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英検1級道場ー英語と日本語の表現の違いーbefore

2021年8月18日 公開 / 2022年11月17日更新

テーマ:道場のレッスンはこんな感じです

コラムカテゴリ:スクール・習い事



東京駅から新大阪まで、東海道新幹線に乗ると次のような車内放送があります。

After leaving Tokyo station, this train will stop at Shinagawa, Shin-Yokohama, Nagoya, Kyoto, before arriving at Shin-Osaka.

その直後に、車掌が日本語でこのように放送します。

「当列車は、東京駅を出ますと、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の順に停車してまいります」

ここで、ある決定的な事実に気が付きます。

日本語の放送には、before に相当する言葉がありません。

言い換えれば、日本語は東京から新大阪まで、beforeを使わず、駅名が羅列されているにすぎません。

これに対して英語は、出発駅から終着駅の一つまで、名前が羅列され、beforeが出てきて、終着駅の名前が出てきます。

つまり、
日本語  出発駅‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 終着駅
英語   出発駅‥‥‥‥‥‥, before 終着駅

このように、微妙ですが、beforeという中学1年生で習う単語の使い方で、決定的な違いがあります。

これは、発想法の違いと言えると思います。

別の例を紹介します。

日本語    私は、明日、上野動物公園へ、友達と、山手線に乗って、パンダを見に、行くつもりです。

英語(直訳) 私は、行くつもりです、明日、上野動物公園へ、友達と、山手線に乗って、パンダを見に

このように、日本語は主語と述語の間に様々な情報が入ってきます。一方英語は、主語と述語を先に述べてしまい、その後に付帯する様々な情報がくっついてくるイメージです。

もう少し付け加えると、英語は、1問1答形式で話していく言語です。

私は行くつもりです
いつ?     明日 
どこへ?   上野動物公園へ
誰と?    友達と
どうやって? 山手線に乗って
何をしに?  パンダを見に

このように見ていくと、英語と日本語は言葉の使い方に決定的な違いがあります。中学1年の最初の授業で習うS+V+Oが決定的に重要だということがよくわかります。

私は、中学の最初の授業で、先生がいきなりこの文法を説明し始めたときに、英語が大嫌いになりました。
今になって思えば、上記のように見ていくと、そのように教えることは重要なのです。

では、日本人が英作文を書くとどうなるのか、見てみましょう。

新幹線の車内放送の例だと、

After leaving Tokyo station, this train will stop at Shinagawa, Shin-Yokohama, Nagoya, Kyoto, and finally Shin-Osaka.

日本人なら、必ずこのように書くはずです。
これは文法的には間違ってはいません。
意味も確実に伝わります。
しかし、ネイティブは、すでに述べたようにbeforeを使って書きます。

このようなことがあるので、私は英作文の添削における最終チェックは、ネイティブにお願いする方針をとっています。

すでにお分かりのように、日本人の私には(英語ができるほうだと思いますが)、beforeを入れるという発想が欠けてしまうからです。

私は多くの日本語検定1級を合格した外国人を知っています。
彼らと話すと、日本人と話しているのとほとんど変わりません。
しかし、文章を書かせてみると全くお話になりません。幼稚園児の作文のようなレベルなのです。

この意味で、スピーキング、リスニング能力とリーディング、ライティング能力は決定的に異なります。
これは、小学低学年生を見ればわかります。
話したり、聞いたりするのは、まったく問題がありません。でも、読ませたり、とくに書かせたりすると、大人とは雲泥の差が出てきます。

ですから、英語の4技能を客観的かつ正確に測定することが重要であり、たいへん難しい作業です。
帰国子女だからと言って、立派な文章を読んだり書いたりできるわけではありません。
日常会話が流暢であったり、リスニングがすぐれていることと、読み書きができるのは別のことです。
逆もしかりです。ニューヨークタイムズが読めるからと言って、自己紹介も十分にできない日本人がたくさんいます。

このように、4つの技能はそれぞれ独立した技能で、一つひとつ鍛える必要があります。
ただし、大切なことは、これらは相互に関連しているということです。

また、日本語の読書量の少ない人は知識量が足りず、英語で話す内容がどうしても薄くなります
最近、このようなことを強調しながら、レッスンを進めています。

このようなレッスンに興味のある方は、英検1級道場に声をかけてください。
英検1級道場では、「ハローこんにち」はを上手にするためではなく、英語の本質を理解できるようにしながら、レッスンを行います。

この記事を書いたプロ

山中昇

自ら英検1級合格を続ける英語指導者

山中昇(英検一級道場)

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山中昇

英検一級道場

担当山中昇(やまなかのぼる)

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