大きな屋根の家②~業者Aとの会話その2
前回のお雇い外国人が指摘した頃の住宅は、現在の言葉で言えば古民家で、柱と柱の間は建具で仕切られ、壁が少ない住宅で、建具を開ければ一部屋になってしまう住宅ばかりでした。それに加え、軒が出ているため、屋根は直下の階の床面積より2,3割平面積が大きくなっています(コラム「大きな屋根の家④」参照)。
土葺きの瓦で重たい屋根を太い梁で受け、それを柱で支え、壁が少なく、柱は下に土台はなく個々に石の上に立てた住宅でした。壁は土壁でもちろん筋交いが入った壁はありません。
コンドルらの提言を受け、
・住宅全体に筋交いを入れた壁を配置すること
・接合部の強化
が1892年の造家学会で発表されました。
工部大学造家学科の卒業生など近代建築を学んだ人たちは壁の耐力の実大実験を行い、壁の種類によりどの程度強度が違うのか調べました。土壁や板を打ち付けた壁などたくさんの種類を行いましたが、斜材(筋交い)を入れた壁が最も強度が高いことを実験で確かめます。
そして、1950年の建築基準法施工令で「壁率の計算」として制定されました。存在壁量>必要壁量となるように計算することになったのです。壁率といわれる理由は、この計算方法が床面積に対して必要な耐力壁の長さを計算する「単位面積当たりの壁の割合」だからです。
この計算で、床面積に対して耐力壁の長さを決める(必要壁量)を計算し、それを越える量の耐力壁 (存在壁量) を配置する計算になったのです。
次回は、『耐力壁の配置について⑥~1981、2000年の改正』です。
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