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コラム

分解掃除を行う際に使う洗浄カゴ。ばらした部品たちはこのカゴに収められます

2014年11月1日

テーマ:セイコー”S”4s12‐0010 分解修理

コラムカテゴリ:くらし

先日起きるときると首が固まっていて動かすことが出来ません。仕事がたまっているのにどうしようと考えていましたが寝違えたものは仕方ありません。その日はあったかいお風呂に入って休養をとり次の日からの仕事のために早めの切り上げをしました。次の日からは毎日夜中まで仕事をしたのは言うまでもありません




分解掃除の時は部品の位置や方向を覚えておくこと!



分解掃除のときには絶対に忘れてはいけない部品の方向です、中には上下がないものもありますがほとんどの場合は決まった方向があります。部品の切込みを切れている方向や仕上げの違いを覚えておくことが必要ですね。
この画像の中にも真ん中のあたりに部品が2点くっついています。この部品は方向はありませんがどのような役割で動いているか調べておくと修理のときに役に立ちます。何となく分解するのではなく理解があってから分解する必要があります



大きな香箱車を取り除いたです

時計の基礎 地板と言われるパーツ



地板と言われる部品になります。
この地板が傷んでしまうと時計は直すことが難しくなります。いろいろな歯車を受けている部品ですが油がない状態で使われていると傷んで消耗してしまいます。この時計は赤いルビーを多く使って地板の摩耗を抑えられているようになっていますがアンティークの時計の場合は摩擦や消耗防止の人工ルビーが入っていないので地板が削られてしまいます。
地板が削られてしまうと時計としては動かなくなってしまうので定期的な分解掃除が求められています
僕の分解掃除は多めの注油で行うのですがそこには少しでも長く使っていただきたい思いが入っています
職人さんから見ると勇進堂さんの分解掃除の注油は多いでって言われるかもしれませんがじぶんの時計に対する気持ちがそこには入っています

分解掃除に欠かせない全自動洗浄機の洗浄カゴ




部品を小部屋小部屋に分けて入れています。
区切られた部屋にはできるだけ大きさのそろった部品を入れてあげます。
厳密には遠心力のかかる方向に寄せて入れるのが基本です。
細かい部品だけではなく多くな部品もおおく洗浄カゴで洗えない部品は手洗いで洗いますし繊細なテンプは別のカゴに入れて超音波洗浄のみ行います。大切な時計をお預かりさせていただいていますので気を抜かず最後まで対応をさせていただいています。


ここまで長い間コラムに付き合ってくれてありがとうございました
次回で最後なのでもう少しお付き合いください4

この記事を書いたプロ

川口誠

時計修理のプロ

川口誠(時計工房 勇進堂)

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