があると思います。カレンダーの周辺のなんかが原因で止まるといった不具合現象もありますのでここの状態では調べることも多くありますね。

日送り車を取り外しました








カサ車と裏押さえカバーをはずす

この状態まで取り外すとリューズ操作の動きがわかりやすくなります
今回の時計の場合は汚れが多く出ていましたので分解掃除と疲労部品の交換が主ですが壊れているときには原因を発見することが重要ですです。おおくの時計を勉強して少しでもおおくの時計について修理ができるように今後も精進していきたいと思います。次のコラムからは歯車の分解をご紹介したいと思います

この記事を書いたプロ

川口誠

時計修理のプロ

川口誠(時計工房 勇進堂)

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