大きな屋根の家⑧~計算方法によって異なる床面積
2の筋交いについては棟梁は以下の3つを語っています。
・バランス良く入れる
・筋交いは三ツ割でよいのでまんべんなくいれる
・法で決められた量よりたくさん入れる
上記の3つの項目は「強度の低い筋交いをバランス良くたくさん入れる」ということになります。
※棟梁の言葉は「三ツ割でよい…」とは105㎜角の柱を三つに割った厚みの筋交いということです。105㎜を3で割るので約35㎜の厚みの筋交いとなります(当時は一般的な厚み)。現在は筋交いといえば厚み45㎜が標準です。厚みが厚い方が強度は高いので、棟梁は現在よりも強度の低い筋交いをたくさん入れていたと考えられます。
強度の低い筋交いだから→何カ所も入れないといけないから→たくさん入れることになり→まんべんなく入れた、そして天王寺谷棟梁は前回書いたように通し柱を多く入れていたので、壁の直下率は高くなったと思われます。
強度が高い耐力壁を入れ、数を減らした方がいいと思われますが、強度が高い壁ほど地震時に負担が大きくなります。そうなるとそこが壊れると倒壊につながるかもしれません。リスクを減らすには強度が低い耐力壁をたくさん配置した方がかかる地震力を分散して受けることが出来ます。
仮にAとBの2種類の耐力壁(Bの強度はAの3倍)があるとき、Aの壁で30カ所とBの壁10カ所は同じ耐力壁の量となります。リスクを分散するには地震時にBの壁が一カ所壊れるとAの壁が3カ所壊れたことと同じです。事故に対処するには分散した方がよいのです。
次回は、『耐力壁の配置について⑰~前提条件を満たさない住宅とは』です。
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