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鈴木敏広

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広(すずきとしひろ) / 一級建築士

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コラム

合板の使われ方④~合板と水

2019年11月12日

テーマ:材料について

コラムカテゴリ:住宅・建物

今回のコラムはコラム「夏型結露⑩」(コラム;夏型結露⑩ 参照)と内容が重なります。

合板は単板+接着剤+単板+接着剤…+単板になっています。②に書いたように単板は木材ですから、水分を吸収し乾燥すれば放出することができます。放出するときは接着層の方にも出し、接着剤は透湿できず、接着剤が完全に防水でないため吸収された水分は徐々に合板の中心に広がっていきます。乾燥するのは表面と小口面(断面)しかありませんから、一度、中に入った水分は簡単に乾きません。

また、合板の小口(断面)は単板と接着層がむき出しになっていますから、四周の小口面からはどんどん水分は入っていきます。もしも小口面が空気に触れる使い方をすれば絶えず空気中の水分が吸収されることになります。

合板の使われ方④

上記のように合板が水に弱い理由は、単板の部分は水分を吸収、放出できても接着層はできないことにあります。吸放出できる部分とできない部分が層になっている、つまり、水に対して相反する性能を持っているモノが一つの材料となっていることが問題なのです。

もしも、接着剤に透湿性があれば無垢の木材と同じように、合板は水分を吸放出すると思います。そうなれば、合板が水によって材料としての性能をほとんど失わないか傷みにくくなります。ただ、現在そのような接着剤は聞いたことがありません。

次回は、『合板の使われ方⑤~耐力面材として』です。


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