- お電話での
お問い合わせ - 0532-32-4265
コラム
熊本地震で分かったこと⑫~私の経験、直下率の低い家
2017年4月21日
以前に私が見積ったある建築士の図面を見たときに、この人は何を考えているのだろう思いました。
その建築士の図面では、意識的に1階が壁なら2階は窓、1階が窓なら2階は耐力壁になっていました。しかも、家の角の一カ所は角の柱から90度サッシになっていて、そのサッシの上は耐力壁になっていました(下の絵参照)。前回のコラムからいえば直下率が低い家と言えます。
その設計図には、耐力壁の計算書がついていて、その内容にも多々疑問点が多くありました。その家は総二階建てに一部平屋が付いていたのですが、その平屋部分に洗面、トイレ、浴室が計画されていて、その平屋部分の壁(小さな部屋が多いので面積の割に壁が多い)ほとんどに筋交いが入っていました。
本当は2階建の1階部分に耐力壁を入れ、総2階部分は平屋部分の耐力壁がなくても必要数量を満たすように計画し、平屋部分は補助のようにするべきなのです。
上記のことと他の疑問点も含めて構造に関してたくさんの質問をその建築士に伝えましたが、指摘についてお礼が一言あっただけで見直しは一切されませんでした。
当然、仕事はもらえませんでしたが、今になって思えば計算してOKだから、問題はないとその建築士は思っていたのかもしれません。でも、意図的に開口部の上に耐力壁、耐力壁の上に開口部にし、柱に掛かる力を減らして強度のある金物を使用しない計画は理解できませんでした。
次回は、 熊本地震で分かったこと⑬~天王寺谷棟梁の言葉 です。
---------1955年以来の信頼と実績--------------
まちの大工さん 鈴木工務店
TEL : 0532-32-4265 FAX : 0532-32-4251
E-mail : machino-daikusan@h3.dion.ne.jp
◆住まいに関することは何でもお気軽にご相談下さい
---------------------------------------------
関連するコラム
- 熊本地震で起きたこと、分かったこと②~今の基準では… 2017-02-07
- 熊本地震で起きたこと、分かったこと④~「新耐震」でも壊れた 2017-02-14
- 熊本地震で起きたこと、分かったこと⑥~1981年基準と2000年基準の差 2017-02-21
- 熊本地震で分かったこと⑩~築10年以内で倒壊した原因は直下率が低い 2017-04-14
- 熊本地震で分かったこと⑭~通し柱不要論 2017-04-28
コラムのテーマ一覧
- 制度と基準について
- WB工法
- 住宅の変化
- 住まいをつくるとは
- 窓(開口部)について
- 家の構造について
- 住宅の収納
- 建築の保険
- 材料について
- 住宅の工法
- 住宅のエネルギー
- 樋
- 家の老化
- 耐震補強
- 仮設
- 住宅の寿命
- 冬向きの家
- 軒のない家
- 片流れ屋根の家
- 地震
- 尺とメートル
- 見積り
- 金物工法
- 集成材
- 調湿
- 結露
- 木造にこだわる理由
- WB工法を採用して10年
- 階段
- 10年で塗装しないといけない家
- つかさや工事日記
- 耐震診断できない木造住宅
- 危ない吹き抜け
- 訪問販売リフォーム
- リフォームは難しい
- 雨漏り
- 四方山話
- うちのつくり方
- 住宅侵入盗
- WELL珈琲新築工事日記
- リフォームの時代
- 新聞、雑誌等の記事から
- 吹き抜け
- 建築は大工が造ってきたが
カテゴリから記事を探す
鈴木敏広プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。